【読む価値のある駄文】クトゥルフ系MMORPG小説「真ペゾ」【きな粉味のトラペゾヘドロン】（著）真島文吉。

真島文吉 @ASCIIART_NOVEL

ある日突然、人類の数%が超能力に目覚め、炎とか電気とかを放出したりできるようになった。能力者は選ばれた人々として社会の特権階級に成り上がり、能力者は何をしても許されるという新しい世界の仕組みが出来上がった。 ３年後、選んだ人が言った。 「βテスト終わったから一旦全員無能力に戻すね」

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「その時に横暴なことをしていた元能力者は悲惨なことになり、能力に目覚めなかった人を差別しなかった元能力者は生き延びたんじゃよ」 「で、第二次βはいつ来るんだい？」 「もう来とる（口から無限にカブトムシを放出しながら」

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「どうりで今朝から全身の毛穴から触手がうごめいて仕方ないと思ったぜ」 「なんか選ぶ人の趣味が変わった気がするわい。少年誌から青年誌に移ったような」

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『選ぶ人のアナウンスです。今回は敵も実装しました。全人類の3倍ほどいるので頑張って生き延びてください。南極のオゾンホールからリスポンします』 「やれやれ。こうなったら最後まで付き合ってやるか、の（カブトムシで処理落ちしながら」 「へへ、やってやろうぜ（座標の穴にはまりながら」

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「敵がクソ強くてヤバいんだけど。ワープしてくるし」 「このドロップアイテム外見はトラペゾヘドロンなのに味はきな粉だ」 「町中にエロい恰好のNPCが出現したと思ったらみるみる豆苗になったんですが」 「俺たちの日常が訳わからんクソゲーに侵食されていく」

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「これはもはや選ぶ人を倒した方が早いのでは」 「どうせアホみたいなステータスで防御してるって」 『私は実は一回刺されただけで消えます』 「逆に危なくて手が出せねえな」

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「人外の敵がふつうに襲ってくるから割と世界人類の危機だ。政府がなんか真面目な撃退案を練ろうとしてるぞ」 「カブトムシとか触手でならダメージ通るけど実弾はどうなんだろな」 「戦闘機隊のミサイル攻撃だ！デカい飛行マンタが木っ端微塵になったけどダメージ表示が出ないぞ！」

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「戦闘機の上にcheatの赤文字が出たぞ」 『運営が用意してない不当な攻撃を用いたのでパイロットと政府関係者にはデバフがかかります。今後3ヶ月白米が食べられません。口に入れると猫のトイレ砂になります』 「何なんだその普通に辛いだけのペナルティは」

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「つまり敵を無力化するほどの高火力軍事攻撃はcheat扱いされるので、超能力だけで戦えということだな」 「いや、政治家とパイロットが冷飯を食えば良いだけのこととも言えるぞ」 「ダメージ表記なしでやっつけてもフラグが立たず総数が減らないのでは？」 「でもリスポンまで時間を稼げるしな」

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「時は金なりか」 「政治家に冷飯を食わせようぜ」 「いやいやミサイル一本いくらすると思てんねん」 「政治家に冷飯を」 「その言い回し気に入っただけだろ真面目に考えろ」

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「結局政府はろくな対策ができなかったな。パン麺業界を支援する政策だけが以前の数倍になった」 「もうあいつらは捨ておけ」 「ハッカ味のトラペゾヘドロンがドロップした！これで8種の味が楽しめるぞ！」 「ドロップアイテムの意味も今のところ無いな」 「ロンギヌスのデンタルフロスって何」

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「今日は敵を10体も倒した期待の能力者、通称　† 暗黒魔剣騎士†クウゲルシュライバー　さんにスタジオにお越し頂きました。† 暗黒魔剣騎士†クウゲルシュライバーさんよろしくお願いいたします」 「† 暗黒魔剣騎士†クウゲルシュライバーです。よろしくお願いします」 「早速ですが† 暗黒魔

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「なるほど、それで右手から鉄の処女を生やしてぶん殴る能力を手に入れたわけですね。暗黒さん」 「しれっと略しましたね。ほんと残念ですよ。エクスカリバーでなく鉄の処女が生えてくるなんて」 「ところでどうやって敵を10体も倒したんですか？」

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「いちばんノロくてデカい敵を後ろから殴って逃げるを繰り返しました！大変でした！1体につき2週間もかかるんですよ！途中で横入りしようとするやつと喧嘩になるし！」 「倒して良いことはありましたか？」 「とにかくトラペゾヘドロンが溜まりましたね！」

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「何味ですか？」 「えっ、アレみんなマジで舐めて確かめてんの」 「何味でしたか？」 「口に入れたりしませんよ！オリンピックの金メダルじゃあるまいし！」 「最新情報でチョコミント味が報告されてますがご感想は」 「知らないよ！！」

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「暗黒さんは現在レベル8だそうで。常人はレベル1ですが何か人生変わりましたか」 「鉄の処女を生やしていられる時間が延びました。最初は10秒しか具現化できなかったんですが今は5分弱といったところですフフン」 「他には何か」 「全くないですね」 「今日はありがとうございました」

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「来週は座標の穴に落ち込んで3ヶ月サバイバル生活をしている田中仁さんのインタビューです。ご期待ください」

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「全人類が危険に晒されているのに、抵抗できるのが能力者だけなんて間違っている……！無能力者も敵と戦えるよう右手が鉄の処女の男の鉄片をもらってマイクロ単位に分解！銃弾に埋め込むことで誰でも敵にダメージを与えられる銃を作ったぞ！！」

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『それ割と重大なcheatです。3ヶ月パンツ履けない体にします。身につけた瞬間蒸発します』 「私1人がパンツ履けないだけで済むなら本望！！量産開始ッ！！！！」 『今すぐやめないと100年禁止コースですよ。関係者全員です』

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「全市民に配布……！おい、何をする！やめろ！ええいこの裏切り者ども！軟弱者！政府の犬め！そんなに、そんなにパンツが履きたいかーッ！！！」 「履きたいに決まってるだろ！ええい早くこいつを連れて行け！ラボ閉鎖だ！！」 『（もうちょっとカッコいいもの禁止してあげた方が良かったかな）』

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「トラペゾヘドロンはずっと味がするガムとかずっと溶けない飴みたいなもんだよな」 「同意しかねる」 「専門家がカロリー計算してみたんだが」 「するなそんなこと」 「なんとマイナスだそうだ」 「マイ……何て？」 「マイナスなんだよ。舐めれば舐めるほど体から熱量が奪われるの」

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「やっぱり口に入れて良いものじゃないんだな。何か悪影響とか」 「ダイエット」 「何て？」 「トラペゾヘドロンダイエット」 「やめろ」 「しゃぶってるだけでラクラク減量！あの芸能人もトラペゾ体型に！！！」 「選ぶ人！これcheatだろ！！リアルマネートレードだぞ！！！」 『うーん保留』

真島文吉 @ASCIIART_NOVEL

『皆さんのおかげで敵が520体も撃破されました』 「終わりが見えない」 「やはりこいつを除いて暴政を終わらせるべきでは」 『ガス抜きも兼ねてガチャをしようと思います』 「少しは包め。ガス抜き言うな」 『公式サイトをご覧ください。選ぶ人　死ね　クズ　住所　などでググると出てきます』

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「ネガティブなサジェストで誘導するな」 「なんだこのサイトブルースクリーンみたいだぞ。プロに頼め」 『ご自分の名前と人生最大の後悔を打ち込めば1回ガチャを回せます』 「なんで俺達の人生最大の後悔把握してんの」 『あるいはトラペゾヘドロンを1個消費するごとに1回ずつ回せます』