羊の皮をかぶった狼…? 「ファイアーエムブレム エンゲージ」をプレイした感想。私的なまとめ。

※ちょっとネタバレ注意。核心的なネタバレは避けたけれど、必要範囲内でネタバレあり。
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 最近「ファイアーエムブレム エンゲージ」をやり始めた。
 ゲーム全体の感想は、全クリしてからにしよう。とりあえずメモ書き。

 ・重装歩兵(アーマー系)が固い。
 特に剣じゃほとんどダメージを与えられない。アーマーキラーが唖然とするほどしょぼい。ハンマーはちゃんと役立つのにな。
 え、それはFEシリーズ後期のよくある傾向だって? そうは言えるものの、今作は特に極端だと思う。

 一方で、魔法だと瞬殺。速さと魔防の低さで、よわっちぃ魔法ユニットでも、2回攻撃で大ダメージ与えられる。ここらへんは、むしろ昔のファイアーエムブレムっぽい。

 ・しかし、「剣不遇」が続いているとして、「斧優遇」のバランスは調整されてきている感じ。

 斧の命中率が低めで、使うユニットの技、レベル、敵の回避率、付けている紋章士にもよるんだけど、80~90%くらいの「時々外す」確率になってしまう。

 とりまノーマルのカジュアルモードでやってるんで、外してもなんとかなるんだけど、ハード&クラシックだと、きついだろうな、これ。

 ・騎兵もなかなか固い。
 武器耐久値が廃止されている(風花でちょっと復活したけど、すでに「if」で廃止されていた)ので、ナイトキラーが使い放題だったり、エンゲージ武器の「騎兵、重装歩兵に特攻」が充実しているんで、その分防御力を上げられた印象。

 ・「体術」は、たいてい威力がしょぼいことになってんだけど、弓・魔法・短剣をブレイクできるという特長が追加され、それだけでも存在価値がある。

 弓や魔法は、これまで通りの攻略法、つまり直接攻撃で囲んでいくとか(弓)、まず魔防の高いユニットの攻撃でHPを削り、物理アタッカーの一撃でとどめを刺す(魔法)、でいいんだけど、なぜか短剣の性能が底上げされていて、遠近両用のナイフは特に厄介。
 ここだけ体術の出番かな。

 ・短剣、投げナイフ(間接攻撃)の強さ&便利さによって、「普通の剣歩兵」の方が弱い、使えないという、不思議な事態に。
 「ウ……ウソやろ こんなことが こんなことが許されていいのか」(語録)

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イヌノオー@ @inunohibi

追記。ドラゴンキラーもしょぼい。

2023-08-31 18:51:04
イヌノオー@ @inunohibi

やり続けてちゃんと考えれば、剣にも明確な利点があった。高い命中率で、斧を持った敵をブレイクできる。短剣にブレイク能力はないからな。 いやまぁ…、それくらい。

2023-08-31 18:53:58

 ・サンダーが「射程1~3」に。
 最初、サンダーのスペックを見たとき、「なんだこの、ファイアーより命中率が落ちるだけのサンダーは?」と思って、それから使っていなかった。
 単なる観察不足だけれど、シリーズファンほど思い込み、決めつけで目が曇るという例。

 その後、敵魔道士がありえない位置から攻撃してくるんで、「なんだぁ? おっかしぃなー」と思って武器をよく見たら、ようやくサンダーの射程が従来より広がっていることに気付く。
 長弓の魔法版…、いや、長弓は「射程2~3」だから、長弓も超えてる。
 
 調べてみたところ、すでに風花雪月でトロンのような雷系上級魔法が、射程1~3になっていた。
 ごめん、風花はまだやってなかったんだ…(当然、外伝マップの元ネタもわからなかった)。「シリーズファンほど」といったばかりだけど、シリーズを飛び飛びでやっていると、こういうことになるのか。

「ノーマルは初心者向け(シリーズ経験者はハードをやれ)」かどうかは、俺が決めることにするよ。

 ※公式、ゲーム内の説明文で、(いちいち)ノーマルは「初心者向け」で、ハードは「シリーズ経験者向け」と書いてあるんだけど、くそ雑魚シリーズ経験者としての俺は、SFC版「暗黒竜と光の剣」から「封印の剣」まで、「攻略本なしで始める ⇒ 途中で詰む」の繰り返しだったんで、たとえ「シリーズ経験者はハードでやれよぉぉ――!!!」といわれようが、まずノーマルのカジュアルでやる。

 シリーズも 「烈火の剣」くらいから、初心者救済要素が充実し、またきつい増援や理不尽なマップも少なくなった。
 だから、烈火が攻略本等、事前情報なしでも終章まで行けた初めてのFEだったんだけど、それでも最初はマップ構成、増援のパターン、敵の行動パターンを見たい。

 ただ見たインであって、初プレイで「てごわいシミュレーション」を楽しむ余裕はないっすね。(2周目以降、ハードに挑むとは言っていない)

最初は「やっぴー♪」は痛すぎるだろと思った! けど慣れてくるとこれが快感に!?

 あぁもう、短剣に言及したついでに、使い始めるとその優秀さにびっくりするユナカについて、しゃべっておこう。

 エンゲージの発売初期は、ストーリーが「まるでラノベ」などと、超絶不評だった。

 やってみると、確かに序盤のキャラやストーリーが薄い。薄いだけなら、昔の方がテキスト量が少なくて薄かったといえるし、古参ユーザーがむきになって怒る要素ではない。
 しかし言葉遣いが…。西洋風ファンタジーの枠をはみ出した、現代人が異世界転生したような、俗すぎる言語センスのキャラが多かった。(「覚醒」や「if」もそうだった。というわけで、この2作になぞらえて批判するユーザーレビューも目立つ)

 ゲームを始めると、まずフランに「目線下さい」とかまされるんだけど、これはまだ軽いジャブよ。
 「やや!」「私めが~」「~氏」「~ですぞ」と、ステレオタイプなオタク口調を連発するユナカで、しんどさが極大マックスになった。

 しかし、よ~く考えてみると、ストーリー上、ミカヤの指輪を最初に付けて戦うユナカはシーフだ。

 ミカヤが主人公の「暁の女神」で、シーフ系キャラと言えば、ミカヤの義理の弟でありつつ、(ある理由で体の成長が遅い)ミカヤの背丈を超えて成長し、「ミカヤは俺が守る」というサザもシーフ(盗賊)だった。

リンク ピクシブ百科事典 サザミカ 「ファイアーエムブレム暁の女神」に登場するミカヤとサザのカップリングの略称。 1 user

 ユナカの場合、オタク語は正体を隠すため演技で、「元暗殺者」という経歴を持っていた。
 それは蒼炎~暁で言うと、フォルカの方になっちゃうんだけど、そこも含めて過去作リスペクトと考えると、エンゲージ氏、意外と侮れないでござるな。
 
 「正体を隠していた」はいいとして、そこで演じてみたのが「~ですぞ」「やっぴー♪」って、超絶おかしい。
 峰不二子チックなボディラインぴっちりのラバースーツみたいな服着て、セクシーな露出度もあって、オタクキャラとは無理矢理すぎる。頭隠して尻隠さずですぞ。

リンク ピクシブ百科事典 ユナカ 『ファイアーエムブレムエンゲージ』の登場人物
リンク ピクシブ百科事典 フォルカ(ファイアーエムブレム) フォルカ(ファイアーエムブレム)とは、ファイアーエムブレム蒼炎の軌跡、または暁の女神の登場人物。 1 user 1

 エンゲージにおけるユナカというか、シーフという兵種は、シリーズの常識を覆す強さ…、と言いたいところだけど、よく考えると暁のサザも、加入当初から第1部の間まではめっちゃ強かった。
 ※3部からは、他の上級職と横並びくらいの性能になるけれど、もともとシーフなんで一番活躍するのは鍵開けや盗みであるし、射程1~2のナイフで、後衛から敵のHPを削らせるだけでも役に立つ。
 サザ&フォルカのオマージュと深読みすれば、ユナカの強さも納得。
 
 とはいえ、過去作に比べれば、短剣全般が凶悪化していて、後で加入するウルフナイト(エンゲージで初登場の兵種)のメリンも、超強い。※特にフォルカは、ユニットステータスに比して、短剣の威力が低いことだけデバフだった。
 結局わかんねぇな、これ。

リンク ピクシブ百科事典 メリン 「ファイアーエムブレムエンゲージ」の登場人物 1 user

羊の皮をかぶった狼…? 当初の印象を覆す、エンゲージの過去作リスペクト要素。

 ・意外なほどちゃんとシリーズ作品リスペクト。

 当初は、キャラデザの統一感というやつか、エンゲージキャラに寄せられた紋章士たちに少々違和感があった。目の大きいリン、これはこれでいい3Dモデルなんだけど、うーむ、オリジナルのリンとだいぶ違うね。
 まぁ、リメイクを重ねるたびにマルスの立ち絵とグラフィックも、ころころ変わっていたわけだし、宿命のようなものか。

 ところが、様々な点で、オリジナルの細かいネタを拾っていた。

 シグルドのエンゲージスキル「(行動後)再移動」というのは、「聖戦の系譜」で初めて騎馬・飛行ユニットの再移動が導入されたことに基づくんだろうし、リンの「残像」は、必殺発動時のモーションで残像を見せていたからだろう。
 ※残像自体は、ソードマスターの汎用モーションでもあったはず(うろ覚え)。
 ただ、封印~烈火におけるソードマスターというのは、敵にも味方にもリンの出身地であるサカの部族が多く、またサカ限定の兵種「遊牧民」は、弓を使う(上級職になると、剣も使える)。
 だからリンの必殺モーションと、CCで弓が使えるようになることは、「サカの文化」を反映していたと推察できる。

 そんでもって、後半の、各紋章士ごとに存在する外伝マップ。
 シグルドの外伝で、オリジナルの10章「光と闇と」を模したミニマップをやれて、10章の神BGMのアレンジが流れたのも良かった。たった1マップに凝ってんなー。
 「光と闇と」は、終章の前のマップ。外伝やるとき語られているように、非業の死を遂げたシグルドの故国を奪還する、プレイヤーにとって感動と興奮のマップだった。シグルドの無念は、(子世代によって)ついに晴らされた。

 紋章士ロイの外伝では、ベルンのゼフィール国王と決着をつける22章ではなく、その前21章というのもの、「分かってる」感がある。
 私は初めてここをやった時、ついに敵軍の本拠地ベルンに足を踏み入れたというストーリー的な高揚感と、BGMの切り替わりと、大量の敵増援で仲間をロストしたりと、感情をシッチャカメッチャカにされた。(というわけで、この外伝マップでも、ドラゴンナイトの増援が多い)

 中には、リンの外伝マップが、封印の20章外伝(サカルート)になっていて、「烈火のマップじゃないじゃん!」というツッコミどころも。
 まぁ「烈火の剣」でサカが舞台のマップは、すぐに終わるからね。仕方ないのかしら。

 もっと意外だったのは、本筋のストーリーでも、息子・セリスが物心ついたときには亡くなっていたシグルドが、エンゲージでは「神竜の子」リュールを支える立場になるというキャラクター関係図。

 シリーズファンほど、序盤で「まるでラノベ」と呆れて投げ出すのは惜しい所。
 いや、序盤~前半を我慢しないとリスペクトが伝わらない、という作りにかなり問題あるんだけど。

全クリした。CVツダケンで仕掛けられたギャップ萌え。

 ・話の最後の最後で出てくる「礎の紋章士」。いったい誰なんだー!? 気になる。大した事なさそうだけど、でも気になる。
 
 クリア後の隠しマップとかで、明らかになるのだろうか。それとも、知りたければ、追加コンテンツのエキスパンション・パスを買えってこと?
 あれねー、内訳をみるに、新規追加の紋章士と、おそらくその紋章士を手に入れるマップ、そして全6章らしい「邪竜の章」がメインのようだ。それで3千円は高いかなー…。

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