連作『ＪＫとバオバブ』

ハナブサキック @hanabusakick

@hekonoji 「まあ、元気だしなよ」　そういってＪＫは私の目の前にバオバブペプシをさしだした。そのとき、日の出か日没かのグラデーションは　よりいっそう溶け込んでるかのように　見えた。

ヘコ・ロン @Heko_nyan

@hanabusakick ＪＫの汗ばんだ白いシャツ、少し乱れて頬に張り付いた髪、濡れたすっぴんの唇、一口分だけ減ったペプシバオバブ・・・・

ハナブサキック @hanabusakick

@hekonoji そのとき私は彼女の背中に広大に広がるアフリカのサバンナを見た。

ハナブサキック @hanabusakick

@hekonoji その瞳は野生のキラメキを秘め、制服にかくされたその身体から人間の内にひそむ獣がにじみ出てくるように感じられた。

ヘコ・ロン @Heko_nyan

@hanabusakick 炭酸は抜けてぬるくなって。僕はきっとライオンに食われているガゼルのように穏やかな顔をしていたに違いない。

ハナブサキック @hanabusakick

@hekonoji 私はそのバオバブペプシにそっと手をのばす。ふとそのときあることに気がついた。

ヘコ・ロン @Heko_nyan

@hanabusakick 夕日に照らされた彼女の足元に、影がない。

ハナブサキック @hanabusakick

@hekonoji 私は彼女が作りだした異次元世界に迷い込んでしまったというのか。

ハナブサキック @hanabusakick

@hekonoji 私は渡されたそれを一口飲んだ。知りたい、彼女の中に潜む野生を。

ヘコ・ロン @Heko_nyan

@hanabusakick 「バオバブの木を通じて裏表が逆さまになった世界なの」彼女は言った。ハハ、冗談だろ。

ヘコ・ロン @Heko_nyan

@hanabusakick 彼女の顔がぐにゃりと歪んだ。