報道検証:政府のインフルエンザ対策としての特別措置法は本当に「集会の自由」を制限する内容なのか
- tkatsumi06j
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結論:把握する情報では一般の「集会の自由」を制限する内容ではない
このとおり、一般にいう「集会の自由」を禁止する内容ではない。ただし、これは昨年11月時点のものであり、報道関係者に記者会見の事前に配られた資料にはより踏み込んだ内容が記載されていた可能性はある。音声起こしで質問している記者は、なんらかの資料を参照しながら質問している。だがこの資料は、一般公開はまだされていない。なので、11月時点のこの資料から一般にいう「集会の自由」を制限するものとなっていると結論付けることはできないが、首相官邸側から報道資料が公開されるまで、報道を鵜呑みにすることは危険だろう。
以上。本件について無検証にRT等してしまったことをお詫びいたします。
ポストまとめ:報道再検証Ⅰ
「報道検証:政府のインフルエンザ対策としての特別措置法は本当に「集会の自由」を制限する内容なのか」をまとめた。 http://t.co/WxRcpdjl が、まだ疑問がある。まずは「何故今なのか」、次に何故マスコミは「集会中止」「集会の制限」という刺激的なフレーズを使ったのか。
2012-01-10 18:19:16政府が昨年11月段階で検討していた法制度の論点では「(2) 国内の感染拡大防止のために必要な措置」として「催物、興行場等不特定多数者が集まる行事・営業の抑制」が掲げられていたに過ぎない。http://t.co/u2OhLAMx なぜこれをマスコミは短に「集会」と報道するのか。
2012-01-10 18:22:02■内閣官房新型インフルエンザ対策室
平成23年11月10日 「新型インフルエンザ対策のために必要な法制度の論点整理」
当該部分抜粋(p4)
4 感染力・病原性が高い緊急事態において、感染拡大防止・被害軽減のためにどのような措置が必要か
(2) 国内の感染拡大防止のためにどのような措置が必要か
・催物、興行場等不特定多数者が集まる行事・営業の抑制
・学校、保育所、通所福祉施設等の休業
・地域封じ込めのための集中的対策(医療、交通規制、生活支援)
まだ担当官庁による法制度の論点整理がされているのみで、法案の骨子すらできてない状況では、最終的な内容は確認できなくて当然。政府が報道関係者のみに資料を公開するのでは、一次情報のマスコミの情報を辿るしかない。だとしても、マスコミの報道のみを頼りに批判するのはフライングだった。
2012-01-10 18:29:03わかっているのは、限られた公開資料を検討した結果、各社報道がソースとする10日午前の記者会見で、官房長官はこれしか言ってなかったということだ。
2012-01-10 18:31:40「昨年来、新型インフルエンザ対策について、去年9月に実は行動計画を策定いたしました。さらにその実効性を高めるという意味では、やはり立法措置が必要ということで検討が積み重ねられてきた、という風に聞いてます。」藤村修内閣官房長官(続く)
2012-01-10 18:33:32「今、経済界や、あるいは医療関係者等からも意見を聞きながら、法案を準備している最中ということで、今年の通常国会に提出したいということではございます。内容については、「内閣官房新型インフルエンザ対策室」というものがありますので、こちらに詳細をお問い合わせいただければと思います」以上
2012-01-10 18:34:06この官房長官のいわば「法案提出肯定」発言について、各社は既存の資料などを総合して「新型インフル流行備え特措法案、集会中止指示も」(読売)「新型インフルで特措法案=官房長官」(時事)強毒性の新型インフルエンザ流行に備えた特別措置法案を1月召集の通常国会に提出へ(フジ)と報じた訳だ。
2012-01-10 18:38:51報道各社が表題あるいは本文中で揃って使った言葉が「集会」。集会を制限(フジ)、集会の制限(時事)、集会中止(読売)、 集会の自粛要請(日経)、集会の制限(朝日)http://t.co/tCumQmZd なぜ政府資料にある通り「催事」「興行場」という公式表現を使わなかったのか謎だ。
2012-01-10 18:44:37ポストまとめ:報道検証Ⅱ
うわ、毎日もっと踏み込んでしまった…。「私権の制限に踏み込む」本当に法案資料にそう書かれているんだろうか?|新型インフル:外出・集会、国が制限 特措法制定へ - 毎日jp(毎日新聞) http://t.co/STW0E47v
2012-01-10 22:20:52「集会の制限は感染拡大防止を目的とした一時的な措置のため、内閣官房新型インフルエンザ等対策室は「(憲法で保障された)集会の自由の侵害にはあたらない」としている。」新型インフル:外出・集会、国が制限 特措法制定へ - 毎日新聞 http://t.co/2nDRlEWn
2012-01-10 22:22:16新型インフル:外出・集会、国が制限 特措法制定へ
毎日新聞 2012年1月10日より抜粋
政府は、感染力や毒性が強い新型インフルエンザが流行した場合、国民に外出の自粛や集会の中止を要請できる特別措置法を制定する方針を固めた。新型インフルエンザへの対応をこれまでの感染症対策から国家の危機管理と位置づけ、私権の制限に踏み込む。政府は通常国会に法案を提出し、成立を目指す。
09~10年に流行した弱毒性の新型インフルエンザでは、大規模な催しを中止するかなどで自治体によって判断が分かれた。このため全国知事会は10年6月、政府に法整備を要請していた。集会の制限は感染拡大防止を目的とした一時的な措置のため、内閣官房新型インフルエンザ等対策室は「(憲法で保障された)集会の自由の侵害にはあたらない」としている。
新型インフルエンザ対策行動計画(平成23年9月20日最終改定)
※「集会」で検索した結果(太字強調追加)
流行規模及び被害の想定(p.6)
また、国民生活においては、学校・保育施設等の臨時休業、集会の中止、外出の自粛等社会活動が縮小するほか、食料品・生活必需品等や生活関連物資が不足するおそれもあり、あらゆる場面で様々な影響が出ることが予想。
④ 予防・まん延防止(p.20)
さらに、発生の早期から、必要な場合には、外出や集会の自粛要請等の地域対策、職場における感染予防策や一部の事業の自粛要請等の職場対策を行い、社会的活動における接触の機会を減らす。(社会対策)
(地域・社会レベルでの対策の周知)(p.31)
・ 新型インフルエンザ発生時に実施され得る、患者の濃厚接触者の外出自粛、学校・保育施設等の臨時休業、集会の自粛等の、国内での感染拡大をなるべく抑えるための対策について周知を図る。(厚生労働省)
- 国内発生早期
対策の考え方:(p.50)
1)積極的な感染拡大防止策(患者の入院勧告、地域全体での学校・保育施設等の臨時休業・集会の自粛等)をとることで、流行のピークを遅延させられる可能性があるため、果断な対応を行う。
情報提供・共有(p.52)
【情報提供】
学校・保育施設等の臨時休業や集会の自粛等の国内での感染拡大防止策についての情報を適切に提供する。(厚生労働省)
予防・まん延防止(p.53)
地域発生早期においては、地域全体で積極的な感染拡大防止策をとることが重要であり、都道府県等に対し、学校・保育施設等の臨時休業や集会の自粛要請等の感染拡大防止策の実施に資する目安を示すとともに、必要な場合には、都道府県等又は業界団体等に対し、発生地域の住民や関係者に対して次の要請を行うよう依頼し、又は直接要請を行う。
集会主催者、興行施設等の運営者に対し、活動を自粛するよう要請する。(厚生労働省)
- 国内感染期
対策の考え方:(p.57)
1)感染拡大を止めることは困難であり、対策の主眼を、早期の積極的な感染拡大防止策から被害軽減に切り替える。ただし、学校・保育施設等の臨時休業や集会の自粛といった一部の感染拡大防止策を継続し、感染拡大をなるべく抑えるよう努める。
情報提供・共有(p.59)
【情報提供】
引き続き、特に、個人一人ひとりがとるべき行動を理解しやすいよう、都道府県の流行状況に応じた医療体制を周知し、学校・保育施設等の臨時休業や集会の自粛等の国内での感染拡大防止策についての情報を適切に提供する。また、社会・経済活動の状況についても、情報提供する。(厚生労働省)
結論:この情報をどう判断するか
それは、国民ひとりひとりが考えることだ。
毎日の「私権の制限」報道について、内閣官房インフルエンザ対策室が策定した最新の行動計画の内容を検証してみた。「ポストまとめ:報道検証Ⅱ」として追加。判断は各々で下してもらいたい。 http://t.co/kqJRm1DG
2012-01-10 22:56:53興味深いのは、毎日ほか報道各社が報じる「集会の制限」に関する表現を使っているのは2011年9月策定の『行動計画』のみで、同11月に作成された『法制度の論点整理』では、 http://t.co/QM7QVqzO
2012-01-10 23:18:50つまり、毎日ほか報道各社が報じる内容は、11年9月策定の『行動計画』に基づいており、同11月作成の『法制度の論点整理』に基づいていない。但し、毎日は記事の内容から、直接内閣官房に取材していることが伺えるので公開資料のみでは完全に検証できない。<「集会の自由の侵害にはあたらない」
2012-01-10 23:19:52