茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【ミサイル問題と東アジア情勢】連続ツイート
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アリゾナ州ツーソン郊外、学会会場のホテルに戻ってきました。ハチドリが飛ぶ裏庭のベンチから、連続ツイート第563回をお届けします。本日は、先ほどの発射騒ぎがありましたが、それ以前から考えていた東アジア情勢について。
2012-04-13 09:23:59ひあ(1)昨日、ミサイル発射の警戒の中、仕事をしながら情報を手に入れようと滞在中のアリゾナ州ツーソンのホテルから、ニコ生につないだ。朝鮮中央テレビの放送をそのまま流していた。かつて、小学校の頃、モスクワ放送を聞いていたのを思い出して、独特の懐かしさがあった。
2012-04-13 09:25:38ひあ(2)朝鮮中央テレビというと、絶叫調のアナウンサーのニュースがすぐに思い浮かぶが、その他の番組は実は全く知らなかった。それが、ニコ生が流してくれたおかげで、軍人たちが出てくる妙なドラマを見ることができた。言葉はまったくワカラナイニダだけど、雰囲気は伝わってきた。
2012-04-13 09:27:18ひあ(3)それが、妙に惹きつけられる画面で、解析をしながら見入ってしまった。弾幕のコメントも盛り上がる。俳優から、なんとも言えない人間味がしみ出してくる。思うに、イデオロギーが支配する独裁国家においても、生身の人間というものは、必ず肉体性を持ってしまうものなのだろう。
2012-04-13 09:28:28ひあ(4)北朝鮮の政体については同情の余地は全くないが、そこに住む生身の人間たちには、同情を禁じ得ない。この度のミサイル失敗でも、責任をとらされる人たちがいるのだろう。ミサイル技術は難しいし、抑圧は決してよい結果をもたらさないが、そんなことが通じる相手だったら独裁などしていない。
2012-04-13 09:29:54ひあ(5)朝鮮中央テレビの妙に生々しいドラマを見たあと、眠ろうと横になっていたら、北朝鮮の政体移行でどんなシナリオがあり得るのかと気になった。核兵器を持った国の政体移行には、独特の難しさ、リスクがある。そのあたりを、アメリカのインテリジェンスはどう考えているのか。
2012-04-13 09:31:25ひあ(6)核保有国が政体移行した例としてソ連からロシアがあるが、あの時もさまざまなリスクがあったはずだ。北朝鮮の崩壊に伴うリスクは、それと比べものにならないくらい大きい。だから、イラクなどでは強制的な政体崩壊を迫ったアメリカも、北朝鮮に対しては慎重にならざるを得ない。
2012-04-13 09:32:38ひあ(7)それにしても、東アジアは、冷戦時代の「化石」のような北朝鮮がそのまま残り、中国は経済発展にもかかわらず特殊な政体を保ったままである。これからはアジアの時代だとは言われながら、地政学的なリスク要因は大きい。そんな地域に、私たちの国、日本はある。
2012-04-13 09:34:05ひあ(8)アジアにおいて、経済発展と民主化を遂げた国と言えば、日本、韓国、台湾がある。この三国がアジアの未来における希望である。そして、考えてみると、これらのどの国の歴史においても、アメリカの影響が決定的に重要であった。離れてアメリカからアジアを見ると、そのことが、実感される。
2012-04-13 09:35:31ひあ(9)第二次大戦中、戦後のさまざまがあっても、東アジア情勢を冷静に見れば、日本はアメリカを大切にするしかない。今回のミサイル発射も、独自の情報網、技術では対応できなかった。アメリカとの同盟関係を軸に、東アジア情勢に向き合うしかない。とりあえず私はアメリカのビールを飲む。
2012-04-13 09:37:28以上、学会のために滞在中のアリゾナ州ツーソンから、連続ツイート第563回「東アジア情勢を見ると、アメリカを大切にするしかない」をお送りしました。
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