#twnovel まとめ（2011/12/17-21）

銭喰 @zeniqui

#twnovel 「大人の隠れ家的な店知らないか？」「ああ、大人の停車場的な駅の近くにあるよ」「は？　どこだよ」「駅前にある大人の架け橋的な歩道橋を渡って大人の裏道的な路地に入り大人の数字的な軒目がその店だ」「わかんねーよ、案内してくれ」「連れて行って貰うのかよ、大人なのに」

銭喰 @zeniqui

#twnovel 「見てないで、どんどんやりたまえ」一（はじめ）は出されたビールに気おくれしたが、思ったまま言ってこの大きなネコにそっぽをむかれては、のばした手さきもみえないヤミのセカイではたちまちフクロウのエサとなる。らんらんとひかるネコのマナコまえで、中生をぐいとかたむけた。

銭喰 @zeniqui

#twnovel その屋敷は真夜中にガリガリ何かを削る音がして、ギシギシと柱が軋み、グルグルと低い呻き声がする。近所では幽霊屋敷だ呪いの館だと呼ばれていたがなんのことはない、一匹の猫がいるだけだった。解体業者が壁を剥がすと屋敷いっぱいの大きさに育った猫がにゃあと鳴いた。

銭喰 @zeniqui

#twnovel 岬の墓守りは忠実な男だった。夏も冬も真面目に墓穴を掘っていたが老いには勝てず、ある日墓守りは引退することになった。「これからどうするんだい？」「行ってみたい所があるんだ」墓守りが新しい墓守りにそう言って旅立った翌朝、岬の墓所にはいつの間にか墓が一つ増えていた

銭喰 @zeniqui

#twnovel 「王様、このところ真実を告げたばかりに名誉毀損で訴えられる事案が相次いでいます。このままでは言論は廃れ、民草は歌をうたうことすらしなくなります。是非この真実保護法案をご採用下さい」「うむ、そちの言うこともっともだ。承認いたす」「では王様」「ん？」「王様は裸です」

銭喰 @zeniqui

#twnovel 銀髪碧眼の彼の部屋には実に日本的な『コタツにミカン』があった。薦められるままミカンを手に取ろうとすると、それはコタツ型のタッチパネルでミカンもＣＧだった。ドラッグしてスライドで皮も剥ける。一房摘まんで彼の口に近づけると、ぱくりと食べた。もちろん彼もＣＧである

銭喰 @zeniqui

#twnovel 帰りの電車で、疲労の色濃い後輩に仮眠するよう言うと、少し困った顔をした。電車での寝かたがわからないと言う。品行方正な後輩らしい。それでも促すとおずおずと体重を掛けてきたが、やはりしっくりこないのか頭をすりすりと動かして、最後は右腕に両手を絡ませ寝息をたて始めた

銭喰 @zeniqui

#twnovel 好きなあの子が自分以外の誰かとﾆｬﾝﾆｬﾝする聖夜。しがないSS書きは永久機関の開発に成功した。リア充カポーのSSを書く→自キャラにしっとの炎を燃やす→リビドーを創作にぶつける→リア充カポーのSSを書く…と続ければ永久に創作ができるのだ。我々はけして負けていない

銭喰 @zeniqui

#twnovel ジリジリと照りつける太陽光とアスファルトの反射熱で出来た猛暑の海の底をふらふら歩いていると、コンビニの看板が目についた。アイスでも買おうか、ジュースでもいい……いや。すぐに室内は外以上に灼熱地獄であると思い直し、また歩いた。都会の冬は雪女には暑すぎる。

銭喰 @zeniqui

#twnovel 手袋を買ったつもりが、どうやら毛袋だったようだ。手を突っ込むともっさりサワサワとした毛が指先に絡むし、何より指を入れる場所が一つもない。仕方なくもう片方も付けてみるとこちらはゴワリぼさぼさとしている。これは私が買い間違えたのではなく店員が間違えた可能性もあるなあ

銭喰 @zeniqui

『ヘロインの粉雪舞う西暦末、みなさん如何お過ごしでですか？　パーソナリティの…』真空管ＴＶの山の上のラジヲから媚びた、清らかで、平坦に、弾み、声がする。『…それでは、あなたの西暦末が幸せでありましたように。BYE-BYE！』人類は幸せを手に入れたことを今知った。 #twnovel

銭喰 @zeniqui

「ジャック・オ・ランタン狩りはーじまーるよー！」白鳥座の魔女が音頭をとれば、今年も始まる南瓜狩り。ハロウィンのあと、帰り損ねたジャック・オ・ランタン捕まえて、頭の南瓜を一年の罪と一緒に食べてあげよう。上手くもげればミソつき南瓜。おいしくおいしくいただきます。 #twnovel

銭喰 @zeniqui

#twnovel 「はるか三等兵、出撃します！」彼女は敬礼した手を傘にして雨のミサイルが降る戦場を駆けだした。目標は50m先の軒先。「うひゃあっ！」雷鳴が轟いた。はるかは身を屈めてそれでも走った。「おーいっ！」無事、目標地点に到達したはるかが手を振る。私も手を傘にして走り出した。