バトル・オブ・フォート・ダイナソー #3

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

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【バトル・オブ・フォート・ダイナソー】　#3 pic.twitter.com/LH0VmYgy1Q

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◆主な登場人物◆ 【ハイドラ】 サワタリ・カンパニー社員で、強い再生能力を持つバイオニンジャ。最古参であり、フォレスト・サワタリとの付き合いは最も長い。社内のカラテ指南役と力仕事を担当している。隠し砦「フォート・ハイドラ」を任されている。 【フォレスト・サワタリ】 元ヨロシサン製薬社員であり、「グエン・ニンジャ」のソウルを憑依させたニンジャ。インディペンデント製薬会社兼小規模ニンジャクラン「サワタリ・カンパニー」のボスとして、アマゾン川流域で暮らしている。竹槍が得意。 【ローゼンベルグ】 ローゼンベルグ・オウゴンオニスタッグ昆虫の力と人間の力を組み合わせたバイオニンジャ（全長２メートル）。奥ゆかしい職人気質で、辛抱強く分別がある。また人間かニンジャかを問わず、全てのサワタリ・カンパニーメンバーに対し敬語で接する。 【マインドキル】 サワタリ・カンパニー社員。ピンクのイルカ型バイオニンジャで、マインド攻撃の力を持つ。非ニンジャの社員、モニカと強い信頼関係を築いている。普段のコミュニケーションはヘッドギアから頭上に投射する漢字ホロ装置を用いる。 【K2とK3】 かつてヨロシ・バイオサイバネティカ社が日本のカマイタチ伝説になぞらえて開発し、３体ひとセットでの運用を考えていた少年型バイオニンジャ・シリーズの、貴重な生き残り。ヨロシサンの遺棄施設内で弟のK3とともに発見され、餓死寸前のところを救出された。 【セントール】 ヨロシサン製薬のバイオ鹿工場爆発事故によって生み出されたバイオニンジャ。下半身が大鹿のそれであり、頭には角も生えている。主武器はサスマタ。数々の激戦をくぐり抜け、今なおサワタリ・カンパニーの主戦力の一人。密林内の巡回警備役も勤める。 ◆フォート・ダイナソーのやつら◆ 【ヘルレックス】 ダイナソー・ニンジャクランの首領。T-REXめいた大顎とツメ、長い尻尾と巨体を備えた、まさに暴君と呼ぶに相応しいニンジャ。サワタリ・カンパニーとは長い緊張状態にあったが、三日三晩に及ぶリーダー同士の一騎打ちで敗北した後、説得を受け和解した。 【ロングモーン】 ダイナソー・ニンジャクランのバイオニンジャ。水色の雷竜じみた巨体を持ち二足歩行する。その足に踏まれればただではすまないだろう。得意とする武器はサスマタ。ダイナソーニンジャたちの中では最も賢く、ヘルレックスの軍師役をつとめている。 【ウイングドテラー】 ダイナソー・ニンジャクランの斥候役。紫色のプテラノドンめいたバイオニンジャ。高く飛翔して上空から戦場全体を見渡し、情け容赦ない滑空カラテ攻撃を加える。ヘルレックスやロングモーンとの連携は隙が無く、まさに白亜紀めいた悪夢だ。 【宣教師】 論理聖教会からやってきた宣教師。凄まじいカネの力でダイナソーたちを堕落させた。

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「キャオキャオキャオ！」投網弾で捕獲された極彩色の鳥が、ジャングルの茂みに落下し、苦しげにもがいた。「イェー！ビンゴ！」「おい見ろよ！オーガニック極楽鳥だぜ！」黒Tシャツの男たちがビールを飲み、笑いながら近づいてくる。全員ちぐはぐのコンバットブーツにサファリ装束、そして軽機関銃。1

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「とっとと羽根を切ってカゴに入れろ！」「傷つくと価値が落ちるからなァ！」「最高のボーナスだ！たまんねえぜ！」黒Tシャツの胸には『フォートダイナソー』と書かれている。おお……ナムサン。彼らはカネで雇われたフォート・ダイナソーの護衛兵なのだ。　2

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彼ら衛兵に与えられた任務は、ただ銃を持って密林に立っていること。接近する者がいれば、撃ち殺すこと。その２つだけ。あとは自由だ。警備中にアマゾン動物を乱獲してはいけないという命令は受けていない。一帯はこれまで麻薬組織も入り込めなかったエリアゆえ、数々の希少生物が取り放題であった。 3

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「最高の職場だな！」「麻薬組織よりよっぽどいいぜ！」「「イェー！」」ブンズーブンズーブンズズブンズー！ ブンズーブンズーブンズズブンズー！ 近くには爆音サブウーファー付きの黒い武装ジープが何台も停められ、他の警備兵たちが即席のバーベキューブースでハイケモビールを飲み交わしていた。 4

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「アオ！アオ！アオ！」「キャオキャオキャオキャオ！」ジープの荷台にはいくつもの檻や水槽が積まれ、鳥や猿やサメやネオンテトラなど、希少なアマゾンのオーガニック動物たちが入れられていた。絶滅は近い。「全く最高だぜ！ 敵なんざ来るわけねえし！」ブガーッ！ブガーッ！ブガーッ！「……ン？」5

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極楽鳥の羽根を切ろうと、タカハシ・ニッパーを取り出した警備兵のひとりが、非常警報に気づいた。「おい、何だこの警報は？　何かあったか！？」「フォートの司令本部からだ！監視装置に侵入者が引っかかったらしい！」　6

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ブガーッ！ブガーッ！ブガーッ！「警報アラート？ 侵入者だと！？ ハハハハハ！！ おれたちに挑もうってのか！？ よおし、久々に銃をブッ放……」ティアドロップサイバーサングラスの警備兵が、トミーガンを構えた。直後。　7

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「イヤーッ！」謎めいたカラテシャウト！ 茂みからスリケンが投擲され、サイバーサングラス警備兵の額に突き刺さり即死！「アバーッ！？」「アイエエエエ！？」「ちくしょう！ マイクが殺された！」「ニンジャだ！ スリケンが飛んできやがった！」警備兵たちが浮き足立つ！　8

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「どこだーッ！？」「ニンジャはどこにいやがる！？」警備兵の銃口が左右へ！前方の茂みからガサガサと物音！「茂みだ！あの茂みにニンジャがいるぞ！」「撃て、撃て、撃てーーッ！」BRATATATATATATATATATA！凄まじい銃弾の雨！いかなニンジャとて、これだけの銃弾を浴びればただではすまぬ！　9

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だが茂みから聞こえたのは悲鳴ではなく、カラテシャウトであった！「イヤーッ！」おお、見よ！銃弾によってジャングル植物が切り払われ、ニンジャの姿が露わとなる！立っていたのはローゼンベルグ！彼は二本のカタナの柄頭を繋ぐと、それを体の前で高速回転させ、銃弾を斬り払っていた！　10

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「ニンジャだ！ニンジャが出やがった！」「クワガタムシのニンジャだ！」「畜生め！どうなってんだ！」狼狽する警備兵！「構わねえ！撃て、撃ち続けろーーーッ！」BRATATATATA！「イヤーーーッ！」タツジン！ローゼンベルグは目にも留まらぬ早業でカタナを回転させ、真正面からの銃弾を凌ぎ切る！　11

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「じゅ、銃が通じねえ！？」「撃て！もっと撃て！！」警備兵たちはZBRコカインの力で恐怖を感じることはない！「お前ら側面回り込め！ペドロ！ジョー！ヒロ！銃座使え！」隊長格と思しき男が指示を飛ばす！「「「イェッサー！」」」数名がローゼンベルグの右側面へと展開！うち一人は火炎放射器！　12

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「見ていろよオウゴンオニクワガタ野郎！丸焼きにしてやるぜーーッ！」だがその時！新たな迷彩服ニンジャがカラテシャウトとともに十数メートル上の樹上から降下！「イヤーッ！」ハイドラである！落下途中の回転ボレーキック！「アバーッ！？」首を撥ね、茂みへの着地からブレイクダンスめいた動き！13

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「イヤーッ！」「上アバーッ！」火炎放射器兵を三段蹴りで蹴り殺し、立ち上がってからのメイアルーア・ジ・コンッパッソ！「イヤーッ！」「アバーッ！」目の覚めるような頭部切断キック！怒りのカラテが次々と警備兵を殺す！注意と銃弾を全てローゼンベルグに集めてからの、見事な奇襲連携であった！14

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「おいヤバいぞ！」「またニンジャが出やがった！」「ニンジャが何だ！火力で圧倒すりゃいいんだよ！ウオオオオーーーーッ！」武装ジープの銃座に飛び乗った警備兵たちが、旧オムラ社製のヘヴィマシンガンを握る！合計４挺！これを食らわば、さしものローゼンベルグとてひとたまりもない！　15

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だがその時！「ニイイイイイーーーーッ！」「ワッザ！？」それは三段構えの奇襲連携！茂みからセントールが打って出た！彼はたくましい大鹿の下半身で茂みを巧みに駆け抜け、武装ジープ部隊の背後を取った！「ニイーッ！」「後アバーッ！」サスマタが背中側から警備兵の胸を貫き即死！　16

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セントールはそれを引き抜き、血飛沫の霧を伴ったまま駆け、次の警備兵の首を横薙ぎのサスマタで撥ねる！「ニイーッ！」「アバーッ！」突き刺す！「ニイーッ！」「アバーッ！」セントールはジープ銃座につく警備兵たちを次々にショック・サスマタで始末し、血振りを行った！　17

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「アイエエエエエ！ダ、ダメだ！全く歯が立たねえ！」もはや警備兵の生き残りは一人だけ！血まみれで武装ジープ内に逃げ込んだ警備隊長が、無線通信機を掴んで叫ぶ！「増援！増援を！モシモシ！モシモシ！」だがその時！「イヤーッ！」ローゼンベルグが高く跳躍し、カタナを投擲した！　18

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「い、いくらニンジャでも、防弾ガラスは！」CRAAAASH！ ローゼンベルグの投擲カタナは防弾ガラスを貫通！そのまま警備隊長の心臓を貫き、座席に串刺しにした！「アッバッ！？」即死！ナムアミダブツ！　19

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『どうしたケビン！ニンジャか！？ニンジャが出たのか！？おい！』警備隊長の手を離れ、ブラブラと垂れ下がった無線機から、ノイズ混じりの音声だけが漏れ聞こえた。応えるものは無し。……否。カラテがあった。「イヤーッ！」ローゼンベルグがカタナを引き抜いてから、この無線機を破壊したのだ。 20

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ハイドラ、セントール、ローゼンベルグ。３人のバイオニンジャは無言で視線を交わし、ひとところに集ってカラテを構え、ザンシンめいて背中合わせになった。敵の気配は全て消え去っていた。　21

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アンブッシュ開始からわずか十数秒で、警備兵たちは全て死体へと変わっていた。まるで姿なきベトコンの亡霊連隊が、風のようにジャングルを移動してゆくかのような手際。これらは全てハイドラによって指揮された見事な連携であった。　22