第135回バンフーセミナー・谷崎重幸氏(東福岡高校総監督)講演

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たかやましんいち @shinichi_taka

これから本日行われた第135回バンフ―セミナー、谷崎重幸氏(東福岡高校ラグビー部総監督)の講演まとめを連投します。講演のテーマは「組織(チーム)創りは人創り 人財育成で大切なこと」。鬱陶しい方はリムるなりミュートするなりしてください。

2012-04-11 21:40:35
たかやましんいち @shinichi_taka

司会「東福岡高校ラグビー部は春の選抜大会三連覇、花園三連覇を達成した。今日はその指導について語っていただく。」谷崎「福岡では時々講演をするが、東京で公演するのは初めて。博多弁がつい出てしまい、話が通じないことがあるかもしれないがお許しを(笑)。」

2012-04-11 21:42:53
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「東福岡高校ラグビー部はこの三年間国内のチームに負けていない。ここまで勝てるようになったのは指導者の意識が変わったから。「俺についてこい。勝たせてやる。」という意識の時はなかなか勝てなかった。「勝たなくていい、楽しんでこい」というようになってから勝てるようになった。」

2012-04-11 21:45:07
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「私は大学卒業後すぐに東福岡の指導者となった。それまでに指導経験は全くなかった。学生時代の経験そのままにトップダウンの指導だった。指導三年目で花園に出場し、若手熱血監督としてメディアに取り上げられ、有頂天になってしまっていたと思う。」

2012-04-11 21:48:08
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「最初の転機は1988年,89年と二年連続で花園出場を逃したこと。三年連続で負けると、三年生は一度も花園を経験せずに卒業することになる、という危機感があった。しかも、福岡代表の指導もしなければならず、チームを離れることが多かった。」

2012-04-11 21:52:10
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「チームと離れている間、選手とコミュニケーションを取るため、選手との交換日記を始めた。口では厳しいことしか言えなかったが、文字では褒めることができるようになった。そして「福岡で勝てるチーム」から「九州で勝てるチーム」に躍進した。言葉の力を実感した。」

2012-04-11 21:54:15
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「二度目の転機は妻の死去。妻は38歳でがんになり、翌年亡くなった。それまで家庭を顧みずラグビーだけしてきた男が、急に三人の子供を育てることになった。とても仕事をしながらは無理なので、ラグビー指導の留学という名目で三年間休みをもらい、NZで子育てをした。」

2012-04-11 21:56:40
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「NZでのコーチング研修で、18歳以下の子供を指導する際には絶対に「Don't」と「No」という言葉を使うな、と言われた。子供が自分で考えて取った行動を否定すると、次から自発的な行動を起こさなくなる。人それぞれ個性があるのだから、「それは間違い」などと決めつけてはいけない。」

2012-04-11 22:00:13
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「NZでは常にチャレンジさせる。決して結果では評価しない。自分で判断したことを褒める。自分で判断するから時にはミスをする。ミスをしたことは自分が一番わかっているから、選手を責めずにいたわること。それが大人というもの。ただし、勝っている時は慢心を防ぐ為にたまには叱ってもよい。」

2012-04-11 22:03:33
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「このようなNZの指導を見て自分のこれまでの指導を反省した。それからは褒めるところを探してみんなの前で褒めるようにした。褒めるポイントもトライなどの個人技ではなく献身的なプレーを褒めるようにした。注意するときは個室などで一対一で。」

2012-04-11 22:05:34
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「失敗をさせないようにするのではなく、失敗を恐れないことが重要。失敗を恐れるから失敗する。失敗を恐れずに果敢にプレーすることが「楽しむ」ということ。」

2012-04-11 22:06:56
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「サニックスワールドユースという日本で開催されるラグビー大会に海外のチームも来る。日本のチームについての印象を聞くと、「日本人は勤勉で教えられたことは忠実に果たすが、自らの責任と判断では行動しない。」と誰もが口を揃える。スキルはあるが、それをどこでどう使うかが分かってない。」

2012-04-11 22:11:04
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「高校ラグビー花園大会には90年の歴史があるが、未だに全国どの高校にも平等にチャンスが与えられている。だが地方大会の一回戦で100対0というような試合がある。これは完全なミスマッチだし、一回戦で負けるチームは試合経験がほとんど積めない。三年間在籍して数試合しか公式戦が無い。」

2012-04-11 22:15:21
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「海外では実力別にクラス分けされていて、どんなチームも年間20試合程度経験できる。NZの人に日本の高校の大会のシステムの話をしたら、「80年以上もやってきてまだ誤りに気付かないのか?日本は20年以上もW杯で勝ててないじゃないか。」と言われた。」

2012-04-11 22:17:28
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「「花園大会は100回記念大会を目指して改革する」と言うが、それでは改革のスピードが遅い。NZの指導者が福岡に来た時に相撲の九州場所を見せた。すると二か月後の初場所にはスクラムコーチが日本に派遣されてきた。「相撲の立ち合いはスクラムに活かせる」と。スピード感が違う。」

2012-04-11 22:21:26
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「ラグビーにはノーサイドの精神がある。試合後は敵味方関係なくみんなラグビーファミリーである、という精神。ラグビーをやっていた、というと自分の実力に関係なくすぐに友達になれる。海外の人とも通じ合える。」

2012-04-11 22:25:29
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「ラグビーの練習では、常に負けている場面を想定して練習している。厳しい状況で平常心でいる訓練。具体的な厳しい場面を設定して練習する。厳しい場面を想定しながら練習するからだらだらと長くは出来ない。90分の練習で出し尽くす。練習というよりは試合の準備。」

2012-04-11 22:28:41
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「自分の意思で入ったラグビー部だから、ラグビーを心から楽しんでほしい。楽しむとは全身全霊をかけて打ち込むということ。ラグビーの試合だけでなく、練習や日常生活全てをしっかりやるということが大切。ラグビーが卒業後の人生の糧となるような指導をするよう心掛けている。」

2012-04-11 22:31:33
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「とにかく準備が大切。常に「段取り8割」と言っている。試合までの準備で結果の8割が決まるという意味。試合で鳴る笛も次への準備。ノックオンの笛はスクラムの準備、ボールがタッチラインを割ったらラインアウトの準備、ノーサイドの笛は次の試合への準備。」

2012-04-11 22:34:17
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「これまで4度日本一になっているが、チームとして「目指せ日本一」などという結果を示す言葉は掲げたことがない。「感謝」「愛」「心」などという言葉を掲げている。ラグビーのチームじゃないですね(笑)。」

2012-04-11 22:39:02
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「二度目の優勝の時のテーマは「愛」。選手それぞれがお互いのいいところを手紙に書いて贈りあった。それから練習でも罵声が無くなり、雰囲気がよくなった。」

2012-04-11 22:40:47
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「今は選手を心から信頼している。選手もラグビーを心から楽しんでいる。楽しんでいるからミスしても許せる。ミスしても許されるから「次は倍返しだ」と選手は頑張る。」

2012-04-11 22:42:41
たかやましんいち @shinichi_taka

谷崎「私もまだまだ勉強中。なので教える「教育」ではなく共に育つ「共育」だと思っている。」以上です。

2012-04-11 22:49:13
たかやましんいち @shinichi_taka

次回第136回バンフ―セミナーは2012年5月15日(火)19時から神保町にて。講師は (株)スイッチ代表取締役 鷹野雅弘氏。テーマは「あ、それ、今のPhotoshopならこうします!」です。参加無料。興味のある方はどうぞ。 http://t.co/jqZJmUxO

2012-04-11 22:52:00