壁一面に花が咲いている。人々は写真を撮り、壁沿いを歩いている。視界のずっと先まで花の壁は続いているのだった。あの壁は何なのかとホテルで聞いた。遥か昔にあった世界の境界線で、見える日と見えない日があると言う。壁がなくなるわけないだろうと僕は笑い飛ばしたがフロントの男は笑わなかった。
2023-10-05 00:51:41次の街へ移動する早朝、僕はもう一度花の壁へ向かった。人はおらず、壁はそこにあった。「やっぱりあるじゃん」初秋の光の中、大きく風が吹いた。「ただ綺麗なわけがないでしょう」花たちから声が聞こえた気がした。大きな破壊のあと、小さな創造が集まって咲かせた花なのだと、遠くの街で知った。
2023-10-06 00:34:28ー------------
ー------------
ー------------
ー------------
ー------------
小石「メロンパン値上昇率規定値オーバーを確認。グレイプニルシステムブート。子小石チーム・コンバットモード・スタンディングバイ。リソースコントロールを掌握。関係省庁に注意喚起メールを自動送信。対応シークエンスをmod.3へ移行」
2023-10-06 20:21:02軍曹「……う、うーん」 少尉「気づいたか。軍曹」 軍曹「え、あ……ここは? ってか少尉⁉︎」 少尉「久しぶりだな。少し痩せたか?」 二曹「子小石チーム、展開終了。コンディション、オールグリーン」 軍曹「に、二曹⁉︎ え、何コレ。夢⁉︎ 備品管理部別室は解体された筈では……⁉︎」
2023-10-06 20:26:57少尉「それは表向きの話だ。知っての通り東欧、極東に端を発する情報紛争リスクは右肩上がりだ。来るべきXデーに備え、備品管理部別室は生まれ変わった」 軍曹「じゃあ……じゃあ!」 少尉「ようこそ軍曹。内閣メディア対策部備品管理部別室──新生備管別へ」
2023-10-06 20:31:38軍曹「みッ水臭いじゃないですか‼︎ なんでメールかLINEで教えてくれなかったんですか⁉︎」 少尉「軍曹……しばらく会わない内に情報自衛官としての基礎をどこかへやったのか?」 二曹「ニーズ・トゥ・ノウの原則。申し訳ありません軍曹。守秘義務があって……もっとも私も先週合流したんですけど」
2023-10-06 20:37:00