やがて、NHKのニュースがおかしくなり始めた。安倍首相の今日のカッコよいところ、みたいな様子が流されるのは、北朝鮮ニュースで「将軍様」が今日は何した、というのとそっくりだった。

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shinshinohara @ShinShinohara

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小泉政権は、後から振り返ると竹中平蔵氏を引き上げたことで新自由主義を根付かせ、貧富の格差を拡大する原因を生んだことで厳しく批判されることになるが、最後の最後まで人気政権だったことは否めない。官僚たちからも人気だった。どんな意見にも耳を傾ける度量があったからだ。

2024-05-08 17:35:05
shinshinohara @ShinShinohara

そうした空気を受け、改革派若手官僚たちがプロジェクトK、政策空間、Crossover21などを立ち上げ、積極的に政策提案をしていた。私はプロジェクトKには関わっていなかったし、そもそも官僚でもなかったが、政策空間やCrossover21のホームページには、私の提言がいくつか掲載されていた。

2024-05-08 17:38:20
shinshinohara @ShinShinohara

やがて、小泉政権から安倍政権へ。すると、若手改革派官僚を抜擢するという話が。私の知人もそこに入りたいと願っていたが、加わることができなかったと悔しがっていた。自分たちの政策が採用されるかも、という期待が若手官僚の中にも高まっていたのだと思う。

2024-05-08 17:39:59
shinshinohara @ShinShinohara

ところが間もなく。プロジェクトKのホームページが閉鎖された。様々な政策提言を掲載するホームページだった「政策空間」もほぼ同時期に閉鎖。Crossover21の公式HPも消えてしまい、公開されていた政策提言も消えてしまった。この三つはメンバーが一部重複しているが、一応別組織。それらが同時に。

2024-05-08 17:42:09
shinshinohara @ShinShinohara

私はこの異変にいち早く気がつき、理由を問いただしたが、どこも「たまたまだ」といい、「そのうちリニューアルしたサイトを再開する」と言い訳していたが、再開されることはなく、消滅したままになってしまった。掲示されていた政策提言もすべて消えてしまった。

2024-05-08 17:43:47
shinshinohara @ShinShinohara

安倍政権が、若手官僚に世間に向けて意見発信するのに難色を示したのではないか?とはっきり聞いてみたら、「そんなことはない」と言いながらも動揺を隠せず、目が泳いでいた。私はそれ以上突っ込んで聞くとかわいそうかと思い、そこまでとした。

2024-05-08 17:45:58
shinshinohara @ShinShinohara

やがて、NHKのニュースがおかしくなり始めた。まるで北朝鮮のニュース番組っぽいテイストが濃厚になってきた。安倍首相の今日のカッコよいところ、みたいな様子が流されるのは、北朝鮮ニュースで「将軍様」が今日は何した、というのとそっくりだった。

2024-05-08 17:48:19
shinshinohara @ShinShinohara

ナレーションも、北朝鮮のニュース番組のキャスターの口ぶりそっくりに、大仰な言い回しをする女性に代わった。「そのとき歴史は動いた」の番組編成も、明治以降の戦前戦中の軍人を英雄視するようなものが増えてきた。私はなんじゃこりゃ?と感じていた。

2024-05-08 17:50:12
shinshinohara @ShinShinohara

私が次第に安倍政権への違和感を強めたのは、そうしたことが重なり、「どうやら不都合な意見を許せない人らしい、そして自分の思い描く意見しか認めない人らしい」というのが見えてきたから。で、第一次安倍政権の時から、私は警戒心をあらわにするようになったのだけれど。

2024-05-08 17:52:04
shinshinohara @ShinShinohara

当時、第一次安倍政権にそこまでの不安を示す官僚は少なかった。ところが自民党の内部ではかなり懸念する人たちがいたらしく、あるとき、私が提言したのに対し、自民党シンクタンクの代表が「会って話をしたい、お礼を言うようにとある議員からも言われている」と連絡があった。

2024-05-08 17:54:15
shinshinohara @ShinShinohara

やはり、第一次安倍政権の時代から、かなりマスコミに圧力をかけていたらしい。ただその時は方法が稚拙だった。その稚拙さは「官邸崩壊」という本によく描かれている。しかしこの失敗を踏まえて登場した第二次安倍政権は、実に巧みだった。自民党内部でも安倍氏は圧倒的存在になってしまった。

2024-05-08 17:56:23
shinshinohara @ShinShinohara

第二次安倍政権が発足して間もなく、ツイッターではやたらと天皇家をたたえるアカウントが激増し、少しでも左がかっているツイートに対しては多数のアカウントが袋叩きにする、という現象が起きるようになった。私もしょっちゅうやられた。私は彼らを「禿」あるいは「紅衛兵」と呼んでいた。

2024-05-08 17:59:11
shinshinohara @ShinShinohara

「禿」とは、NHK大河ドラマ「平清盛」で登場した、平家の悪口を言うものがいたら密告する連中のことを指した言葉。「紅衛兵」は、中国文化大革命の際、毛沢東に逆らう知識人などをつるし上げた連中のことを指す。これら「禿」や「紅衛兵」にそっくりなのがネット上にあふれた。

2024-05-08 18:02:14
shinshinohara @ShinShinohara

しかし、当時の天皇陛下が、やたら天皇家をあがめるそうした言説に水を浴びせるような発言を繰り返したことで、明らかに天皇家はそうしたむやみな持ち上げ方を迷惑に思っていることが伝わり、それら「禿」「紅衛兵」のアカウントは方針を転換、安倍政権をやたら支持するものに変化した。

2024-05-08 18:03:52
shinshinohara @ShinShinohara

私は不思議だった。こうした「禿」や「紅衛兵」を動員する力が、なぜ安倍政権にはあるのか?第一次安倍政権でも少し似た動きがあったのだけれど、今度は規模も密度もけた違い。これだけの動員ができるのには、お金の出所があるはずだが?と、私は不思議でならなかった。

2024-05-08 18:09:50
shinshinohara @ShinShinohara

今思えば、旧統一教会という「補助線」を引くといろいろ説明しやすくなることがわかる。安倍氏が旧統一教会に操られていたとは考えていないが、似た考え方を持つ者同士として一致協力していた可能性はあるのかな、と感じる。

2024-05-08 18:11:22
shinshinohara @ShinShinohara

岸田政権になってから、安倍派の掃討作戦がかなり念の入ったものになっている。興味深いのは、安倍氏と親しかった麻生氏や、自民党の古株である二階氏も、こうした掃討作戦にさほど反対しなかった点。安倍氏の「残党」の力を、なるべく削ごうとする意志を感じる。でも、なぜ?

2024-05-08 18:13:54
shinshinohara @ShinShinohara

安倍氏には独特の能力があった。自分の勢力に取り込む力。漫才師の太田光氏は、当初舌鋒鋭く安倍氏を批判していたのだけれど、園遊会やらに誘われ、親しく話をしてから擁護発言が目立つようになった。それだけ安倍氏には、独特の魅力があったことは間違いないように思う。

2024-05-08 18:17:46
shinshinohara @ShinShinohara

しかし、安倍氏には小泉氏にはあった、異論反論への度量の大きさがなかった。もしうまく自分の勢力に取り込めない場合は、徹底して叩き潰すというところがあった。結果的に、安倍氏に逆らうことのできない空気を作るのが実に巧みだった。

2024-05-08 18:20:19
shinshinohara @ShinShinohara

安倍氏は、味方する人間には甘く、少々の失敗も許す、そうした度量はあった。しかし味方への度量は少々行き過ぎていて、暴言・失言、明らかな失態をしても、それを不問に付すので、安倍氏に味方する人間は次第に横暴、傍若無人、粗暴になる傾向があった。

2024-05-08 18:22:19
shinshinohara @ShinShinohara

安倍氏と昵懇だった維新の幹部が、しばしば乱暴な発言を繰り返していたのも、安倍氏の威光をどこかで頼りにしている感を私は持っていた。しかし安倍氏が亡くなると、あれほど雑な発言を繰り返していた吉村知事も、発言に慎重さがみられるようになった。

2024-05-08 18:24:02