20世紀初頭の空の色氏による、18世紀フランス貴族の「必需品入れ」について

(本邦では、玉手箱と言うのだろうな)
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20世紀初頭の空の色 Цвет неба начала 20-го века @pourichkevitch

ヨーロッパ中世の写本。ロシアの19世紀末から20世紀初頭の文学、芸術、デザイン、建築。ロシア帝国。ロシアの皇族と貴族。ロシア革命後のソ連時代。アンティーク。Amazonで『フェリックス・ユスポフ公爵の暗殺計画』と、スターリン時代に弾圧された詩人、芸術家の悲劇を描いた『女たちは列に並んだ アンナも列に並んだ』を出版中。

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豪華絢爛な必需品 18世紀フランスの上流階級や富裕な者なら、殆どの人が所有していたと思われるネセセール(必需品)はどれも同じセットが詰まっているのかというと、全くそうではない。同じ工房で作られた箱やセットが似ているものは幾らでもあっただろう。 pic.twitter.com/9XF7Cb1k33

2023-11-17 18:53:41
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だが、実は一人一人がそれぞれ異なる必需品を持っていたと言っても過言ではない。現代にしても、様々なデザインのポーチの中に女性は自分の使う化粧品を入れておくだろう。問題は18世紀の王侯貴族のネセセールは箱や容器、魔法のように中に隙なく詰められる必需品も pic.twitter.com/gwkOFdAfRi

2023-11-17 18:54:53
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依頼主の好みに合わせたオーダーメードであることだ。当然の如く、金銀、宝石、貴石、マザー・オブ・パール、べっ甲など、考えられる限りの高価な材料が使われ、一流の職人が最高の技術を駆使して名誉な品物を作るのだ。ネセセールは旅行用のセットもあれば、数学を学ぶ道具の入った数学キット、 pic.twitter.com/fEOt26q3uy

2023-11-17 18:56:06
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王の身支度セット、金細工職人の使う、精巧な秤の入ったセットもある。天文を観測する器具の揃った天文キットもあれば、侯爵夫人のティーセットもあるというわけだ。勿論、超有名人の所有していたネセセールもある。例えばナポレオンⅠ世が持っていて、後にロシア皇帝のアレクサンドルⅠ世の手に渡った pic.twitter.com/oyFS7eG0Pt

2023-11-17 18:56:50
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豪華なアンピール様式のネセセール。大きく重いので、皇帝たちは自分で持ち運んだことはないだろうが何段にもなった箱の中には洗面器、石鹸、スポンジなどが凝った細工の容器に入れられており、更に内側にはクリスタルのボトルが置かれている。洗面器の両側にはコーヒーメーカーとティーポットがあり、 pic.twitter.com/K7uEzFziT3

2023-11-17 18:57:42
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その中に楕円形のシュガーボウルが隠されている。洗濯用の道具や書き物道具もすべて揃っている。そのほか色々なものが入ったボトルやケースも並んでいる。これは旅行用というか、遠征用であろう。持主の名は分からないが豪華なものは幾らでもある。小さいけれど、時計のついたネセセールもある。 pic.twitter.com/OfoLw4t9so

2023-11-17 18:58:57
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それには象牙のタブレット、ハサミ、折りたたみナイフ、レースの輪、金のスプーン、先端が金の鉛筆も入っているが、これで、タブレットにメモしたのだろう。マイイ伯爵夫人の裁縫と筆記用具セットなどもあって、大変煌びやかで豪華である。 pic.twitter.com/hB2ZVwwxcb

2023-11-17 18:59:44
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