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【わたすずハロウィン🎃】 「お菓子くれないといたずらするよー?」 ※本編ではこんなシーンないです。三次創作です。 いやほんまに関係なさすぎる… #わたすず #わたしのすずや pic.twitter.com/u9etevBfiJ
2023-10-30 02:42:49ジャージのポッケにミニサラダとかビスケットを大量に詰め込んで返したい(深夜) twitter.com/cubic_kashiwa/…
2023-10-31 03:04:12どこかでベルの音がけたたましく鳴っている。 潜り込んでいた布団から手を伸ばし、バシバシと目覚まし時計が置いているあたりを叩く。 手応え、あり。
2023-10-31 21:06:19安心して再び蓑虫(布団科毛布属 学名:リュウネンガクセイミノムシ)になろうとしたが止めたはずの音は依然鳴り止まなかった。 不審に思い蓑虫の状態で身を起こす。俺はタイダガクセイミノムシに進化した。
2023-10-31 21:07:51ぼけっとした頭で判断したところ、鳴っているのは目覚まし時計ではなく玄関のインターホンだった。 平日の真昼間にうちを訪ねるなんて、おそらく宗教の勧誘かセールスだろう。 無視して二度寝を決め込み再び、俺は正常な蓑虫状態に退化する。
2023-10-31 21:08:45おやすみなさい。 訪問者はようやく諦めたのか、音は鳴り止み静寂がワンルームに戻る。 ご苦労様、どうか別の部屋の住人と思う存分神について熱弁を奮って欲しい。
2023-10-31 21:09:36ああ、こんな天気の良い秋晴れの日は布団で過ごすにかぎ…… ピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピピ
2023-10-31 21:10:14「うるせーーーーーーーーーー!!!!!!」 昔の高橋名人もかくやと言わんばかりのインターホン連打の音に流石にブチギレた俺は、ドアスコープから来訪者を確認もせずに玄関の扉を勢いよく開ける。
2023-10-31 21:11:28いつものジャージ姿ではあったが今日は何かが違う…いや結構違うな。 南瓜型の髪留めを着けた翡翠色の髪の上から二つの黒い楕円形がにゅっと突き出している。猫耳?にしてはちょと細い。 そして黒手袋をはめ背中には横に長い菱形の…羽か。 顔には星型のフェイスシールも貼っている。
2023-10-31 21:15:35仮装?????なんで??? ドアを開けた状態のまま固まっている俺に向かって痺れを切らした鈴谷がまたも声をかける。 「トリックorトリ〜〜〜〜〜〜〜〜ト!!」 今度は動物が獲物を襲う時のような、がおーーーとでも言わんばかりのポーズも加えて。
2023-10-31 21:16:31「何してんだ、そんな格好で」 寝ぼけた頭に浮かんだ疑問は、咀嚼される事なくそのまま直に口から出ていた。
2023-10-31 21:17:37それを聞いて鈴谷の表情が怒りに変わる。 「ハ・ロ・ウ・ィ・ン!!!!!昨日パーティしようって約束したじゃん!」 ━━そうだったっけ、そうだったかもしれない。
2023-10-31 21:18:15悪い悪い、と鈴谷を招き入れようとするが鈴谷は玄関から動かない。 再び「トリックorトリート!!」と叫んで手を差し出す。 「お、か、し!」理解の遅い俺のために補足説明も欠かさない。
2023-10-31 21:18:51「お菓子?」怪訝そうな顔をする俺に対して鈴谷の怒りが失望に変わる。 「嘘、昨日メールで任せとけ、嫌というほどお菓子食べさせてやるぜ、その代わりちゃんと仮装して来いよ、って言ったのお兄さんじゃん!」 ━━そうだったっけ、そうだったかもしれない。
2023-10-31 21:19:31常備しているお菓子なんて俺の部屋には無い。あるとすればカップ麺ぐらいだが、ハロウィンにカップ麺てなぁ…… そうするとやばいな、俺は鈴谷とパーティ+お菓子の準備の約束までしてそれを全て破ったらしい。
2023-10-31 21:20:16焦って「お菓子お菓子」と口に出しながらポケットを探る指がカサリと小さな包みに触れる。禁煙対策にいつもなめている飴だった。 「いる?」念のために聞くが、それが鈴谷の失望を再び怒りに変えたらしい。 俯いてプルプルと震えている。
2023-10-31 21:21:37やばいなーと内心焦りながら無意識に俺の指は普段の動作をなぞるようにビニルの包みを破り、飴玉を口に放り込む。 この間、3秒。洗練された無駄の無い動き ん?あ、やば。
2023-10-31 21:22:46顔を上げた瞬間俺の一連の動作を目撃した鈴谷の怒りは、ついに沸点を超えた。 ずい、と俺に近づくとその勢いのまま両手を掴んで玄関横の壁に押し付ける。 その力は女性のものとは思えないほど強い。違う、女性じゃ無かった。
2023-10-31 21:25:23自由の効かない俺の顔に般若となった鈴谷の顔が近付き、斜めに傾いたかと思うと、そのまま衝突した。 ━━正確には唇と唇が。 繋がった唇を介して口内に侵入した鈴谷の舌は俺の舌としばらく格闘したのちに飴玉をかっさらっていく。
2023-10-31 21:26:35唖然とする俺を意にも介せず、細い唾液の糸を残して鈴谷の唇がそっと離れる。 その表情には勝ち誇った笑みが浮かんでいた。 「お菓子をくれなかったのでいたずらしました」 え、なんだ今の。 俺と鈴谷が……
2023-10-31 21:27:22「トリックorトリート?」 再び鈴谷が聞いてくる。今度は少しだけ艶を含んだ声音で。 俺は、
2023-10-31 21:27:51━━どこかでベルの音がけたたましく鳴っている。 潜り込んでいた布団から手を伸ばし、バシバシと目覚まし時計が置いているあたりを叩く。 手応え、あり。 何か変な夢を見ていたっぽい。
2023-10-31 21:28:38