古本屋で買ったマルクスの本に一枚のチラシが・・・

深夜の謎ツイート第一弾。好奇心から調べていくうちに、1枚の紙の背後にある無数の物語を発見。
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こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

マルクス『経済学・哲学草稿』で思い出したけれど、去年古本屋で古くて日焼けしていたこの本を買ったとき、中に「ベトナム戦争をささえる安保をつぶせ!六月市民運動・・・べ平連」と書かれた手書きの紙が差し込まれていた・・・。思わず感動で唸ってしまった。

2010-06-07 01:47:27
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

古本って過去の持ち主の文章の線引きとか、過去からのメッセージが唐突に自分に訪れることがあってそういう経験が好きだな~。何か物語っぽいから。俺の屍を越えていけ!みたいな

2010-06-07 01:50:37
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

さっきの「ベトナム戦争をささえる安保をつぶせ!六月市民運動・・・べ平連」というツイートですが調べていくうちに面白いことがわかってきました。ここらあたりはもう歴史学部の史料批判ですかね

2010-06-07 02:06:58
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

詳しく書くと「<ベトナム戦争をささえる安保をつぶせ!六月市民行動>の相談会を行います。18日の反省、23日25日の準備の相談を行いたいと思います。ご参加くださるようおねがいします。時;6月21日(水)午後六時より」という内容でした

2010-06-07 02:09:43
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

「べ平連」は資料が豊富に揃っておりhttp://www.jca.apc.org/beheiren/nenindex.htmlにて当時の詳細が事細かにわかります。この紙がはさまっていたマルクスの『経済学・哲学草稿』は奥付を見ると昭和四十五年八月二十日第11刷と書かれています

2010-06-07 02:15:26
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

謎解きの気分だ・・・・、これから調べて過去を物語るぞ。この紙の背景を調べてやる一枚の紙から物語は始まる

2010-06-07 02:16:41
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

『経済学 哲学草稿』の冒頭にも書きこみがしてあり、そこには「71、10、5 読書会にて」と書かれていた。ここからこの本は1971年にかかれたものと思って間違いないだろう。しかし問題が残る

2010-06-07 02:19:36
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

もともとチラシの紙には年号が書かれておらず、本の購入年からはチラシの年号が特定できないからだ。しかし念入りにチラシを見ていた私は裏に連絡先が書かれているのに気づいた。「神楽坂ベ平連事務所」と

2010-06-07 02:21:58
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

そこで私はgoogleで「神楽坂べ平連 六月市民行動」と検索し、ネットの海を彷徨ううちhttp://www.jca.apc.org/beheiren/jikou-he.htmというサイトにたどりついた。ここでは同じ名称の運動が1972!年に行われたと書かれていた

2010-06-07 02:28:19
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

そしてさきほどのサイトの年表を見ていくうちに●「6月市民行動」主催「べトナム戦争を支える安保をつぶせ! 6・23市民デモ」。18時、清水谷→米大使館→東京駅。2,500名。という記述を発見した。これはチラシの内容に書かれていた23日の準備の相談のことではないか?

2010-06-07 02:31:21
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

仮説を補強するため1972年6月25日を調べてみると「6月市民行動」主催「相模原米軍補給廠をとめろ1一デモ」。13時半、児童公園→基地正門、300名。という記述を発見。ここまできてようやくこのチラシは1972年のものであることがわかったのだ!

2010-06-07 02:35:06
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

一枚のチラシを調べていくうちに当時の壮絶な様子がわかってくる。これが史料を読むということか・・・。さて、私が何故このツイートをしようと思ったかというとチラシに書かれている「18日の反省」という文章が気になったからです。これを2010年の私が読み解くのは可能か?という試みなのです

2010-06-07 02:40:07
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

少なくともチラシの中で「18日の反省」というこの文章だけが背後に何か物語を隠し持っていると思ったのです。1972年6月18日に何が起き、そこで反省を促すきっかけを作ったものとは何か?という問いです

2010-06-07 02:42:00
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

さて、1972年6月18日には2つの出来事が起こっている。1つが●「6月市民行動」主催「横田基地をとめろ!第4次行動」。12時、福生公園→横田基地→瑞穂町、250名参加。2つ目が●べ平連三沢集会。18時、三沢市民会館。100名。講師・小田実、小沢遼子、鶴見良行、吉川勇一。である

2010-06-07 02:45:57
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

なぜ、この2つに注目したのかというとチラシの中身が「18日の反省、23日、25日の準備」と並列的に置かれているからである。23日と25日が年表に載るほど大きな出来事だったのなら、前の18日も同程度の規模であったと考えていいはずだ。

2010-06-07 02:48:10
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

そこで、先ほどの二つ目の「べ平連三沢集会」という単語に注目する。開催場所は「三沢市民会館」場所を調べてみると青森県であった。ここでひとつのことがわかると思う。チラシには「18日の反省、23日25日の準備」と書かれた「21日」の集会についてのお知らせだったはずだ。

2010-06-07 02:52:34
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

よってこのチラシの内容は「19、20日」に見られることを想定している速度の早い伝達文書であったはずだ。今とは違いこのチラシはガリ版で手書きである。新宿の神楽坂で書かれたこの文章に青森県三沢市のことを18日の反省と書く要素はほとんど低い確率であると思われる

2010-06-07 02:56:05
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

よって、「18日の反省」というのは一つ目の「横田基地をとめろ!第4次行動」のことを指してる可能性が高い。ではここで何が起こったか?

2010-06-07 02:59:31
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

残念ながらこの事件に関しての資料は残っていない。ただ興味深いことがわかった。1972年6月18日の前日つまり17日にはある重大な事件が起こっていたのである。それは何か?

2010-06-07 03:02:06
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

それは第三次佐藤栄作首相の退陣というニュースと、ワシントンのウォーターゲー卜・ビル内の民主党全国委員会に盗聴器を仕掛けようと侵入した7人が逮捕されるというニュースである。もちろんこれは後のウォーターゲート事件につながる

2010-06-07 03:06:52
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

ベトナム戦争は1972年において既にアメリカでは支持を失っており、これより先ウォーターゲート事件が契機となりニクソンは退陣に追い込まれる。「べ平連」もこの時期同様の理由で活動が下火になっていたのではないか?という仮説が生まれる

2010-06-07 03:10:15
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

どういうことか?年表において1971年から1972年の同様の例会を調べると大規模なデモは除き定例会の人数が徐々に減っていくことがわかる。そして6月の参加人数は他の月よりも少なく特に6月18日は特に少ない。

2010-06-07 03:14:48
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

もともとが思いつきではじめた今回のツイート、「18日の反省」とは当時の状況では本当にただ単純に18日の事を振り返るだけだったのかもしれない。だがベトナム戦争が下火になるにつれて「ベ平連」の参加人数も少なくなっていったことも事実なのである。特に6月18日は。

2010-06-07 03:19:49
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

デモの参加人数の減少に関する反省という側面を、このチラシからひとつの可能性として取り出せるのではないかというのが今回の問題提起に関する私なりの一つの答えです。以上終了。

2010-06-07 03:22:17
こみー【暗中飛躍】 @ConGrazie

RT @HAMA0523 私は100年後や200年後の歴史学者を想う。彼らはその時も紙媒体の情報を相手にしているのかな。

2010-06-07 03:49:05