大学生パロのろとそま

事の発端は私が卒論おわんねえええええええ!!!!アエルロトさんが卒論仕上げててそこに後輩のソーマさんがいたら超萌えるんじゃねーの、っていう会話からなぜかこうなった きっと多分まだ続くよ(「・ω・)「 ソーマさんにアエルロト先輩と呼ばせたかった、それだけだ
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羽山 @hayama312

@udonumauma 薄暗い室内にディスプレイの光が輝く。さっきからかたかたとキーボードを走らすアエルロトは資料を眺め逡巡してまた画面へと向かう。卒業前の最後の試練でもある論文は思うように進まず、こうやって夜が更けきったとしてもアエルロトが帰れる保証はないに等しかった。

2012-01-16 02:40:21
羽山 @hayama312

@udonumauma 知らず知らずに溜息が漏れる。コーヒーでも入れようと立ち上がったところで、扉の先に誰かがいることに今更ながら気づいた。少し跳ねた青い髪の青年が向こうの部屋で眠っているのに気付いて扉を開く。その音で目が覚めたソーマがびくっと肩を震わせた。後は任せた!(ばたり

2012-01-16 02:41:17
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 「あ…アエルロト先輩…おはようございます」扉の開く音で目が覚めた僕は、その音を立てた張本人である先輩に挨拶する。ああ恥ずかしい、この時期は卒論で忙しいだろう先輩のために何か手伝えることはないかとこうして残っていたのに居眠りしてしまうなんて。

2012-01-16 09:51:14
羽山 @hayama312

@udonumauma 何故かしょんぼりと挨拶する後輩の姿に私は目を瞬いて思わず笑ってしまう。「おはようございます、ソーマさん。…どうしてこんな時間にここに?」今この後輩が特に急ぐレポートはなかったはずだ。それならこの時間に残っているのが、とても不思議だった。

2012-01-16 10:40:00
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 あ、う、と言葉にならない声が僕の口から漏れる。先輩の力になりたかったから残りました、なんて言えるわけがなかった。こうしている間にも先輩は不思議そうな顔をして僕を見つめている。「え・・・えっと・・・つい居眠りしてしまって・・・」

2012-01-16 11:07:42
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 結果としてすごく情けない返事をしてしまった僕は、顔が熱くなるのを感じて伏せた。先輩の役に立ちたかったのにこんな時間まで居眠りしてしまうなんて何のために残ったのかわからない。

2012-01-16 11:10:57
羽山 @hayama312

@udonumauma その返事を聞いてまた驚く。いつも真面目な、この後輩が居眠りだなんて。そう言ったっきり恥ずかしそうに俯く彼がとても可愛らしくて、思わず髪を撫でる。意外と柔らかい髪をしているなぁと思った。

2012-01-16 12:01:49
羽山 @hayama312

@udonumauma 「そうだったんですか。私はてっきり、私のことを待っていてくれたのかと邪推してしまいました」そう、これはただの冗談でそれ以上でもそれ以下でもなかったはず、なのだ。

2012-01-16 12:02:18
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 恥ずかしさに俯いていると先輩の手が僕の頭に乗った。そのまま髪を撫でられ、はじめとは違った熱で顔が熱くなる。先輩の手の感触が心地よくて僕はしばらく動けなかったが、先輩の言葉を聞いて思わず慌てて顔を上げてしまった。

2012-01-16 12:19:29
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 「な、なんで分かったんですか!?」口にしてから、先輩はただ冗談を言っただけだと気づくがもう遅い。ずっと隠していた想いが少しだけ顔を見せてしまい、僕はさらに顔を赤くしてしまった。ただでさえ先輩の前では冷静ではいられないのに、ああ・・・・・・。

2012-01-16 12:23:30
羽山 @hayama312

@udonumauma その言葉を聞いて髪を撫でていた手が止まる。えっ、と間抜けな声が口から漏れた。まさか。冗談じゃなくて、本当にそうだったとでも言うのだろうか。思わず視線を外して口許に手を当てる。こっちの頬まで熱くなるのを必死に押し殺して、黙り込む。

2012-01-16 13:50:40
羽山 @hayama312

@udonumauma こんな真夜中に待っていたと言ってくれた彼はきっと何か別な理由があるだけで。それを愛だの恋だの考えるなんて…そんなの、自惚れが過ぎていると一笑されたっておかしくないのだ。

2012-01-16 13:51:01
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 どうしようどうしようと頭の中でぐるぐるとまわる。僕の漏らした言葉で先輩がどんな反応をしているのか、気になるけれど知るのが怖くて先輩の顔をまともに見れない。視線を彷徨わせているこの時間が怖い。ただ「冗談です」とでも言えばよかったのに、

2012-01-16 14:06:27
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 少しでも伝えることができた僕の本当の気持ちをなかったことにしたくなくて、結局黙りこんだままでいた。

2012-01-16 14:10:31
羽山 @hayama312

@udonumauma 気まずい沈黙だけが流れる。すぐに何か話せば起きなかった沈黙にタイミングを逃して口を開いては何度も躊躇う。「っ…はは…ソーマさんでも冗談を言うんですね」ようやく出た言葉は心情とは全く正反対の酷く歪んだ逃走文句。ずきり、と棘が刺さったかのような痛みが胸を襲った

2012-01-16 14:55:43
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 (冗談じゃないです!)思わず上げた顔、開いた口から放とうとした言葉を飲み込んで僕は先輩に笑いかけた。「…先輩、おつかれさまです。あ、僕コーヒー淹れてきますね!」笑った顔が歪んでしまう前に、僕は先輩に背を向けた。

2012-01-16 15:16:08
羽山 @hayama312

@udonumauma 顔を上げた彼が一瞬だけ何かを吐き出すように凄む。それから向けられたのは笑顔。そのまま背を向けた彼の腕を思わず掴みそうになって、少し動いた右手は空しく宙を切った。その手を掴んだところで何を言うのか。一度終わらせた話題を舌の根も乾かない内に

2012-01-16 16:08:32
羽山 @hayama312

@udonumauma また蒸し返すつもりなのだろうか。コーヒーを淹れると立ち去った後輩を見遣りながら、近くにあったソファーに腰掛ける。途端に連日の疲労がどっと押し寄せて、溜息を吐いた。時間にしたら一瞬のことだったと思う。それだけの間で夢の世界に落ちるのはあまりにも容易だったのだ

2012-01-16 16:09:08
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 コーヒーを淹れて戻ると、先輩はソファーで眠っていた。連日夜中まで卒論に取り掛かっていたのだから疲れて眠るのも無理はない。手にもったままのコーヒーをテーブルに置き、先輩を起こそうか迷う。

2012-01-16 16:43:11
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 卒論のことを考えると起こしたほうがいいのだろうが、静かに眠る先輩の顔を見ていると起こすことが躊躇われた。ふっと自分が笑っているのが分かる。やはり自分はこの人が好きなのだと感じながら近くにあった毛布を手に取り、先輩にそっとかけた。

2012-01-16 16:49:47
羽山 @hayama312

@udonumauma 意識が落ちていたのは一瞬で、コーヒーの香りが鼻腔をくすぐり目が醒める。テーブルの上に置かれた2つのカップと起きた拍子に滑り落ちた毛布が、今までここに彼がいたことを告げている。だが、肝心の後輩の姿がどこにも見当たらないことに気付いて辺りを見回した。

2012-01-16 18:03:17
羽山 @hayama312

@udonumauma この時間だ、もう帰ってしまったっておかしくない。なのに胸が締めつけられるように痛んだ。

2012-01-16 18:03:33
にえる🌿 @udonumauma

@tubanari312 教室に忘れ物を取りに行っていた僕が研究室に戻ると、先輩は身を起こしていた。おはようございます、と声をかけるとどこか驚いた様子で僕を見つめる先輩に先程のやり取りを思い出しつつそれを表に出さないように微笑み返す。

2012-01-16 19:34:42
羽山 @hayama312

@udonumauma 呆けたようにソファーにもたれかかったままでいると、扉が開いてソーマが姿を現した。まさか帰ってくるとは思っていなかった私は驚いて暫し固まる。後輩はそんな私の姿に微笑んで、コーヒーを渡してきた。

2012-01-16 20:10:37
羽山 @hayama312

@udonumauma おずおずと受け取ろうとしてその指に触れたときに…反射的に小さく手を引いてしまった。支えを失ったコーヒーカップは地面に吸い込まれ、がしゃりと派手な音を立てた。

2012-01-16 20:11:16