映画『窓ぎわのトットちゃん』オーケストラの演奏シーンのレイアウトと原画を担当された山田伸一郎さんが語る

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

先日、映画『#窓ぎわのトットちゃん』の原画を担当されたベテランアニメーター #山田伸一郎 さんにお話を伺う機会がありました。 tottochan-movie.jp 残念なことに公開はほぼ終了してしまい、発表媒体がないので、この場で臨時取材のご報告とさせて頂きます。 山田さんが担当されたのはオーケストラの演奏シーンのレイアウトと原画でした。 続）

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

続）映画をご覧になった方はご存知かと思いますが、クライマックスの一つと言うべき重要な音楽シーンです。 以下の公式動画の前半で一部を観ることが出来ます。なお、動画後半の自宅での父の演奏シーンは別の方の担当です。詳細は分かりません。（続 『#窓ぎわのトットちゃん』× NHK交響楽団 youtube.com/watch?v=iejTYO…

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

続）山田さんの作業量は膨大で、#スタジオポノック での『#屋根裏のラジャー』の原画のお仕事と新人育成業務、週1回の専門学校での御出講を挟み、足掛け約2年に及んだそうです。 まず、参考資料として過去のNHK交響楽団の演奏映像からスポッティングを作成し、音大でロケハンを敢行。作画の物量もさることながら、それぞれの楽器のプロの演奏家の所作と熱量をアニメーションで表現することの難しさがあったそうです。（続

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

続）具体的には、各奏者の腕や肩の隙間から奥の奏者が見えるので、全奏者の演奏を描き分ける必要があったそうです。加えて、合奏していても楽器ごとに動き方とタイミングが違うので、それぞれ作画が必要。同じ楽器でも奏者ごとにコマ単位でタイミングと詰め方ををずらして、情報量を増やしていた、とのこと。（続 #窓ぎわのトットちゃん

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

続）本編に使用されたNHK交響楽団の演奏収録は、原画作業が7割ほど終わり、一部動画もあがってきた時点で行われたそうです。驚くべくことに、大半が作画に合わせて演奏を行う形で、テイクを重ねて音源が収録されたそうです! 山田さんは、#八鍬新之助 監督と共にこの大編成オーケストラの演奏収録に立ち合われました。（続 #窓ぎわのトットちゃん

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

続）音源収録の1テイク目はスローテンポで始まり、2テイク目でほぼ作画にタイミングを合わせ。3テイク目で完璧なシンクロが実現! プロの演奏と生音の響きに感動されたそうです。収録後に2カットほど数コマ単位の調整が入り、ラスト2カットは録り下ろしたNHK交響楽団音源に合わせて作画されたとのこと。（続 #窓ぎわのトットちゃん

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

続）山田さんの原画を受けた動画スタッフの丁寧な仕事ぶりも光っていました。たとえば、コントラバスは弓の動きに合わせて若干左右に回転させており、運指に合わせて弦も振動しているとのこと。仕上げ（彩色）は60人以上の演奏家のシャツの色を全て指定して塗り分けました。その後の撮影、編集等でも様々なプロフェッショナルの仕事が積み重なり、素晴らしいシーンが完成しました。（続 #窓ぎわのトットちゃん

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

続）2023年12月2日放送『映画『#窓ぎわのトットちゃん』公開記念! 徹子の部屋 特別編』では、この演奏シーンがまるまる放送され、#黒柳徹子 さんからも「本当に演奏しているようだ」とのお言葉を頂いたそうです。（続 post.tv-asahi.co.jp/post-236016/

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

続）全てのご苦労が報われたと言って良いかと。皆様、映画を再鑑賞される際は是非オーケストラの一人一人の動きと演奏の見事な融合に注目してみて下さい。 以上、もう少し早くお伺い出来ていれば、全国公開中にご報告出来たのですが、遅いタイミングですみません。現在上映中の劇場は下記でご確認下さい。 #窓ぎわのトットちゃん tottochan-movie.jp