人形みたいな美形男子とお姫様系の箱入り娘が許嫁で舞踏会でダンスとかそういうのも好きだけど、勤勉な下流貴族の少年がかくかくしかじかで上流貴族に引き取られて、そこにいたおてんばでおしゃまなお嬢様が恋に落ちちゃったみたいなのが一番やばい好み
2011-12-03 10:18:08そのうち感づいたお嬢様の母親がそれとなく「あなたとあの子は身分が違うんですからね」って言って勝手にどっかの上流貴族の御曹司と婚約取り付けちゃって、どうしよう私はあなたのことが好きなのに!ってすがりついてあれなんで悲恋に向かってるの
2011-12-03 10:31:05少年は初めからこうなるんじゃないかってなんとなくわかってて、顔歪めながら「僕はあなたが幸せならそれでいいんです」って言ってそれに対して「あなたが幸せじゃないなら私は幸せになれないわ!」ってうわあああああああ
2011-12-03 10:33:00どんどん顔を合わせることもできなくなって、少年は勉学に励むようになってお嬢様のことだけを想い続けて、多くの功績を残していく。ひょんなある冬お嬢様からコッソリ手紙が来る。
2011-12-03 10:40:04「今でもあなたのことを想ってる。でも来年の春私が16になったら結婚させらてしまう。大人にばれるといけないから返事はいらない。愛してるわ」って。ウオオオオ妄想とまらない
2011-12-03 10:40:55どうにかしたいけど手立てがない。このまま見過ごして過去の人にできるほど想いは軽くない。どうしようどうしようってなって、とにもかくにも一通の手紙をしたためる。「必ずお迎えにあがります」
2011-12-03 10:42:47豪奢な服に贅沢なアクセサリー。目もくらむような食卓に並ぶごちそうの数々。たしかに幸せなはずなのに少年が傍らに居ない、ただそれだけで全てが味気ない色のないものになる。若々しい15のお嬢様の心はまるで枯れ木のようで、ただ流れていくだけの毎日を送ってて、そんなある日少年から返事が
2011-12-03 10:45:58あれだけ返事はいらないといったのに!って手紙運んできたメイドに何度も見つからなかったわよね!?って問い詰めて、ようやく安心して手が見開いて、思わず泣き崩れる
2011-12-03 10:46:59その手紙を小さくたたんでロケットにいれて、いつも首にさげるようになる。誰もいないとこでこっそり開いて文字をながめる。昔から変わらない流麗な少年の文字にうるってしてればいいな
2011-12-03 10:48:26春も間近、少年もいよいよ学校を卒業。卒業式の後学会トップの教授に養子にならないかって声かけられる。驚いて失礼とわかりつつ理由を聞けば、息子が欲しかったけど結局できないでこの歳まで来てしまった。君のような素晴らしい若者を息子にできたら幸せだ。って言われる
2011-12-03 10:54:56それでもいきなりの話で悩んでると重ねてこう言われる。別に研究や勉学に君を縛り付けようとは思わない。それこそ今から騎士道に転化してもいいし、なんなら妻を取ったっていいんだ。君の人生だから好きにするといい。って
2011-12-03 10:56:06それで後日養子になったあと一緒に夕食とってるといきなり切り出されるわけだ。君は幼かったからあまりよく覚えていないかもしれないが、わたしは君のご両親と仲が良かった者だよ。私と君のご両親がしていた実験の事故でご両親は亡くなったんだ。私だけが生き残ってしまった。償いをさせてくれ。って
2011-12-03 11:00:54償いといってはなんだか私が気が楽になりたいだけのように聞こえてしまうかもしれないが、正直そういった一面もあるから変に私に気を使わないでくれ。むしろわがまま言ってくれ。とか言われて、いままで遠縁の親戚からの僅かな仕送りでやりくりしてきた少年はちょっと困った顔する
2011-12-03 11:02:58さらに少し経ったある日、君はあの子が好きなんだろうって聞かれる。片手にはお嬢様が好きだったマーガレット。花言葉は「真実の愛」「誠実な心」。少年は黙ってひとつ頷く
2011-12-03 11:04:55冬もだんだんと過ぎて行ってだんだん暖かい日が多くなって少年は焦る。学校卒業した今は、教授の研究所で様々な研究に励んでいるけど、やっぱどこか上の空で。実験中につい手を滑らせて左手にやけどを負う
2011-12-03 11:07:36慌てて飛んできた教授はトラウマえぐられたかのような顔で、もう研究はするな。なにをしてもいいんだ。本を読んだり好きな子に会いに行ってもいいんだ!私の姓は堂々と口にしていいんだぞ!って泣きながら肩ゆさぶられて、会いに行こうって決意する。ちょうど仮面舞踏会が開催されるらしく行くことに
2011-12-03 11:09:43少年はなんとなく予想する「この仮面舞踏会であの貴族の御曹司とお嬢様は結婚するって発表するんだろうな」って。最後のチャンスかもしれないって。舞踏会前夜に教授とふたりで服選んだり仮面選んだり、作法の復習したり。苦手なダンスも練習して、ふと「ああ、この人が父になってくれて幸せだ」と思う
2011-12-03 11:14:06とうとう当日になって舞踏会始まる。ホールを見渡すけれどメインはだいたい遅れてやってくるはず。やっぱりまだ居ない。しばらくすると御曹司の手に引かれてお嬢様が現れる。みんなお辞儀したあと集まって我先におきれいね、一段とお美しくなられてと褒めたたえる。
2011-12-03 11:17:38数年ぶりに見たお嬢様は、すごい美しかったけれど、あの日のような幸せそうな雰囲気は欠片もなかった。周りの褒め言葉を聞いてるうちに、自分なら真に美しいと言えるのにとやきもきし、思い切って近づく。「お初にお目にかかります」名を告げるとお嬢様がこわばった顔になる。
2011-12-03 11:20:58少年は仮面をつけているので当然顔はわからない。きっと教授に養子になった話は聞いていたのかもしれない。無礼と知りつつも一曲どうですかと誘う。次の曲は唯一得意と胸を張れるメヌエット。御曹司は数曲くらい行っておいでとお嬢様の手を離した。ホールの真ん中にエスコートする最中こっそり囁かれる
2011-12-03 11:26:42「ずっと待っていたのよ。ずっと、かたときだってあなたを忘れなかった。」胸に光るのはあの手紙が入ったロケット。数年ぶりに握ったお嬢様の手は想像していたよりもずっと小さくて細くて、でも目の前に現れた奇跡を逃すまいと強い意志があって。背も同じくらいだったのに自分のが頭一つ分大きくて。
2011-12-03 11:29:56周りに感づかれないように必死に平静を装って「約束は守るためにありますから」と小声で言う。数曲どころか永遠に踊っていたいほど幸せだった。必ず永遠にしてみせると再度胸に誓った少年は惜しむようにお嬢様の手を離す。「わたしばかりが女神を独占するのはおこがましいです」と。
2011-12-03 11:32:42まわりの貴族に小さな笑いが起こって、すっかり打ち解けて。いよいよ宴もたけなわになったころに御曹司が立ち上がって注目を集めた。ああ…と思い焦る気持ちを抑え耳を傾ける少年。御曹司がおもむろに口を開く。
2011-12-03 11:34:17「今宵皆様方にお集まりいただいたのは、今夜わたくしと我が婚約者の…」「お待ちになってください!」鋭く口を挟んだのは他でもないお嬢様。「わ…わたくしは、わたくしは…、…婚約破棄を要求いたします…!」場内騒然。
2011-12-03 11:38:06