バトル・オブ・フォート・ダイナソー #5

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

🦖カラテの高まりを感じる……！🦕

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【バトル・オブ・フォート・ダイナソー】　#5 pic.twitter.com/Dviv8vnhpC

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◆主な登場人物◆ 【ハイドラ】 サワタリ・カンパニー社員で、強い再生能力を持つバイオニンジャ。最古参であり、フォレスト・サワタリとの付き合いは最も長い。社内のカラテ指南役と力仕事を担当している。隠し砦「フォート・ハイドラ」を任されている。 【フォレスト・サワタリ】 元ヨロシサン製薬社員であり、「グエン・ニンジャ」のソウルを憑依させたニンジャ。インディペンデント製薬会社兼小規模ニンジャクラン「サワタリ・カンパニー」のボスとして、アマゾン川流域で暮らしている。竹槍が得意。 【ローゼンベルグ】 ローゼンベルグ・オウゴンオニスタッグ昆虫の力と人間の力を組み合わせたバイオニンジャ（全長２メートル）。奥ゆかしい職人気質で、辛抱強く分別がある。また人間かニンジャかを問わず、全てのサワタリ・カンパニーメンバーに対し敬語で接する。 【マインドキル】 サワタリ・カンパニー社員。ピンクのイルカ型バイオニンジャで、マインド攻撃の力を持つ。非ニンジャの社員、モニカと強い信頼関係を築いている。普段のコミュニケーションはヘッドギアから頭上に投射する漢字ホロ装置を用いる。 【K2とK3】 かつてヨロシ・バイオサイバネティカ社が日本のカマイタチ伝説になぞらえて開発し、３体ひとセットでの運用を考えていた少年型バイオニンジャ・シリーズの、貴重な生き残り。ヨロシサンの遺棄施設内で弟のK3とともに発見され、餓死寸前のところを救出された。 【セントール】 ヨロシサン製薬のバイオ鹿工場爆発事故によって生み出されたバイオニンジャ。下半身が大鹿のそれであり、頭には角も生えている。主武器はサスマタ。数々の激戦をくぐり抜け、今なおサワタリ・カンパニーの主戦力の一人。密林内の巡回警備役も勤める。 ◆フォート・ダイナソーのやつら◆ 【ヘルレックス】 ダイナソー・ニンジャクランの首領。T-REXめいた大顎とツメ、長い尻尾と巨体を備えた、まさに暴君と呼ぶに相応しいニンジャ。サワタリ・カンパニーとは長い緊張状態にあったが、三日三晩に及ぶリーダー同士の一騎打ちで敗北した後、説得を受け和解した。 【ロングモーン】 ダイナソー・ニンジャクランのバイオニンジャ。水色の雷竜じみた巨体を持ち二足歩行する。その足に踏まれればただではすまないだろう。得意とする武器はサスマタ。ダイナソーニンジャたちの中では最も賢く、ヘルレックスの軍師役をつとめている。 【ウイングドテラー】 ダイナソー・ニンジャクランの斥候役。紫色のプテラノドンめいたバイオニンジャ。高く飛翔して上空から戦場全体を見渡し、情け容赦ない滑空カラテ攻撃を加える。ヘルレックスやロングモーンとの連携は隙が無く、まさに白亜紀めいた悪夢だ。 【宣教師】 論理聖教会からやってきた宣教師。凄まじいカネの力でダイナソーたちを堕落させた。

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（あらすじ：南米大陸アマゾン河流域に「サワタリ・カンパニー」を設立し、様々な製薬拠点や隠し砦（フォート）を築いたサワタリたち。ハイドラも今ではフォートのひとつを任される最古参だ。そんな折、フォート・ダイナソーの恐竜ニンジャたちが突如カネに目が眩んでカンパニーを裏切った。戦いだ！）

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「「GRRRRRRRR！」」大量の土砂とともに地下洞穴へと落下しながら、ハイドラとヘルレックスはなおも激しく殴り合っていた。そして着水！ 水柱！ SPLAAAAAAASH！ 二人は地下を流れる秘密の水脈へと落下したのである！　1

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ハイドラとヘルレックスは激流の中で唸り、野蛮に縺れ合い、噛みつき合い、カラテをぶつけ合った。冷たい水に怒りを冷まされたか、その動きは次第に鈍くなってゆく。大蛇の如く曲がりくねった地下アマゾン水流が、2人をウォータースライダーめいて押し流す。それは彼らをどこへ運ぶのであろうか。　2

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やがて激流は岩にぶつかり、砕け、二人を地下洞窟の端へと打ち上げた。「「……グワーーーッ！」」SPLAAAAAASH！ 彼らはそのままゴロゴロと石畳の上を転がった。「「「「シューッ！」」」」暗闇の中、珍しいアマゾン淡水カニの親子が危険を察知して逃げた。　3

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「「……ハァーッ！ハァーッ！ハァーッ！」」ついに力尽き果てた両者は、やや離れた場所で仰向けになり、必死に息を整えた。先に立ち上がり、マウントを奪った方が勝利するだろう。「「……ハァーッ！ハァーッ！ハァーッ！」」果たして、どちらが……？　4

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先に息を整え、身をもたげたのは……ヘルレックスであった。「GRRRR……ハイドラよ……」「……ハァーッ！ハァーッ！ハァーッ！」ハイドラは体を起こすどころか、喋ることすらできぬ。傷の再生は進んでいるが、急激な体内バイオインゴット濃度の減少により、息をするのも苦しい。もはや万事休すか。　5

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（（（ちくしょう……！またカッとなって、短絡的にやっちまった……！大将から言われて、話し合いに来たはずなのに……！いつの間にか正面衝突だ……！オレは偉そうな顔をするだけで、何もできちゃいねえ……！オレは部隊長失格だぜ……！！）））ハイドラはそう考え、悔しげに歯を食いしばった。　6

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だがヘルレックスはよろめき、再び倒れた。体に刻まれた銃創からは、緑色の血が流れ続けていた。「GRRRR……ハイドラよ……」ヘルレックスは苦しげに言った。「何、だよ……！」「……俺たちは、お前たちバイオをあなどっていた。だが……お前はカラテが強い。俺は負けた。俺は……負けを認める……」7

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ヘルレックスは悔しげに唸り、続けた。「GRRRRR……ハイドラよ、俺を倒した証に、俺の首を持っていけ……」「……ハァーッ！ ハァーッ！ ……アア？ 今、何て、言った！？」ハイドラは顔をしかめ、聞き返した。　8

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ヘルレックスは平然と言った。「ハイドラ、お前は傷が治せる……。お前は生き残る……。だから、俺をカイシャクしろ。そして俺の頭蓋骨でトロフィーを作り、持ち帰って、おまえのフォートに飾るがいい……。ロングモーンとウイングドテラーは、お前に従うだろう……」　9

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それを聞き、なぜか、ハイドラの拳は怒りに震えた。「ふざけるんじゃねえよ……！俺は全然なっちゃいねえ……！」ハイドラの全身のバイオ細胞が、激しい熱を生み出した。彼はカラテを振り絞り、うつ伏せに体を転がしてから、両腕に力を込め、立ち上がった。今度こそやってみせると心に誓いながら。　10

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「だから、今回のイクサは引き分けだ……！そういう事にしようぜ、兄弟……！とっとと起きろ……！」そして彼は歩み寄り、ヘルレックスを助け起こすべく、手を差し伸べた。　11

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「解った……」彼はハイドラの手を借りて立ち上がりながら、激痛に唸った。「GRRRRR……」衛兵たちによって撃ち込まれた、何発もの重金属弾だ。「おい、これを飲んどけよ……」ハイドラはポーチの中から非常用の濃厚ブラックタイガー丸薬数個を取り出すと、それをヘルレックスとシェアした。　12

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「血が止まらぬ……」「見せてみな」ハイドラはポーチからバイオ包帯を取り出し、手早い包帯止血を行った。「GRRRR……」「どうだ、大将直伝の戦場止血術だぜ」ハイドラが誇らしげに言った。ヘルレックスはどうにか歩ける程度にまで回復していった。　13

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「とっとと上に戻らねえとな」「GRRRRR……だが、ここはどこだ……？」「ン？決まってんだろ。ここはオレたちが落っこちた地下洞窟の……おい、待てよ、何だこりゃあ……！？」ハイドラは赤い三ツ眼で闇の中を見渡した。そしてようやく気付いた。「ただの地下洞窟じゃねえぞ……！」　14

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そもそも二人の打ち上げられた場所は、粗い石畳の道であった。そしてその石畳の道の先には……おお、ナムアミダブツ！何たる光景か！そこには紀元前のものと思われる石造りの階段状ピラミッド地下神殿がそびえ立っているではないか！「おい！研究施設の下に、こんな古代遺跡があったのかよ……！」　15

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「隠してたッてのか？」「いいや、知らなかった。こんな物が……」ヘルレックスは壮大なる神殿を見上げ、息を吐いた。ダイナソーたちは実際知らなかったのだ。ヨロシサンがこの地に研究施設を作った真の理由を。すなわち、地下にこの古代遺跡があり、その上に研究施設が築かれたのだということを　16

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「GRRRR……神よ、ここは、どこだ」ヘルレックスは無意識のうちにIRC携帯端末を取り出し、息を切らしながらそう質問した。だが電波状態が悪く、神や宣教師の答えは帰ってこない。「とにかく高い所に登って行けば地上に出られるはずだぜ」ハイドラが言った。二人は支え合い、神殿の階段を登った。　17

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遺跡は小型のククルカン神殿を思わせた。そして壁には、カブレラ・ストーンめいた奇妙な絵が彫られている。そのモチーフは半裸の人間の戦士たち。彼らが崇めるのは恐竜。そしてメンポをつけた人間……すなわちニンジャ！恐竜とニンジャが並び立ち、カラテを繰り広げている絵が描かれていたのだ！　18

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「GRRRR……」「ニンジャだ……！」おお、ナムサン！ 何たる人類考古学における禁断のミッシングリンクであろうか！ この遺跡に彫られた絵が真実ならば、かつて中南米の地にはニンジャだけでなく、トリケラトプスやT-REXなどの恐竜までもが闊歩し、君臨していたのである！　19

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壁画にはトリケラトプスの突撃をフリップジャンプ回避してスリケンを投擲するニンジャや、T-REXに対してサマーソルトキックを繰り出すニンジャと思しき物までもが。「すげえ……こんなの見たことねえぜ」ハイドラはため息をついた。そして二人は、神殿中腹部に築かれた石造りの祭壇へと辿り着いた。 20