山田正紀氏による、NHK『カーネーション』多重世界SF説
「おひさま」ミステリ説を唱えたときには「いい歳をしてくだらない」とか「便秘が解消されてお肌がつやつやになりました」など励ましのお言葉をいただいた。が「カーネーション」多重世界SF説は存外知られてないようだ、思うにNHKの宣伝不足に責任があるのだがこのままにはしておけない。紹介する
2011-12-04 14:39:212 もっとも私にしても大きなことはいえない。皆様同様、コシノ三姉妹と主役の女性の4ショットを見るまではこれが多重世界SFであることに気づかなかった。主役の女性、その母、妹たちを見よ、そしてコシノ三姉妹を見よ!これが同じ家系のはずないでしょ! 公言しかねる、しかし察していただきたい
2011-12-04 14:55:313 問題にすべきはいつ「カーネーション」の世界が分岐したのか、そのことだろう。思うに、白木屋(デパート名は異なるが)が火災に遭ったときではないか。デパートガールが和服姿で下着を着しておらず、消防梯子を下りるのをためらったために多くの犠牲者が出た、というのはあれは皆さん俗説だからね
2011-12-04 15:06:02事実は、いくら当時のナデシコジャパンじゃなかった大和撫子にしても、死ぬよりは見られるほうを選ぶはずで、みんな梯子をおりたと伝えられる。それなのにたまたま洋装がひろまりはじめたのと重なったためにそうした俗説が流布されるにいたったのか、「和服死亡原因説」があたかも事実のように伝わった
2011-12-04 15:12:325しかるに「カーネーション」では「和服死亡原因説」があたかも事実のように受け入れられ、その結果、主人公がデパートガールの制服を洋装にするビジネスチャンスを入手する。これはおかしい。「世界」はこのときに分裂したのにちがいない、誰が何といおうとそうにちがいないのある
2011-12-04 15:18:186 おまえは「カーネーション」多重世界エスエフを主張しながらその根拠をわずかに二例しかあげないのか、と非難されるむきには、それではどうして主役の女性は和服ばかりを着て洋服を着ないのかと反論することにしたい。他の女性には洋服を着せてマネキンがわりにしるのになぜ当人は洋服を着ないのか
2011-12-04 15:22:417 はからずも、ここにパラレルワールドの皮肉というか、分岐世界の矛盾が露呈しているわけなのである、つまり主役の女性は非常にスタイルがいい、それがために洋服姿があまりに(それこそ違和感が生じるほどに)似あってしまうのである。あたかも別次元世界から到来した女性ででもあるかのように。
2011-12-04 15:26:408主役の女性がとてもスタイルがいい、当時の栄養状態からはありえないほど。それでは彼女はどこから来たのか、異世界から、というのがじつはこのSFドラマに仕込まれた伏線であって、多重世界を創造した量子コンピュータがアップル製であるのも椎名林檎が主題歌を歌うことで巧妙にほのめかされている
2011-12-04 15:37:00「カーネーション」第二シーズン制作決定。第二シーズンは現ヒロインがコシノ三姉妹に生まれかわってビジネスをいっそう成功させる「リンカネーション」
2011-12-12 20:07:30次のテレビ小説はミステリでもSFでもなしに「坂の上の雲」番外編論ということにさせていただきます。まだ始まってもいないけどこうしてハードルを高めていって自分をより成長させるんだ!(嘘だけど)
2011-12-12 20:29:58「カーネーション」ヒロインが倒れて娘たちが病院に駆けつける。末娘は病室で姉たちの笑い声を聞く。視聴者は病気が軽かったのかと思う。視聴者の「知りたい」という思いを弄ぶようにすぐには病状が明かされない。「はぐらかし」「じらし」が実にうまい。この脚本家はストーリーテラーの天性の才がある
2012-03-29 18:10:00今週で終了のNHK「カーネーション」は、パワフルな糸子と高慢な奈津の素晴らしい百合ドラマでしたわね。年老いた二人がファッションショーで華やかなドレスを着て手をつないで登場する妄想シーンなんて、どういう百合妄想かと。
2012-03-29 18:28:28@MORI_Natsuko そうか。あの二人の間にああるのは「友情」ではなしに「愛情」だったのですね。そうか、「愛」だからこそ、あの二人は互いに素直にふるまえなかったのか。そうか、そうか(一人で興奮している・・)
2012-03-29 18:33:10@anaryusisu そうなのです。糸子と奈津は実は百合で両思いだったのです。二人とも男性との縁が薄いのも、かなり意味深です。
2012-03-29 18:41:57NHK「カーネーション」ですが、戦後、パンパンにまでおちぶれたお嬢様・奈津を糸子が救う展開も、年老いてから夫を亡くして体を壊した奈津を糸子がしきりに気にかけるのも、素晴らしい百合エピソードでした。ごちそうさまでした。
2012-03-29 18:43:27@MORI_Natsuko 仲が悪いように見えて本当は仲がいい、という関係はこれまで何度も見てきた気がしますが・・糸子と奈津のような人間関係は初めて見たように思います。新鮮です。あ、あの、森さんはお名前が同じでいらっしゃいますが、あの奈津さんと何かご関係が?(ドキドキ・・・)
2012-03-29 18:57:10@anaryusisu いつも奈津は糸子に対して素直になれませんが、それも、糸子を意識しているからにちがいない、と私は解釈しております!
2012-03-29 19:01:5831日の「カーネーション」最終回では、糸子と奈津が天国で結ばれるにちがいないわ。もちろん、それぞれの配偶者は放置ってことで。頼みましたわよ、NHK!
2012-03-29 19:02:30頭のなかで「カーネーション」が終わらない。これまで「グリーン・マイル」6冊を連続ドラマのお手本のように考えていたが、冗談ではない、渡辺あやさんの作術劇はそれをはるかに超える。それが何なのかすこしづつ考えていきたい。渡辺さんインタビューの「人生は人気商売」という言葉が耳に痛かった。
2012-04-01 06:47:27そういえば星新一さんクレジットの「ほら話」を思い出した。 「素敵な夜だわ」「だってぼくたち二人の夜なんだもの。素敵に決まってるさ」「そうね、わたしたちの愛は永遠なのね」「そうさ、永遠だよ」「この船、何て名前だったかしら」「タイタニックだよ」
2012-04-01 08:12:22@anaryusisu 吉田奈津とか周防とか、前半のエピソードが終盤まできちんと活かされていたのが見事でした。とくに最終場面は朝の連続TV小説にあるまじきメタ構成で、確信犯的に「終わらな」くする、あざとい大仕掛けでしたね。キネ旬最新号には原口先生役の塚本監督について寄稿しました。
2012-04-01 09:44:21@t2tatsumi あの終わり方だとそれまでのナレーターは「死んだ糸子さん」のものということになります。生前から「朝ドラになりたい」と熱望していたのを考えあわせると我々は全員「糸子」の思うつぼにはまったのかもしれない。実にとぼけたエンディングでした。塚本監督存在感ありましたね。
2012-04-01 09:56:40