ホワイトデー"3倍返し"訴訟のウソ事例
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●平成23年2月15日
ホワイトデーにおけるいわゆる「3倍返し」引渡債務の無効確認を請求した事案
1 バレンタインの本質 チョコを贈る行為は,後の「お返し」が強く期待されている点で,通常の贈与とは決定的に異なる。社会通念から言っても,そのお返しは法的保護に値する期待権になっている。したがって,バレンタインの本質は,チョコとお返しとを交換する契約(民法586条)であるといえる。
2011-02-15 09:48:212 そうすると,チョコを贈与した行為によって交換契約が成立していることになる。そして,その他に交換契約の成立を否定するような事情もないのである。そうだとすれば,出資法違反であると主張してお返しの履行を拒絶する行為は,交換契約の債務不履行に他ならず,原告の主張は,主張自体失当である
2011-02-15 09:53:26第1 原告の予備的主張 仮に,出資法に違反しないとしても,以下に述べるとおり,バレンタインの本質は,負担付贈与契約に他ならず,被告は贈与の目的である物又は権利につき瑕疵担保責任を負う(民法551条2項,570条)から,本準備書面をもって,バレンタイン契約を解除する。
2011-02-15 11:57:031 負担付贈与であること 社会通念上,バレンタインにはお返しがつきものであることは認める。しかし,贈与した物の価額の3倍をもって返すという負担は,交換契約等の通常の双務契約では見られない。ここでは,等価的均衡が明らかに崩れているものであるから,負担付贈与と見るのが自然である。
2011-02-15 12:01:092 目的物には瑕疵があること そして,贈与の目的には,以下の瑕疵が存在する。(1)被告は,手作りを謳っていたところ,当該チョコは手作りではなかった。(2)被告は,恋人になれる権利(恋人権)をも贈与の目的としていたが,実際にはお返しほしさの行動であり,好意すら持っていなかった。
2011-02-15 12:07:163 以上のとおりであるから,原告は,本準備書面をもって,負担付贈与の瑕疵担保責任に基づき,本バレンタイン契約を解除する。よって,原告は,負担たる3倍返しの履行を拒絶する。
2011-02-15 12:09:11被告のような女子は恋愛を業として行っている以上,消費者契約法にいう事業者であるといえるから,消費者契約法の適用がある。とか色々考えたけど,文章にするのめんどくさくなったw
2011-02-15 15:01:38●平成24年2月1日
ホワイトデーにおける「3倍返し」引渡債務の存在の確認及びその履行を請求した事案
第1 原告の主張 被告は,「ホワイトデーの3倍返し」は年109.5%以上の利子を受領することとなるから無効であるかのような主張をするが,主張自体失当である。以下,詳述する。
2012-02-01 22:44:11第2 バレンタイン契約は金銭消費貸借契約ではない 金銭消費貸借契約は,当事者の一方が種類,品質及び数量の同じ物をもって返還することを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって成立する(民法587条)。
2012-02-01 22:44:36しかしながら,バレンタイン契約なるものは,チョコを受け取って,そのお返しにバレンタインにプレゼントを交付するのがその本質であるところ,そのプレゼントは,チョコとは種類も品質も数量も異なる(菓子の類やアクセサリなどが多かろう。)。
2012-02-01 22:44:49また,バレンタイン契約においては,元本であるチョコを返還することは,食品である以上要求されていないと思われる。したがって,バレンタイン契約が金銭消費貸借であることを前提とする被告の主張は失当である。
2012-02-01 22:45:23第3 バレンタイン契約は,むしろ,チョコを交付する代わりに1ヶ月後にプレゼントを提供するという,交換契約ないし負担付き贈与契約であるとみるべきである。それが当事者の合理的意思とも合致する。 第4 以上のとおりであるから,原告は,被告に対し,改めてホワイトデーの3倍返しを求める。
2012-02-01 22:45:37●平成24年2月14日
甲のチョコレート引渡債務と乙の「3倍返し」引渡債務につき、相殺による和解が成立した事案
和解契約書 ケイ子を甲,サイ太を乙とし,甲及び乙は,平成24年のバレンタインデー及びホワイトデーに関し,以下のとおり和解契約を締結した。
2012-02-14 11:50:441 甲及び乙は,甲が,乙に対し,バレンタインデー契約に基づく債務として,チョコレート引き渡し債務を負っていることを確認する。 2 甲及び乙は,乙が,甲に対し,ホワイトデー契約に基づく債務として,お返し引き渡し債務を負っていることを確認する。
2012-02-14 11:54:263 甲び乙は,本日,1項の債務と2項の債務とを相殺する。 4 甲及び乙は,甲と乙との間には,本条項に定めるもののほか,本年のバレンタインデー及びホワイデーに関し,何らの債権債務がないことを相互に確認する。 5 甲及び乙は,本契約の内容を他人にみだりに口外しないことを確約する。
2012-02-14 11:54:36ケイ子「バレンタインとホワイトデーは同時履行の関係に立つから,私は,サイ太さんからホワイトデーのお返しをもらうまで,チョコをあげるのを拒絶します。」 以上のケイ子の主張に対し,サイ太としてはどのような反論をすべきか論ぜよ。
2012-02-14 12:16:00