1) ピアノ曲がメロディとそれを支える伴奏音型で出来ていても、伴奏の方を単なる和音の移り変わりとして提示するだけでは、なんだか浅い気がする。
2012-02-07 07:47:304) しかしながら音楽の構造としては、和音構成音間の横のつながりは現ににあるわけで、どれだけ意識するかの程度の差はあるとしても、演奏側によってマークされたり、聴きによって感知されたりすると、より音楽が立体的になる。
2012-02-07 07:55:595) なんでこんなことを書いているかというと、歴史的な歌→器楽の流れのなかで、ピアノのなどの鍵盤楽器が多声音楽を映し出してきた、あるいは代用してきた、ということと関わるからだ。
2012-02-07 07:59:447) だからピアノ曲がメロディと伴奏という形態をとっていても、そこには隠された形で多声部の合唱、合奏の要素が流れ込んでいる。
2012-02-07 08:06:128) そのような曲を弾く場合にすら、合唱や合奏の経験、もしくは多声部音楽を聴いて味わうことに習熟しているということは役に立つだろう。
2012-02-07 08:09:289) そのような多声音楽の経験、センスがあれば、一見ポリフォニックでないピアノ曲の中に、ポリフォニー(多声音楽)の精神を見出し、引き出すことができるのだろう。
2012-02-07 08:13:0610) 昨日あたりに、歌うこととピアノを弾くことの関係について書きましたが、今日書いたことはその延長で、それを多声性の観点から言ったものです。
2012-02-07 08:16:5811) ピアノのための音楽は、もう長い、独自のピアノ語法の歴史を持っているわけですが、それでも多声性によってはぐくまれた西洋音楽一般の要素を底流にもっているわけです。
2012-02-07 08:20:5312) 子供にピアノを弾かせるときに、前もってメロディを声に出して歌わせるといった方法もあるだろう、というツイート(一昨日あたり)から発展して、大風呂敷を広げてしまいました。
2012-02-07 08:24:2213) ピアノは多声部を一人で演奏、研究できる点で、非常にすぐれた楽器なのですが、一方子供に脈絡無しにポンと与えてしまうには、ピアノの特殊性が落とし穴になる気がします。
2012-02-07 08:26:2114) 歌う感覚、あるいはさらに合唱、合奏を含めた、多声部の音楽のふれあいがあってこそ、ピアノの真の意味も出てくるのではないかと考える次第です。
2012-02-07 08:28:3815) そうなるとピアノの生徒、学生にはピアノばかりを聴かせるだけでなく、歌、合唱、オペラ、オーケストラなどをたっぷり聴いてもらうのがいいのだと思います。
2012-02-07 08:30:4816) それで、オーケストラ曲さえ演奏できるピアノというすばらしい楽器の真価を知って、それを弾く誇りをもってもらえるのではないでしょうか。
2012-02-07 08:32:43