とやおの同題SS

とや@アカ移動しました @nigmam666

真夜中のコンビニで買えるくらい手軽な恋を選んできた。イージーな選択は一言で言うと“後腐れがない”それがいいと思っていたのに何て非常事態！全て手に入れたいと思う人がいるなんて！この動悸気付かれちゃいけない、僕は張り付く喉で彼の名を。「行きますよ、虎徹さん」<コンビニ>#同題ssTB

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二人の間に流れる空気は止まる事を知らない。ゆったりしたカーディガンを羽織り、テレビ番組に夢中な相棒を見やる。先程入れたコーヒーは少しぬるくなってきたかな？入れなおそうか、立ち上がる。黒髪がゆっくりと揺れた。差し出すマグに熱いコーヒーを注ぐのに言葉はいらない<沈黙>#同題ssTB

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朝から続く救出活動がやっと終わった。水平線に飲まれる様な高さの太陽。海越しにその姿を見つめていると、フェイスを脱いだ相棒が満足げな表情で俺に「おつかれさまです」を告げた。短くおう、と答える。隣の金髪が橙に飲まれ、一際黄金に輝く瞬間が綺麗だから好きなんだよな。＜金＞ #同題ssTB

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二人の間を引き裂くアラーム！唇まであともう1cmだったのに。「おお？ヒーローの出番かぁ？」僕の腕をすり抜けて彼は前だけ見て、走る！走る！走る！だから僕も後を追って走る。そして緑のスーツが金属音を鳴らして走る。いつまでも僕は走るんだ、その背中を見つめながら！<走る> #同題ssTB

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自分の力では出来ない事が多過ぎて僕は少し卑屈になっていた、いつまでも猫背がちに歩く癖が抜けなかった。でもそれは間違いで僕には出来る事も沢山あるんだと気付かされる。憧れの先輩が風を纏い乗せて行こうかという顔を見せる。「大丈夫です、僕も飛べます」僕の背中にも翼が＜空＞ #同題ssTB

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食事姿が好きだ。どんな時も彼はとても美味しそうに食べるから。真夜中限定のディナーでぎらつく瞳は飢えた獣のそれに似ていて、僕は惚けている間に首元を捕食される。食い込む犬歯が少し痛い。でもね僕もお腹が空くんです。鼠が猫を噛むよう兎だって虎を噛むと思いませんか？<食べる>#同題ssTB

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「好き嫌いはありません」貼り付いたような笑顔で僕は答える。僕はヒーローだから皆の憧れのヒーローでいなくては。でもね、あるんです。本当は一人で居るのが嫌いです、あなたの隣に居場所を見つけてしまったから、もう一人になるのがとても嫌なんです…内緒にして下さいね？＜蛇蝎＞ #同題ssTB

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ここからは何でもよく見える、この街のビル群も眠る事を知らないネオンも、それに負けないくらいの星空に一際輝くオリオンも。そしてこの部屋に向かって歩く彼の姿もよく見える。とても自慢の部屋だ。「遅かったですね」僕は彼がチャイムを鳴らす前に扉を開けるのがとても好き。＜窓＞ #同題ssTB

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至る所に酒！酒！酒！透明な液体が二人並んだ喉を鳴らす。俺がほろ酔いの頃へべれけになる相棒、今日はどんな顔を見せてくれるだろう？ああいつも通りの上機嫌。でも長い睫毛が震える。「信じられない…！こんな事で泣くなんて幸せすぎて泣くなんて」そして俺は肩を抱いた。＜鳴らす＞ #同題ssTB