まめしばさん@mameshivaa の貸与制についての論考

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まめしば @mameshivaa

貸与制について思うことを少々つぶやいてみます。

2011-12-13 22:12:35
まめしば @mameshivaa

まず、修習を「労働」と呼ぶことは多少無理があるかなと思います。配属地や部署にもよると思いますが、その実質は仕事の責任を負わない「勉強」ですから、(法的概念は置いとくとして)社会的に言われている「労働」と呼ぶことには個人的に抵抗を感じます。実際、僕は今のところかなり気楽です。

2011-12-13 22:18:28
まめしば @mameshivaa

過密日程と言われている新修習ですらそうなのですから、(あくまで想像ですが)牧歌的に過ごされた旧修習の先生方にも、修習は労働ではないという議論にはある程度納得いただけるかと思います。

2011-12-13 22:20:43
まめしば @mameshivaa

以後、給費が「労働」の対価でないことを前提とします。労働の対価でないとすれば、修習生に支払われる給費というのは、あえて言えば「特権」です。修習生だけに付与された特別な権利です。これは異論があり得るかもしれませんが、悪いイメージを除いて「特権」の意味を広く解せば、こうなると思います

2011-12-13 22:28:16
まめしば @mameshivaa

いずれにせよ、細かい文言の争いはあまり本質的ではないです。問題の核心は、このような「特権」がいかに正当化されうるか、です。「特権」であっても立派な正当化理由があればそれは許容されるべきでしょう。以下では、給費を正当化できるかについて考えてみたいと思います。

2011-12-13 22:32:29
まめしば @mameshivaa

正当化理由①「貧乏人は法曹になれない」論:これは説得力が薄いと思います。なぜなら、奨学金等を駆使すれば実際貧乏人でも法曹にはなれますし、また、法曹回避の一番の原因は、業界の斜陽と就職難です。300万円の借金は、今後リターンで確実に回収できる見込みさえあれば参入障壁にはなりません。

2011-12-13 22:50:23
まめしば @mameshivaa

②貸与制は憲法違反:これも微妙です。そもそも違憲の可能性は低いですし、給費を引き出すためには「合憲補充解釈」を加えて給費が憲法上要請されるとまで言えなければダメです。しかし、経済的自由侵害を主張した場合、修習専念義務を定めた部分の法令違憲が関の山なのではないでしょうか(自信なし)

2011-12-13 23:02:04
まめしば @mameshivaa

③専念義務や配属地服従義務に対する補償:まず、転勤強制については実費補填をすれば十分なはずで、毎月の給料支払いの根拠にはなりません。専念義務に対する補償説はかなり有力な議論ですので、後の比較衡量に回します。

2011-12-13 23:09:05
まめしば @mameshivaa

④司法権の重要な担い手を養成する過程だから国費負担が妥当:個人的には最有力の議論だと思います。もっとも、その具体的な効用は不透明で説明するのが難しい上、この財政難の中で年間100億円(!)もの支出を十分に正当化するかどうかは怪しいかなと思います。

2011-12-13 23:16:57
まめしば @mameshivaa

以上、正当化理由を検討しました。個人的に、専念義務に対する補償論と司法権の担い手養成論が有力だと思います。もっとも、反対理由も存在するので、これも検討した上で比較衡量しなければアンフェアですよね。自分に都合のいいことの言いっ放しでは説得力がありませんから。以下、反対理由。

2011-12-13 23:24:08
まめしば @mameshivaa

反対理由①国家の財政難:これは非常に強い論拠です。少しでも無駄を削減しようとする昨今の情勢の中、年間100億という給費にメスが入るのはある意味当然です。給費完全維持は、これを打ち破れるほどの強い論拠が示せなければいけません。

2011-12-13 23:27:38
まめしば @mameshivaa

反対②ロー制度創設と貸与制は元々セットだった:これも強い議論です。ロー制度にかかる年間の維持費は70億円を超えます(http://t.co/7e1Wvecl)。ロー改革なき給費維持はありえないと言ってもいいでしょう。

2011-12-13 23:36:03
まめしば @mameshivaa

反対③修習生の大半は公務員にならない:修習生は防衛大学校の学生が給料をもらえることと比較されますが、後者の人たちはほとんどが公務員になって直接国に奉仕する存在です。その人材を国費で育てるのはある種当然で、大半が民間人になる修習生とはやや次元が異なるのかなと個人的には思います。

2011-12-13 23:41:26
まめしば @mameshivaa

とまぁ思いつくことをつらつらと挙げてみました。できるだけ中立な立場で議論をすると以上のようになると思います(僕の思考バイアスがかかっているのはまぁある意味しょうがないです)。残るは比較衡量です。

2011-12-13 23:44:23
まめしば @mameshivaa

比較衡量①:まず結論から言うと、給費制の「完全維持」はその論拠を十分に示せていません。説得力の強さから言って、国の財政難やローの維持費という「大ボス」をやっつけることはできないでしょう。そこに目を瞑った主張は、法律家としての適性を疑いたくなります。バランス感覚の欠如です。

2011-12-13 23:53:14
まめしば @mameshivaa

衡量②:ただ、副業禁止という「枷」は、修習生の経済生活を確実に圧迫します。これについては補償すべきというのは説得力があります。平日夜間と休日の副業で稼げる額はせいぜい月10万ほどでしょうから、月10万前後の「生活補助金」があってもいいのではないでしょうか。

2011-12-13 23:59:33
まめしば @mameshivaa

衡量③:あと、引越しなど修習開始にあたっての実費補填も必要でしょう。そこで、修習開始の1ヶ月前に、一律30万(遠方への引越しが必要な人には+5万)を支給するというのはどうでしょう。実際、修習生の一番のネックは開始直前の資金不足ですから。

2011-12-14 00:04:44
まめしば @mameshivaa

【私見まとめ】国は修習生に対して、修習開始時の30万+毎月10万の生活補助金を支給して、希望者には最高18万円までの貸与を認める、みたいな案が現実的かなと思います。連ツイ大変失礼しました。ご意見等はご自由にどうぞ(返事するかはわかりません笑)。

2011-12-14 00:08:16