初代『どこでもいっしょ』のスタートの話。どこいつは会社から戦略的にポケステ向けのゲームを作れという指示があって作ったタイトルではない。勝手に立ち上げたタイトルであった。

まとめました。
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Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

あまた代表 高橋宏典 #オノゴロ物語 @OnogoroJP #LastLabyrinth @LastLabyrinthJP ディレクター兼プロデューサー|インディゲームパブリッシャー @AMATAGamesJP |初代 #どこでもいっしょ ディレクター| #トロと休日 プロデューサー| #ストラガーデン 他多数

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Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

過去に何度かXには書いてるけど、改めて初代『どこでもいっしょ』のスタートの話をまとめておこう。まず、どこいつは会社から戦略的にポケステ向けのゲームを作れという指示があって作ったタイトルではない。後で書くけど、勝手に立ち上げたタイトルだった。

2024-05-25 14:30:09
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

そもそもポケステというハードのこと自体、確かファミ通の誌面に「SCEが超小型PDAを開発」的な記事が初出で掲載されてるのを読んで知ったぐらいなので。もちろん上司とかえらい人たちは知っていただろうけど、当時は平社員ディレクターだった自分には、そんな情報を知らされるはずもなかったのだ。

2024-05-25 14:30:11
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

一方、自分が担当していたチームは、企画が通らず苦しんでいた。何度も企画を出したり試作したりしたものの先に進まず。いやまぁ担当Dである自分がボツにしてたんだが。その日もある企画のプロトタイプが完成。遊んでみた結果はイマイチで、これはこの先続けるのは無理そうだね、とボツになった。

2024-05-25 14:30:11
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

で、気分転換に担当プランナー2人と新宿の思い出横丁のこぎた……、趣のある居酒屋に飲みに行き、酒を飲みつつも企画の話になり、PlayStation向けのゲームで行き詰まってるから、この間のファミ通に乗ってた超小型PDA向けの企画でも考えてみるか、という話になったのがそもそもの取っ掛かり。そこから

2024-05-25 14:30:12
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

たまごっちやキーチェーンテトリスといった液晶小型ゲーム機の分析になり、酒が入ったのがブレストとしてはいい塩梅になったのか「スキマ時間で遊べる気軽さ」「ペット育成はいいけどお世話は面倒くさい」「お世話しなくていい、トモダチみたいな存在」といった感じでコンセプトが固まってきた。

2024-05-25 14:30:12
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

「これ面白いじゃん!」とその場では盛り上がったものの「いやまて、今は酔ってるから面白く感じているだけかもしれない。後日シラフのときにちゃんと検討しよう」となったのだが、シラフになってもちゃんと面白そうなコンセプトだったので、企画を深堀りしていくことに。

2024-05-25 14:30:13
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

「トモダチと普段何してるっけ?」「結局くだらないことばかり話してるよね」というところから、「会話」をキーワードにチーム内からもアイデアが追加され、いわゆる人工無能(いまならChatbotと呼ぶほうが通じるか)や言葉を教える仕組みも入ってきて、今の「どこいつ」の形になっていった。

2024-05-25 14:30:14
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

幅広い年齢層に遊んで欲しかったので、キャラクターは動物をモチーフにすることになり、割と急ピッチで企画の概要はまとまり、部署内の企画会議に上程することに。たくさんいるプロデューサーのオジサンたちの承認を得ねば、開発を正式にスタートできないのだ。

2024-05-25 14:30:14
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

ポケステで動物キャラにコトバを教えて会話するというコンセプトが通じるかドキドキしていたのだが、思いの外好評であっさり承認。ポケステの赤外線通信を使った名刺交換で電話番号をゲーム感覚で聞ける仕様が「キャバクラで使えるな!」とオジサンたちには受けていたのが後押しになったのかもね。

2024-05-25 14:30:15
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

当時はまだ携帯電話も普及途上で移動のときなどのスキマ時間がまだまだあったことや、PlayStationは新しい遊びを提案してくれるといった時代の雰囲気、会社が大規模なプロモーションをかけてくれたことなど、いくつもの後押しがあって、ヒット作になっていったのだった。

2024-05-25 14:30:16
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

初代『どこでもいっしょ』の発売は1999年7月で、iモードのサービス開始は1999年の4月。ケータイインターネットのサービスはものすごい勢いで普及してスキマ時間を奪っていったので、どこいつも、もし発売が一年遅かったらここまでのヒットにはならなかったかもしれない、と思う。タイミングは大事。

2024-05-25 14:30:16
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

これも前に書いたけどまとめついでの開発裏話。PS本体にポケステを挿すとポケピのお部屋で遊べるけど、お部屋は企画当初は存在しなかった。ポケステ主体のゲームとして企画したのでメインの遊びの会話はポケステだけで遊べて、PS本体は絵日記と名刺交換したアドレス帳が閲覧できる程度の仕様だった。

2024-05-25 19:52:35
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

ところが提示された開発中のポケステの想定仕様書には、バッテリーのところに「二次電池」と書いてあった。二次電池とは充電池ということ。これはつまり、PS本体に挿した状態である程度の時間通電させて、充電させる必要があるということ。つまりPS本体でも一定時間は遊んでもらうような仕様が必要。

2024-05-25 19:52:35
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

当初考えていた絵日記とアドレス帳の閲覧程度の仕様ではポケステが十分充電されるほど遊ぶ時間がかからない……。困った……。と、チーム内から「お部屋を作ってPS本体でもそのままお話しできたらよくね?」というアイデアが出てきて「それだ!」と採用に。そしてPS本体ではお部屋がメイン画面に。

2024-05-25 19:52:36
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

せっかくお部屋もできたし、充電してもらうためにプレイ時間も増やさないといけないので、ポケピが見るテレビやステレオにオリジナル音声の作りこんだり、食事を送れるようにしたりなど、見ているだけでも楽しい時間が過ごせるような仕様が追加されていった。ところが後日、

2024-05-25 19:52:36
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

製品版のポケステの仕様書を見ると、電源の仕様が「ボタン電池」となっていた。ハード開発側に聞いたらコストの関係で二次電池は諦めたとのこと。こうして、開発中のポケステが充電池だったことから生まれたPS本体のお部屋の仕様は、その理由自体がハードの仕様変更によりなくなってしまったのだ。

2024-05-25 19:52:36
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

とはいえ、PS本体にポケステを挿すと中身が書き換えられてお話しの内容も変わるので、お部屋が生まれたことで「一日一回はお部屋に戻してあげて絵日記を見てみよう」というメタファーでゲームを説明しやすくなったし、PS本体側の表現が増えてポケピの存在感もアップしたし、結果オーライというやつ。

2024-05-25 19:52:37
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

開発中、ポケピに固有の名前はついてなかった話はこちら。 x.com/fura/status/10…

2024-05-25 23:23:49
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

初代『どこでもいっしょ』ディレクター時代の思い出話。α版過ぎてかなり開発が進んだ段階になってもキャラクターには名前がありませんでした。プレイヤー自身に好きな名前をつけてもらって愛着を持って欲しいと考えてたので。だから開発チームもネコ、ロボ、ウサギ、イヌ、カエルと呼んでたという。

2018-12-14 00:57:10
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

予定になかったけど急遽『こねこもいっしょ』を作った話はこちら。 x.com/fura/status/17…

2024-05-25 23:31:32
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

ところが、プロモーション担当者(ステハニー☆林さん)から、『どこでもいっしょ』をさらに長期的に販促していくために、急ぎで追加ディスクを作って早期に発売して欲しいという要望が。

2024-01-27 00:35:39
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

初代『どこでもいっしょ』がなぜあの5人になったのかの話。 x.com/fura/status/10…

2024-05-25 23:34:00
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

初代『どこでもいっしょ』の思い出話。当初、キャラはもっとたくさん出すつもりでアイデア出しをしていた。デザインまで描いてたのは確かリス、ヒツジ、サル、パンダ、トカゲ、宇宙人など。宇宙人だけ違和感あるけど哺乳類、爬虫類、非生物という感じで案出ししてたので。もちろんスズキも非生物枠。

2018-12-14 23:24:24
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

『どこでもいっしょ』が初めて東京ゲームショウに出展したときの話。 x.com/fura/status/11…

2024-05-25 23:40:53
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

初代『どこでもいっしょ』のどうでもいい話。1998年の東京ゲームショウで、その他のポケットステーション向けのゲームと一緒に、まだ開発中だったどこでもいっしょを出展してもらえることになった。その時のポケットステーションの展示方法がちょっと変わっていた。

2019-09-02 00:38:24
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

そしてその時点での『どこでもいっしょ』は、まだ全く注目されてないタイトルだった話。 x.com/fura/status/14…

2024-05-25 23:43:21
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

東京ゲームショウ98秋のPCWatchの記事ではポケットステーション対応タイトルとして「クラッシュ・バンディクー3」「モンスターファーム2」「ファイナルファンタジーVIII」が挙げられているが同時に出展していたはずの「どこでもいっしょ」は言及なし。初出の際には全く注目されてなかったのがわかる。 x.com/fura/status/11…

2021-11-16 23:05:40
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

先日書いた、『どこでもいっしょ』がヒットしたら何だかわからないけど大人の事情が発生したらしい話。 x.com/fura/status/17…

2024-05-25 23:48:56
Hiromichi Takahashi@AMATA Games @fura

『どこでもいっしょ』がヒットした後、大人の事情か何かわからないが上司が外部の会社に「どこいつ」キャラを使ったゲーム企画を提案してもらうように依頼したらしく、何だかよくわからないままに、いくつも企画提案を受けることになったのだが……。

2024-05-22 21:59:29
チャンクニ @zariganya

@fura サービス終了しても消せない たまに遊んでるヤツ pic.twitter.com/nojMAmg0cT

2024-05-25 21:36:57
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