映画『英国王のスピーチ』(The King's Speech:2010英)の英語表現

英語講師 @syuhei による、映画『英国王のスピーチ』(The King's Speech:2010英)の英語表現に関する覚え書きです。 【一部、ストーリーに触れている部分がありますのでネタバレを嫌う方は映画鑑賞後にご覧ください。】
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KIMURA Syuhei @syuhei

『英国王のスピーチ』(2010英:The King's Speech)観てる。吃音(stammer)により演説(speech)が上手くできない英国王ジョージ6世が話し方(speech)を矯正するため頑張るというストーリー。

2011-09-11 19:18:43
KIMURA Syuhei @syuhei

『英国王のスピーチ』おわりん。ボロ泣きなう。素晴らしかった。

2011-09-11 20:56:57
KIMURA Syuhei @syuhei

『英国王のスピーチ』は映画としての完成度の高さもさることながら、台詞回しの巧みさも素晴らしい。日本語字幕も健闘しているが、王族と庶民の英語表現の違いといった言語文化的観点からも興味深く鑑賞できると思う。いくつか表現を拾ってみようっと。

2011-09-11 21:14:14
KIMURA Syuhei @syuhei

If Your Royal Highness will be so kind as to open your hand... 殿下、手を開いて下さいますか?:ifの副詞節内では未来のwill(単純未来)は使わないが、主語の意志や相手への丁寧な依頼を表すwill(意志未来)は可。

2011-09-11 21:21:45
KIMURA Syuhei @syuhei

I'm just in the loo.いま便所なんだ:Elizabeth来訪時のLionelの台詞。looは略式のイギリス英語で「便所」。toiletやlavatoryもどちらかと言えばイギリス的表現。アメリカ英語だとbathroomやrest room。

2011-09-11 21:28:19
KIMURA Syuhei @syuhei

Poor and content is rich and rich enough.貧しくとも満足であれば十分豊かだ:シェイクスピアの『オセロ』のイヤゴの台詞を引用したもの。古典からの引用(quotes)は英語圏の映画や小説で多用される。contentは「中身」ではなく「満足」。

2011-09-11 21:36:01
KIMURA Syuhei @syuhei

our dramatic society is looking for someone slightly younger and a little more regal.英演劇界に欲しいのはもう少し若くて王の威厳漂う役者だ:こう言われたLionelが英国王の手助けをする面白さ。

2011-09-11 21:49:13
KIMURA Syuhei @syuhei

Timing isn't my strong suit.間の取り方が下手でね:診察に訪れたヨーク公(Bertie)の台詞。このsuitは衣服のスーツではなくトランプの組(ダイヤ・クラブ・スペード・ハート)や手持ちの札のこと。strong suitで「強い手札→長所」。

2011-09-11 21:55:13
KIMURA Syuhei @syuhei

A bob each to keep it sweet?お互い1シリングを賭けるというのはどうです?:bobは1シリング(shilling:昔の英通貨単位)の略式表現。12ペンス=1シリング=1/20ポンド。現在は100ペンス=1ポンドでシリングは廃止された。itは賭けのこと。

2011-09-11 22:04:04
KIMURA Syuhei @syuhei

Stared square into his father's face and lied!あいつは父親の顔を正面から見据えて嘘をつきおった!:ジョージ5世(King George V)の台詞。省略されている主語はBertieの兄(David)。squareは副詞で「まともに」。

2011-09-11 22:11:22
KIMURA Syuhei @syuhei

I am a thistle-sifter. I have a sieve of sifted thistles and a sieve of unsifted thistles.治療に使われる早口言葉。字幕は「腫瘍摘出手術中の主治医には・・・」と日本語早口言葉に変更されている。

2011-09-11 22:17:48
KIMURA Syuhei @syuhei

I fear our vigil will not be of long duration.どうやら寝ずの番もあとわずかのようです:女王が国王の死期が近いことを遠回しに述べる台詞。vigilは「(見張りなどの)徹夜」、of+形容詞+抽象名詞で形容詞句「長く続く」。

2011-09-11 22:29:39
KIMURA Syuhei @syuhei

Do you want a top-up?酒を注ごうか?:国王の死語、BertieがLogueに幼少時代を語るシーン。酒を注ぎ足すLogueの台詞。top-upは「飲み物の注ぎ足し/追加/補充」。イギリス英語の表現かな?

2011-09-11 22:37:35
KIMURA Syuhei @syuhei

What is it about David that stops you speaking?デイビッドの何がいったい君を黙らせてしまうんだ?:強調構文(It is ~ that ・・・)の疑問文なので構造がやや複雑。about Davidは疑問代名詞whatにかかる形容詞句。

2011-09-11 22:43:53
KIMURA Syuhei @syuhei

War with Germany will come and we will need a King behind whom we can all stand united.ドイツと戦争になります。国民は団結して頼れる王が必要です:stand behind ~「~を支持する」。

2011-09-11 22:54:25
KIMURA Syuhei @syuhei

"Curtsy!" "Your Majesty."「おじぎして!」「国王陛下」:王位継承が認められた直後にBertieに実の娘2人が言う台詞。娘たちからも王として敬われる重圧。curtsyは高貴な人物に対する女性のおじぎ。Your Majestyは国王本人に対する呼びかけ表現。

2011-09-11 23:00:49
KIMURA Syuhei @syuhei

You have no idea who I have breathing down my neck?私がどれほど厳重な監視下に置かれているか想像できまい:戴冠式を控えたBertieの台詞。breathe down one's neckで「~につきまとう/~を厳しく監視する」。

2011-09-11 23:09:44
KIMURA Syuhei @syuhei

You'll make a bloody good king.君はきっと素晴らしい王になる:S will make C.で「SはCになるだろう」(C=a good ~)。She'll make a good wife.の例文で有名。本以外でこのmakeに出会えたのがとても嬉しい。

2011-09-11 23:15:19
KIMURA Syuhei @syuhei

Your humble servant.失礼しました:大主教が国王の前を退くときの台詞。非常に古い表現で、昔の手紙の結語につかったそうな。「敬具」みたいなもんか。

2011-09-11 23:18:08
KIMURA Syuhei @syuhei

Your Majesty, I'm speechless.陛下、感動で言葉がございません:最後のBertieのスピーチを聴いた大主教の感想。speechlessは「(一時的に)口がきけない/言葉がでないほど感動している」。speechに難儀していたBertieへの最大の賞賛では。

2011-09-11 23:25:36
KIMURA Syuhei @syuhei

こんなところにしておこーっと。もっと長いセリフで面白いのもあるんだけど、それを書くにはTwitterでは狭すぎる。

2011-09-11 23:29:50