一年戦争最終決戦な、ア・バオア・クー戦。 激戦の割には、休戦命令が出されたのはこの日の18時、開戦が8時で、最長で10時間。 キシリアが死亡し、ホワイトベースが撃沈などは、この日の12時過ぎの出来事なので、実質五時間もない戦いだったのな。 pic.twitter.com/FIDKjr15qh
2023-12-31 09:30:42この時期、両軍ともに、この戦争の決着は、限りなくジオンの勝利に近い引き分けになるというのが支配的だった。連邦の一大反攻作戦は物量に依るゴリ押しであったが、それは半減した人口と半壊した国土から絞り出したものであり、「二の矢はつげない」状態だった。 pic.twitter.com/dbhrT8BZi6
2023-12-31 09:36:14加え、先のソロモン攻略戦でティアンムを、さらにはコロニーレーザーによってレビルをというように、主だった将たちを失った連邦軍は、質・量的にもはや継戦能力を失いかけている有様だったのだ。 正直、「残存部隊」と言ったほうが近い。 pic.twitter.com/XybgZp6CKa
2023-12-31 09:38:19この時ジオンはまだ、ア・バオア・クー以外に、月のグラナダ、ジオン本国サイド3に相応の兵力を残しており、連邦侵攻部隊は、サイド3やグラナダの攻略は困難と判断しての、ア・バオア・クーへの侵攻であった。 pic.twitter.com/KCiqFryNf4
2023-12-31 09:40:24すなわち極論するならば、ア・バオア・クーを落とそうが落とせまいが、そこで連邦の侵攻部隊は限界。それ以上は戦えないのが、「開戦前から確定」していた状態だった。恐ろしいことに、この事実は両軍上層部は、ほぼ「把握」していたと言われている。 pic.twitter.com/xiwpUa0JZF
2023-12-31 09:41:45それならなぜ戦ったのかと言われれば、それこそ、すでにもう「戦後」が始まっていたからなのだ。 「連邦にジオン本国まで攻め込める力はない」 「ジオンは地球本土の侵攻を諦め撤退するしかない」 の膠着状態だった。 なればこそ、「いかに優位な条件を引き出すか」が課題だった。
2023-12-31 09:43:44ア・バオア・クーを陥落させ、既存のルナ2、陥落させたソロモン(コンペイ島)含めての、宇宙においての三ヶ所の要衝がある状態で、グラナダとサイド3を持つジオンと接するか、その逆に、2ヶ所しかない状態で、三ヶ所持つジオンと対するかでは、話が変わる。 pic.twitter.com/UPPhxiho81
2023-12-31 09:46:44地球連邦の権力の根底は、宇宙開発から得られるものと考えれば、いわばこの「宇宙利権」をどれだけ得られるかが、今後の趨勢に関わる。 地球本土の奪還だけでは足りないのだ。 それはギレンもよく分かっていた。
2023-12-31 09:48:45この段階で、ギレンはある意味、もう連邦を眼中に入れていなかったのではと考えることもできる。 いかに「戦後」、連邦に宇宙に介入させないかが課題。 そうなると、ア・バオア・クー戦の意味も違った側面が見えてくる。 pic.twitter.com/iSOwGLQf27
2023-12-31 09:54:19ソロモン攻略戦が成功した段階で、ぶちゃけ連邦は「止まって」よかったのだ。 ソロモンの位置は、月の裏側のジオン本国を直線で叩ける位置にある。 まとまった兵力を駐留させ、そこを堅守し、奪還した地球の工業力の回復を待って、さらに戦力増強に勤めればよかった。 pic.twitter.com/ioRyFb46b8
2023-12-31 09:57:01ジオンの動きを牽制しつつ、首元に突きつけた刃のようにソロモンを橋頭堡にし、月とサイド3とア・バオア・クーの連携を困難にして、体制を整えたところで、各個に攻略すればいい。 ジオンと連邦の国力は30対1、同じ「膠着状態に持ち込んでの国力回復」は、連邦が圧倒的に有利なのだ。
2023-12-31 09:59:07だからこそ、デギンが行おうとした、この段階での休戦は、悪手だったのだ。 「ジオンに兵なし」を看破した主戦派のレビルである、こんなことはわかっている。 まだ連邦は優位だったのだ。 今「休戦」して、「戦後」にすれば、どんな形でも、ジオンは望む条件を得られない。 ゆえに、双方を消した。 pic.twitter.com/Cu4FWarH8b
2023-12-31 10:02:17父を代償にしたことで、連邦は主力と最高指揮官を失い、ソロモンで守りに徹することもできなくなった。 天秤の秤は、大きくジオン優勢に傾いた。 残る戦力にできたことは、一か八かア・バオア・クーを陥落させ、ジオンを後退させて、少しでも傾いた秤を戻すしかなかったのだ。
2023-12-31 10:06:23それゆえの戦況が、「限りなくジオンの勝利に近い引き分け」だった。 すでにア・バオア・クー戦が始まる以前に、ジオンのダルシア首相と、連邦上層部は、講和のための折衝を行っている。 pic.twitter.com/095EDTUIdL
2023-12-31 10:09:22戦争を政治の一形態と考え、その上で見るならば、すでに「戦後」だったのだ。そのうえで、どういう戦後にするかという判断材料のために、ア・バオア・クー戦は行われたと言ってもいい。
2023-12-31 10:12:20もしもジオンがア・バオア・クーを守りきり、攻め手の連邦を半壊状態で追い返し、連邦の宇宙戦力を失わせ、残った自軍戦力を集めてのソロモン奪還戦、それどころか、連邦最後の宇宙拠点ルナ2の陥落すら視野に入れた状態で講和できる。 これは大きい。 pic.twitter.com/lI61G2bwnt
2023-12-31 10:15:15連邦はソロモンの返還、ならびに月からの撤退くらいはむしり取られるだろう。ギリギリでルナ2の駐留艦隊を認めさせるくらい。となれば、事実上「宇宙はジオンのもの」となるに等しい。 中立のサイド6や、半壊のその他サイドなど、もはや敵ではない。支配を認めるようなものだ。
2023-12-31 10:19:22なにせ、地球人口の半分が宇宙に上がり、地球に残った半分が死んだとも言われる戦後である。 連邦もギリギリだった。 この講和条件を引き出すことが、ギレンの後に「一年戦争」と言われる戦いでの、目的だったとするならば、
2023-12-31 10:20:40だからこそ、ギレンは自ら出陣する必要があり、また同時に、「この段階で殺しても問題はない」とキシリアが判断してしまったとも言える。 「どっちにしろ戦争は終わる」「ジオンの優位は崩れない」「多少の損害はあっても、ギレンが生きているよりはマシ」と考えた。なぜなら。 pic.twitter.com/Itn0oTpO11
2023-12-31 10:23:58ただの恩讐ではなく、「戦後」ジオンに起こり得た新たは騒乱は、キシリアとギレンの争いであるのは間違いない。父デギンは死に、第3勢力のドズルもなく、後継者と目されていたガルマもいないのだ。 ギレン配下のデラーズも、ある程度それを予見していたきらいがある。 pic.twitter.com/lsSNZ9MzjS
2023-12-31 10:29:01なればこそ、連邦もある程度不利な講和も受け入れる用意が会ったのだろうと、今は劣勢にされても、いずれ必ずジオンは内部分裂する。そこに付け入って、片方を支援すれば、ほっておいても失った宇宙利権を取り戻せる。そういう算段は会ったのだろう。
2023-12-31 10:32:01「自分とギレンが争うことによって、一時的に優位な状態になっても、連邦に利権が奪われるならば、ここで多少目減りしても、ギレンを殺して内部分裂の危機を回避し、国体を安定させた方が、結果として残る利権は多い」と考えたのかも知れない。
2023-12-31 10:34:21無論、ギレンというカリスマを失えば、ギレン派残党が騒ぐだろうし、ガルマやドズルのような求心力のない自分に、民や兵が付いてくるとは考えづらい。 だからこそ、キシリアはすでに「錦の御旗」を見つけていた。そう、国父ジオン・ダイクンの息子にして、赤い彗星のシャアである。 pic.twitter.com/S8R5cJoY25
2023-12-31 10:36:15キャスバル・レム・ダイクンを君主としジオンをまとめ上げての、可能な限り宇宙利権を連邦からむしりとっての講和によっての「戦後」、これがキシリアプランであったとするなら、キシリアがいなければ、この優位は引き出せない。とするならば、
2023-12-31 10:38:49