ツメキリマンシリーズ

ヒーローとしょうもない高校生たちの青春ストーリー
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隊長 @asuka_taityou

#twnovel ”ひゃひゃ。この俺様がお前らの爪を食べてやる”悪ののっぺらを倒せるのただ一人。”ちょっとまて!お前に爪は食べさせない”後輩たちの歓声を浴びて登場するは我らが正義の味方ツメキリマン。「けど爪を切る方にとってはどっちでもいいですよね」それでもがんばれツメキリマン

2011-11-10 19:13:01
隊長 @asuka_taityou

#twnovel はぁ?7年も続いてれば伝統なんじゃねぇの?始まった理由?知らねぇよ。一体どんな酔狂な先輩が始めたんだか。まぁどうでもいいけどさ。今日は俺が当番だから行かなきゃなんねぇ。一年のドアを荒々しく開くと俺は叫んだ。「ちょっと待て!ツメキリマン!!」

2011-11-06 21:02:15
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 普通科の2年がお面をつけて休み時間に一度だけ1年の宿題、予習を手伝いに行く。そんな習慣があることを知ったのは入学してすぐのことだった。”ちょっと待て!ツメキリマン!”とかいう中途半端はフレーズとともに教室に顔を出したのはひょっとこのお面。勿論俺たちは当惑した。

2011-11-06 21:12:19
隊長 @asuka_taityou

#twnovel ツメキリマンの由来は既に正確なところはわからないものの、どうやらそれは生活指導前に2年の何某が1年生たちにツメキリを貸してやったのがきっかけだったとか、そうでないとか。その他諸説伝わってきている噂のすべてがどうしようもなく下らないものであることを追記しておく

2011-11-07 00:39:23
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 教室にくるツメキリマンたちが常に後輩の質問に万能に答えられる精鋭たちばかりであるとは限らない。なにせツメキリマンは日直の仕事だし、ランダムに人間は入れ替わる。だから往々にしてこうした悲劇が繰り返されるわけだ。「すまん。黒板代わりに消しておくから勘弁してくれ」

2011-11-07 00:43:32
隊長 @asuka_taityou

#twnovel ちなみに女子の場合おかめのお面をつけて現れるのだが、ツメキリマンたちには共通の一つの鉄則があった。「やりぃ!條野先輩だぜ」むろん数回もすれば出来のいい先輩に対する期待は高まる。だがそれに対して答えてはならない。ツメキリマンよ、君はあくまでツメキリマンであれ

2011-11-07 00:55:22
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 「で文化祭どうするよ?」放課後残った2年生は限りなくやる気が0に近かった。「適当に決めれば?」とはいっても一人くらい乗り気な奴がいないとなかなかこういうことは決まりにくいものだ。「文化祭といえば劇なんじゃねぇ?」そしてこうしたいかにも無責任なセリフにも流される

2011-11-09 04:47:19
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 結果として我がクラスは他の提案よりも明らかに手間がかかりそうな面倒な意見にのった、なぜか。「じゃあ、もう仕方ないのでツメキリマンの寸劇で」「え?ツメキリマンするの?まぁそれじゃ仕方ないかもね」何が仕方ないのか。普通科2年の今年の出し物はツメキリマンの劇に決定。

2011-11-09 04:56:35
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 「よし、じゃあ1年生と合同でするか。折角のツメキリマンだからな。誰か話をつけてこい」とかなんとか、思いつくまま流されるまま自分たちですら一体何をしようとしているのかよく考えてもいないくせに、1年生のもとへ向かう。「え?先輩、俺たちもツメキリマンですか?」

2011-11-09 04:59:24
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 「え?先輩、俺たちもツメキリマンですか?」当然後輩たちは戸惑った。「そうだ、お前たちもツメキリマンだ」何がそうなのか知らないが、ともかくそういえば後輩も渋々頷いた。「僕たちクラスでカフェをしようと思ってたんですけど、今みんなに説明してきますね?」

2011-11-09 05:01:14
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 洒落たカフェをやる予定がどうしてツメキリマンの寸劇なんぞになろうか、それでもどんな話をしたかはさだかでないが1年生も劇を合同ですることに同意した。やむをえまいだろう、ツメキリマンなら。そして脚本は教師の目を盗みながらリレー形式で完成した。「後は稽古だな」

2011-11-09 05:04:52
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 「普段の感じでいってみよー」ともかくそんな掛け声の下稽古は始まった。1年生でざわめく教室にガラッとドアを開けてツメキリマンが参上。「ハイ!セリフ!」ひょっとこ仮面の生徒が恥ずかしげもなく叫ぶ。「ちょっと待て!ツメキリマン」感動のヒーローが誕生した瞬間だった。

2011-11-09 05:09:02
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 休憩中、劇についての細かな質問と改善点がいくつか1年から指摘された。その中で「あのぅ」いかにも自信なげに手を挙げたAの言葉にみんなは固まった。「前から疑問に思ってたんですけど、ツメキリマンの登場のセリフって少し変じゃないですか?」それは非常に根本的な問題だった

2011-11-09 05:15:01
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 「どう変だっていうんだよ?」「例えばですね、ちょっと待てと行って入ってこられたら、ツメキリマン!と叫ぶのは普通助けを求めている僕らだと思うんですよ。もしツメキリマンまで言ってしまいたいならツメキリマン参上と言うべきではないでしょうか?」それは、たぶんそうだろう

2011-11-09 05:17:44
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 僕の言いたいこと伝わってます?心配そうな1年の指摘は2年生全体に浸透していた。”言われてみればその通りだ”だが俺たちはそれをもう1年近く言い続けてきたし、2年近く疑問に思ったことはなかった。「どうする?」自然と不安げに顔を見合わせる面々。議論の末伝統が勝利した

2011-11-09 05:23:13
隊長 @asuka_taityou

#twnovel 「ちょっと待て!ツメキリマン」でも伝わらないことはないだろう。うん、別にそんな言い方もある気がする。なぁなぁな2年生に反論もなく無事稽古は終了した。「でもさぁ明日からのツメキリマンどうする?」「どうするってなんだよ?」「いや参上って言った方がいいかなって・・」

2011-11-09 05:26:17