#twmovel まとめ(2012/3/10-16)+α

@zeniqui が書き散らした #twnovel (509~518)と#書き出し のまとめです。 これらの全てお話はフィクションです。
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銭喰 @zeniqui

#twnovel 「時を止める魔法を習得したんだ」「嘘だろ?」「本当さ、このグラスを見てな」時を止めてボトルからワインを注ぐという。「いくぞ」「……」「……」「まだ?」「もう呑んだ」「な!?」見るとボトルが空になっていた。「すごいな」「ふふ」騙されたと気づいたのは、次の日だった。

2012-03-10 13:04:51
銭喰 @zeniqui

#twnovel 時を止める魔法を習得した私は友人を呼びつけた。「本物の魔法を見せよう」「ほお」小馬鹿にした表情の友人を無視して呪文を唱える。次の瞬間、私の全身は壁に打ちつけられて突き破り、どんどん家が遠くなるうちに気を失った。「バカな奴だ。時を止めたら自転も公転も止まるんだぜ」

2012-03-10 13:16:05
銭喰 @zeniqui

#twnovel 朝起きて、いつもより長めに仏壇に手を合わせて、募金して。他になにか出来ることがあるだろうかと視線を落とすと、ジャケットのジッパーが目に入った。国旗を模したチャームがついている。そうだ、これだ。私は半分だけ下げてみた。「暖かいからってみっともないよ」違うんだ、母よ

2012-03-11 11:28:34
銭喰 @zeniqui

#twnovel カーン!ゴングに救われた俺は崩れるように座り込んだ。「いいか、こんな時こそピーカブーだ!一歩でも前に出ろ!」(ピーカブー…ピーカブーって何だっけ)カーン!(たしか子供が好きなものに似てて…そうだ)「ピーカッチュ~!」「…」「…」シッ「ぴガッ」カンカンカンカーン!

2012-03-12 20:45:48
銭喰 @zeniqui

#twnovel 建物の周りをパトカーが十重二十重と囲んでいる。男が半世紀に渡る役者人生の最後に選んだ舞台は、銀行強盗だった。男は凶器を持っていない。人質もない。それどころかこの建物は銀行ではない。ただ男の迫真の演技によってのみ、赤と白と黒の観客たちは演劇『銀行強盗』を観ていた。

2012-03-12 22:59:34
銭喰 @zeniqui

#twnovel 人件費削減のため、幽霊を雇うことにした。しかし幽霊なので運搬など重いものを持つ仕事はできない。顧客対応などもっての他。というわけで、裏方として機械の操作を担当してもらうことにする。ひととおりジェットコースターの操作方法を指導すると、幽霊は少し意外そうな顔をした。

2012-03-13 08:09:14
銭喰 @zeniqui

#twnovel 絶対に成功する伝説の花屋さんでWD用のバラを買うと、オマケで球根もくれた。しかしなんと彼女の浮気が発覚。思い余ってバラで顔面を殴ると彼女は「目が、目がぁ」とのたうち回った。怖くなって逃げ出すと間男が追い掛けて来たが、球根をぶつけて逃走に成功した #twnvday

2012-03-14 08:33:11
銭喰 @zeniqui

#twnovel 妖しい怪しい奴が歩いていた。ふらつきながら暁を背に。駅に向かう疎らな人波を逆流する幽鬼の顔をした奴は、さながら遅刻してきた一鬼夜行といった風体。ふらりふらりと寒風に揺られて夢想するのは、白い御飯と白い布団。一人で百鬼夜行に成らんとするためか、夜勤に疲れ果てたのか

2012-03-16 07:20:45
銭喰 @zeniqui

#twnovel 深夜徘徊する座敷童を補導した。無理矢理連れて行くと不幸になるため任意同行を求める。「ちょっとよろしいですか」「ふむ、まあよかろう」以来、座敷童が居着いた交番の建物は増改築を繰り返し、今では立派な駅ビルとなった。一階の寂れた交番には、今も警官と座敷童がいるそうだ。

2012-03-16 07:45:58
銭喰 @zeniqui

#twnovel 唇が乾燥したのでスティックのりを取り出し、芯を出して唇にあてがうと「危ない!」と声を上げて見知らぬおじさんがスティックのりを弾き飛ばした。「口が開かなくなるところだったぞ!」「ありがとうございました」礼をいうとおじさんは「今度からこれを使え」と、ういろうをくれた

2012-03-16 13:29:23
銭喰 @zeniqui

「のどが乾いたよドラえも~ん」「しょうがないなぁのび太くんは…『どこでも蛇口』~」「どこでも蛇口?」「これをつけてハンドルを回すとその場所の水分を飲み水にして出すんだ」「へ~」「これをぼくの膝につけて」「えっ」ジャー「ハイどうぞ」「ど、ドラえもんそんなに膝に水が?」「ンフフ~」

2012-03-10 11:23:32
銭喰 @zeniqui

雪に埋もれてゆく私をどうか見つけて欲しい。春が近づいて溶けだす銀世界で探し出して欲しい。靴に冷水が入るかもしれない。雪を掻く指先は冷たいかもしれない。それでも銀野を踏み雪を掻いて、私を見つけて欲しい。私の名は蕗の薹。春の訪れを告げるもの。貴方の待つ春を呼び寄せるもの。 #書き出し

2012-03-10 14:02:30
銭喰 @zeniqui

「つけま」が吹っ飛んだ。脆い構造の「け」はバラバラになった。爆心地に近かった「つ」は回転して裏返った。「ま」に被害はなかったがすぐ近くを「け」の破片が飛んでいった。人々は「おめでたいが季節外れだ」と言い合った。吹っ飛んだ先で「つけま」は「ししまい」に姿を変えていた。 #書き出し

2012-03-12 07:45:37
銭喰 @zeniqui

波打ち際、古びた小瓶を見つけた。中は空。つまみ上げて辺りを見回すと同じような小瓶がたくさん打ち上げられている。一つだけ青い蓋がついて中身が残った小瓶があった。白い、雪のようなものが入った小瓶にはラベルも残っている。“salt”どうやらこれが、海がしょっぱい理由らしい。 #書き出し

2012-03-13 19:38:48
銭喰 @zeniqui

あなたを食べました。朝刊と一緒に投函されていた葉書には、憶えのない送り主とそんな言葉が踊っていた。誤配達か悪戯か。気味が悪いがこれ一通ではどうしようもない。万が一何かあった時のためにしばらく保存しておくことを決めて、戸棚の引き出しを開けると、同じ内容の 葉書が溢れ出た #書き出し

2012-03-14 07:32:00
銭喰 @zeniqui

RT @**: 作者急病のため、この物語は延期されました。 #この書き出しいかがですか  (※非公開アカウントのため加工しました)

2012-03-15 08:45:47
銭喰 @zeniqui

作者急病のため、この物語は延期されました。新連載は、謝罪文が1ページ掲載されたのみだった。何でも編集者が『面白い物語を思いつく薬』を作者に注入したところ、拒絶反応を起こして入院したそうだ。先行き不安な新人だ。ため息を吐き『物語が面白く感じる薬』を飲んでページを捲った。 #書き出し

2012-03-15 08:46:26