細マッチョ物語

桜舘ゆう @sakuradate_y

どきんと心臓が跳ねた。赤くなって俯いたミッコのいつもは勝ち気は瞳が、今はほんの少し濡れているように見えて、僕はそれに堪らなくどきどきとさせられた。ああ、なんだろう？このどきどきとした感じは、ラオウの漫画を読んだときよりもなんだか気持ちが高揚してしまう。 #細マッチョ物語

桜舘ゆう @sakuradate_y

なんだろう？？　俯いている彼女からふわりと白い息が漏れている唇からも目が離せなくなってしまって、ちょっ、なんだ、変だよ！　僕！！　だけど、心の中の動揺とは裏腹に、勝手に、勝手に手がミッコの小さな肩を掴んでしまう！！ ミッコは驚いたように僕を見上げた #細マッチョ物語

桜舘ゆう @sakuradate_y

つ、続きを……（爆） #細マッチョ物語

桜舘ゆう @sakuradate_y

@komitorabbit お願いされちゃった(*´∇｀*)

༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

@sakuradate_y @komitorabbit ここで止めるとか！　なんつー・・・！！

桜舘ゆう @sakuradate_y

@niwatori_niwako @komitorabbit (*´∇｀*)ささ

@komitorabbit

それはどれくらいの時間だったのだろう？少し涙袋の下が赤らんだミッコ眼と、僕の眼が真っ直ぐに絡み合う。10分のようにも、数秒のようにも感じられた、不思議な時間。時間の永さが等間隔だっていうのを否定した物理学者は誰だっけ？何とも場違いな事を考えた僕は、多分チキン。#細マッチョ物語

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思い出せあの格闘漫画たちを！大晦日テンション降って来い！丹田に気を溜めていざ口を開こうとしたら「…そい」「僕は…って？」「遅いのよ！もういいっ！」ミッコの細い指が僕の手を捕まえ強引に引っ張られ、人混みからどんどん離れていく。折角込めた気合がパーンと飛んでいった #細マッチョ物語

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初詣の喧騒から離れ神社の裏手へ。人の気配もない鬱蒼とした木々が僕とミッコを迎えた。「ど、ど、ど…」どうしたんだよと言いたいのに口ごもる僕。ああ筋肉よりも滑舌を鍛えるべきだったか！「ちょっと黙ってて！」「あハイごめんなさい」怒られるのかな僕！ビクビクと肩を窄めた #細マッチョ物語

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「ちょっと文句言わせて貰うわ」ﾊｲ何なりと。口には出さず黙って耳を傾ける。「…ううん、その前に。ねえちょっと見下ろされるの気分悪いからそこ座って」いわれた通り一抱えもある石に腰掛けた。腕を組み怒った顔をしてるのに、見上げる僕からは何故か照れているように見えた。 #細マッチョ物語

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「ねえ、マキオはどうしてそんな……格好良くなったの」「ﾍｯ!?」僕には全く縁のない単語が飛び出した。僕が変化あった事なんて筋肉くらいしか思い当たらない。まさかミッコは筋肉がついた僕に興味が…!?いや待てよ。ミッコは香取先輩に夢中だったんじゃ？ #細マッチョ物語

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そのままを伝えるとミッコは目を吊り上げ、「バカ、バカね、バカだマキオ！」両手でパチンと頬を叩かれた。そして頬を挟まれたまま唇に柔らかいものが触れ…なんだこれ。「…ばか」至近距離で目を潤ませて僕を見るミッコ。「勝手に格好良くならないでよ。マキオは私だけ見てて」 #細マッチョ物語

༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

ちょっとどゆ事…。衝撃から立ち直れないままミッコの瞳に魂ごと吸い込まれる。ミッコはぼそぼそと話し出した。「ずっとずっとマキオしか見てないんだからね、私」「え、だって、か、かと、かとり」「香取先輩の事？マキオが全然気づいてくれないから…ヤキモチ焼かせる為よ」 #細マッチョ物語

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なのに、とミッコはじわりと涙を滲ませた。「マキオ、どんどん体格良くなって。元々背が高いしそれだけで三割増しなのよ？自分がモテてるって自覚ある？」「は？」何度目かの間抜けな声。「うん、無いのよね、分かってる。あんた人見知りだもの」クスッと笑う頬に一筋涙が零れた。 #細マッチョ物語

@komitorabbit

@niwatori_niwako 新年早々初恋萌えーーー！！頑張れまきおおおお！！#細マッチョ物語

༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

僕頑張れ！ここで頑張らなければいつ頑張る！心の師匠ラオウ様に力を貰いありったけの勇気を一つの言葉にこめた。「ミッコ、筋肉だ」「……ぇ」固まったミッコに気づかず僕は続けた。「ミッコが筋肉好きだよね？だから僕はガチムチ目指してた。これからはもっと練習するね！」 #細マッチョ物語

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「ごめん意味分からない」ミッコは頬に添えた手を下ろし、所在投げにしていたからぎゅっと僕は両手でミッコの両手を捕まえて包む。わあ、手の中に小宇宙が広がるよ！「だから、もっと筋肉を鍛え―」「いらないから！今が丁度いいから！」慌てて僕の手から逃げようとするミッコ。 #細マッチョ物語

༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

逃がすわけないだろ！「大事な事言い忘れてた」もがくミッコにひたりと視線を合わせる。「トミ子。僕は君の事が好きだ。ガチムチにまだなってないけど、付き合ってください」握った手に額を乗せて祈るように。暫くして「ばかね」と、今まで聞いた事のない優しい馬鹿が降ってきた。 #細マッチョ物語

༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

帰り道。ミッコから散々言われた。"ガチムチは駄目！今のままをキープ！よその女子なんて見ちゃ駄目私だけを見てて！"最後なんて僕と同じ意見で二人で笑い合った。あの曲がり角の先は家がある。自然と手前で足が止まり、絡めていた手を解き、ぎこちないキスを交わした。 #細マッチョ物語

༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

相変わらずハムでメリット５な毎日。ミッコと想いが通じ合い、ガチムチを必死に頑張る必要がなくなり毎日が穏やかな桃色に過ぎていく。ミッコは筋肉スキーじゃなかったのかな？ミッコは笑って言う。「細マッチョが丁度いいわ。でもマキオだから好きなの。そこんとこ忘れないでね」 #細マッチョ物語

༺ とり 𓅛 ༻ @okametori0331

あーもうこれでおわりおわりー。変なテンションになった。細マッチョ終了ー。おやすみー。ぐう。