デッド！ デダー・ザン・デッド！ ＃6
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
【このアカウントは】 ・サイバーパンクニンジャアクション小説「ニンジャスレイヤー」を連載しています。 ・現在は夏特別企画として「ニンジャスレイヤーPLUS」内の実況リクエスト強エピソードを連載中！ ・通し番号つきのツイートは、連載。読んでみてね
2023-08-29 21:34:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
【このエピソードは】 ・第三部終了からさほど時を経ぬ時代、ヤモトとジェノサイドが邪悪な改造ゾンビ―ニンジャ軍団と戦う！ ・ヤモトは有名なキャラだし、ゾンビ―ととにかく戦うエピソードなので、勢い良く読める ・今はジェノサイドが敵に捕まった。ピンチだ。ヤモトとデッドムーンはどうする？
2023-08-29 21:35:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「ツェッペリンは見失った。奴らは逃げおおせた。連中のアジトが何処にあるかは不明。手掛かりはシナミバラという言葉のみ。クラブにはゾンビーが溢れ、いずれストリートというストリートが、ああなる……あってるか？」「うん。阻止しないと」「つまり、プランBだ」「……プランB？」1
2023-08-29 21:39:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ツェッペリンを追えないなら別方面から攻める。実際、雲を掴むよりは望みある作業だ」デッドムーンはメニューを操作した。「見な。メンテナンス中に遊んでたわけじゃない。俺のコネで調べさせていた」UNIXモニタにネオサイタマ区画図が表示された。複数の地点に点滅するマーカーが配置されている。2
2023-08-29 21:41:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「これらのマーカーは俺がゾンビー・カンオケを引き取った場所の座標。引取場所は毎回違うが、そもそも霊柩車に運ばせる必要があった以上、動かす事自体に難儀した筈。大元の保管場所は恐らく同じ。その地点を仮定する」マーカー群から点線が伸びる。点線は枝分かれし、複数の「仮定」座標を記した。3
2023-08-29 21:46:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
複数のピックアップ地点に多く重複して紐づいた「仮定」座標があった。そこが「推測地」の漢字とともに浮き上がった。「スベナ地区ユルギハイム跡地」デッドムーンは言った。「電子的に確率が一番高い場所だ。……どこの企業豪族の領地でもない空白地帯。妙な真似をするには御誂え向きではある」4
2023-08-29 21:50:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「なら行って確かめよう！」「行……」KRAAAASH！KRAAAAASH！KRAAAAAASH！ガレージのシャッターが外側からの衝突を受けて激しく揺れた。デッドムーンとヤモトは顔を見合わせた。デッドムーンは真顔で首を傾げた。「借金の取り立てにはまだ早いぜ……」KRAAAAAASH！KRAAAAAASH！シャッターが揺れる！ 5
2023-08-29 21:52:26
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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ヤモトはデッドムーンの肩を押さえ、制止した。衝突音に紛れ、「アバー」という力ない呻き声を聞いたのだ。デッドムーンは柱のパネルを操作した。ガゴッ……。ゆっくりとシャッターが上がっていく。複数の足元が見えた。複数？「ニンジャと違う」ヤモトは呟いた。「違う感じだ……」 6
2023-08-29 21:53:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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デッドムーンはカキノタネ・バーを隅に放り、ネズミハヤイに乗り込んだ。ドルッ……ドルルルル！エンジン始動音を後ろに、ヤモトは身構える。シャッターが上がり切った……ネオンライトに逆光となり、ガレージに影を投げたのは、ゾンビー状態の市民達！明らかにそれは手遅れ状態！ナムアミダブツ！ 7
2023-08-29 21:55:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「アバー」「アバー」「アバー……」「イヤーッ！」ヤモトは両手を前に翳した！たちまち空中にはなたれたオリガミが桜色の光を放ち、ツルの形に折られて飛翔！ 雪崩れ込もうとしたゾンビー達の出鼻をくじいた！「「「アバーッ！」」」「乗れ！」デッドムーンが叫んだ。 8
2023-08-29 21:57:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「イヤーッ！」ヤモトは回転跳躍した。ネズミハヤイが急発進し、怯んだゾンビー達をまとめて撥ね飛ばした。ヤモトはシュライン瓦屋根に着地した。ギャルルルルル！武装霊柩車はドリフトし、街路に走り出した。……異常極まる、マッポ―じみた喧騒の中に！ 9
2023-08-29 21:58:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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遠くでガス爆発。家電ショップのウインドウは割られ、ゾンビ―市民がTVを壊し、DJ機材を引きずり出した。建物陰から複数のパンクスゾンビーが現れ、金網を登り始めた。「ペケロッパアバー！」スピンするトラックにペケロッパゾンビーが撥ねられて吹き飛んだ。スモッグは異様な紫色だった……！ 10
2023-08-29 22:01:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「これは……！」「ああ。奴らの陰謀、大成功か。どうにかなっちまったらしいな」デッドムーンはダッシュボードの「掃除」のボタンを押した。「さっきのメンテナンスでアタッチメントを入れ替えてきた」彼は言った。「状況次第で、なかなかお誂え向きになるだろうと踏んでたが……こうも早いとは」11
2023-08-29 22:03:17
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ボンネットが開き、物騒なメカニクスが露出し、フロント・グリルに被さった。芝刈り機機構である！当然これが刈るのは芝生ではなく……！「「「アバババーッ！」」」道路前方、死体をむごたらしくむさぼるゾンビー市民の群れに向かって、デッドムーンはネズミハヤイを躊躇なく突っ込ませた！ 12
2023-08-29 22:05:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「まずい！非常にまずいぞ」闇の中で憔悴した叫びが響き、ボンデリア（※シャンデリア・ボンボリ）に張られた蜘蛛の巣を震わせた。窓の外のネオン明かりの余韻が、声の主の影を際立たせた。ナムサン……ナムアミダブツ！アンティーク花瓶台に置かれたそれは、人の生首！死体！？否、生きた生首だ！ 14
2023-08-29 22:09:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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美しい顔を歪め、尖った犬歯を軋らせ、アルビノの生首は不服げに呻き、喚く！「朝になればここに日光が差し込む！スモッグ越しでも日光は非常に忌々しく、十分に、非常にまずい！何故こんな所に僕を放置した！？」「……」室内にはもう一つ、生命体の気配がある。身じろぎするが、言葉は返さない。15
2023-08-29 22:13:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「何だその無言は？侮っているのか？言っておくが当然僕は日光ごときで破壊されはしない！そんな下等存在ではない。だが……だが、僕にとってそれは、いわばアレルゲンなんだ。アナフィラキシーの可能性は未知数だし、なにより不快だ。僕のニューロンに損傷が生じたら大変だぞ！」「……」 16
2023-08-29 22:15:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「まッ！？まさか奴ら、これが僕に課した責め苦か？なんと悠長かつ残忍な刑罰！ただでさえお前のような奴と……嗚呼！こんな場所に！おい、なにか言わないか！手段を考え給え！僕はこんな状況に甘んじ続けるつもりはない！だが僕一人では……嗚呼！センセイ！どうしてこんな事にーッ！」「……」17
2023-08-29 22:18:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「……」生首は一呼吸置いた。部屋の中央の柱にもたれた影を横目で見た。影は応答しない。生首は再び叫んだ。「どうして！こんな事にーッ！どうしてーッ！」「……うるせェー」ついに影は声を発した。そして立ち上がった。長身で、乳白色の長髪を腰まで伸ばし、全身を包帯で覆ったゾンビーである。18
2023-08-29 22:20:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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足首に鉄の輪が嵌められており、柱に接続されている。両腕にも鋼の枷。緑の眼光が闇の中を探る。「どこだァ、ここはァー」「嗚呼、バカ！」生首は呆れた。「ユルギハイムだ！かつてのINW簡易研究施設……そもそもお前、僕がわかるか？」「知るか……うるせえトーキードーキーオモチャ野郎……」19
2023-08-29 22:24:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
@NJSLYR
「それが目上の人間に対する言葉か！？エルドリッチ！」「俺にゃ親も上司もいねェー。テメェが誰かも関係ねェー」「僕はブルーブラッドだ！リー先生の最愛の徒弟であり研究助手、つまりお前の創造主にほぼ近い！」「こいつはクソッタレだなァー……」ジャラジャラと鎖が鳴った。両手足の拘束。 20
2023-08-29 22:27:16