原発震災アフォリズム11

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直立演人 @royterek

「現代におけるユートピアの観念とプログラムの真に現実的な政治的役割を心にとどめているものたちにとっては、「反ユートピア主義に反対」というスローガンこそが、最善の作業戦略となる」(フレデリック・ジェイムソン『未来の考古学―ユートピアという名の欲望』)

2012-02-08 01:46:42
直立演人 @royterek

良い飛躍と悪い飛躍がある。良い飛躍とは開かれた思考の産物であり、悪い飛躍とは硬直した思考の副産物である。

2012-03-05 02:18:51
直立演人 @royterek

イデオロギーと現実にギャップがあるように、イデオロギーとユートピアにもギャップがある。いかなる社会運動も、ユートピアとイデオギーと現実との間の弁証法的関係を避けて通れないのは言うまでもない。あらゆる社会運動にとって、この三つ巴の緊張関係を絶えず活性化させておくことが何より肝要だ。

2012-02-27 02:40:38
直立演人 @royterek

「思い込んだら、あとは早い」(春の力学)

2012-03-13 03:27:09
直立演人 @royterek

3・11にマラソンしようが何しようが一向にかまわないし、実際、自分も含めて(とくに地震で直接被害を被ったわけでない)多くの人々は、普段とさほど変わらない一日を送ることになるだろうし、むしろそれが自然なことだと思うが、そうした中でデモだけが槍玉に上がるのは不自然なことだとは感じる。

2012-03-04 02:38:47
直立演人 @royterek

追悼の不可能性についての思考は、追悼の不可欠性というか不可避性についての認識を逆に深めてくれるのかもしれない。

2012-03-07 04:52:57
直立演人 @royterek

誰が何をしようが3・11に変わりはない。

2012-03-11 03:36:11
直立演人 @royterek

一つのシナリオとして、原発の再稼働なしでこの夏を越すことは十分考えられる。仮にそうなった場合にあり得るシナリオは、それでもなお、政財界や電力会社が脱原発の意思を表明しないこと。原発は一つも稼働していないのに、脱原発の意思は一つも働かないという逆説的な状況。これは十分考えられる。

2012-03-04 03:00:43
直立演人 @royterek

政府や電力会社は「地元の意思を尊重する」と繰り返す。それが基本的に空手形に過ぎないことは歴史が証明している。沖縄県民の少なからぬ人々は米軍基地が沖縄に押し付けられ続けている状況に反対しているはずだが、地元の意思が尊重されたためしはない。いざとなれば地元民の意向は無視されるだろう。

2012-03-04 03:22:02
直立演人 @royterek

いかにも運動っぽくなってくると、どうしても一定層の拒絶反応を引き起こしてしまう。こうした層は、「運動」の主張に必ずしも反対しているとは限らない。このパラドクスをいかに克服すべきか。その解決とまではいかずとも、拒絶反応を和らげることに成功しさえすれば、「運動」は求心力を持ち得る。

2012-03-05 23:51:47
直立演人 @royterek

たとえば、もんじゅ君はぜんぜん運動家には見えないところが天才的だと思う。

2012-03-06 00:09:23
直立演人 @royterek

私の考えでは、原発問題の核心は、技術面でも運用面でもなく、それが徹底して欺瞞の上に成り立っていることにある。仮に欺瞞の入る隙も余地もない体制が再構築されたとして、それでもなお人々が原発に動いてもらわないと立ち行かないと判断するなら、その時は、社会に絶望して脱原発を引退するだろう。

2012-03-09 02:26:31
直立演人 @royterek

スロヴァキアの日本大使館にも務めた経験のある研究仲間が、スロヴァキアの原発事情について書く予定らしい。彼の話で示唆的だったのは、ヨーロッパの原発は、日本のように片田舎に押しやられるのではなく、都市部からそう遠くない場所にあるのが普通だということ。中には線路脇とかにもあるらしい。

2012-02-07 18:01:42
直立演人 @royterek

日本の原発が抱える根本的な問題はその距離感にある。私たちの生活は原発で作った電力にどっぷり浸かっているのに、その源の一つである原発が生活からあまりにも遠いために、原発という存在について具体的に想像することが限りなく難しい。このギャップを埋める必要があるが、想像力にも限界がある。

2012-02-07 18:10:15
直立演人 @royterek

脱原発にとっての最大の懸念は、原発の再稼働の動きが今後なし崩し的に広がって行くことだが、ここでは原発立地に暮らす地元住民の意向が鍵を握る。彼らが再稼働の阻止に向かうには、当然、原発なき後の暮らしの補償が最重要課題となる。脱原発はそうした問題についても積極的に提言できるのだろうか?

2012-03-11 13:59:23
直立演人 @royterek

原発を原理主義的に拒絶する言説は、まだ態度を決めかねている人、原発立地に暮らす人、原発なきエネルギー政策に不安を抱いている人、そうした人々の想いを踏みにじりたくない人、そうした言説を脅威と感じている人などには拒絶されてしまう。この逆説をいかに克服できるかにすべてはかかっている。

2012-03-11 13:40:18
直立演人 @royterek

原発への拘りが、(よく言われるように)電力需給の問題でない可能性が高いという認識が広く浸透していかない限り、たとえ段階的であれ、原発依存体制から脱却するのはなかなか難しいのだろう。原発問題はどこまでいっても歪み切った構造的な問題に尽きる。そうした問題の所在すら未だに隠されている。

2012-03-15 20:45:26
直立演人 @royterek

一人一人がしつこいぐらいの広告塔になって然るべきなのかもしれない。しつこ過ぎて人を遠ざけてしまわぬ程度に。

2012-03-13 03:38:12
直立演人 @royterek

東電の謝罪姿勢にまるで説得力がないのが謝罪の内容以前の問題であるというのは、たとえば、福島の被災者たちが東電本社を訪れた際に、文字通りの門前払いをしたことに端的に見て取れる。本当に誠意を示すのならば、少なくとも彼らを社内に迎え入れたはずである。トップが土下座すれば済む話ではない。

2012-03-21 12:15:11
直立演人 @royterek

ただちに影響はないという確認の積み重ねを通じて原発は日本全国に建てられ、その延長として福島の事故は起きた。にもかかわらず、ただちに影響はないという催眠的な思考停止が影響力を回復しつつあり、再稼働が強硬されようとしている。だが、世論的な反発が視覚化されない限り、強硬とすら言い難い。

2012-03-23 00:24:53
直立演人 @royterek

そもそも真夏のピーク時の電力不足がそんなにも怖いのなら、ピーク時だけ再稼働すればいい話ではないか。そんなことができないのは、それ以外の理由が原発の再稼働に踏み切ろうとする中心的な理由に他ならないからだろう。現存する原発を遊ばせておけば、電力会社も国も損をする一方になるのだろう。

2012-03-23 14:37:59
直立演人 @royterek

私が反発を覚えるのは、電力会社と国による論理のすり替えというか、本来的な説明が隠蔽されている点。「この夏は節電をがんばれば原発なしでも電力は足りるかもしれませんが、一方で、再稼働しないと電力会社と国の債務がかさんで財政的に逼迫するので、やむを得ず再稼働します」とか言えばいいのに。

2012-03-23 14:46:31
直立演人 @royterek

ほぼすべての原発が停まったことが私達にもたらした認識上の変化は、大多数の原発が停止したことによる危機感の高まりというよりは、これだけの原発が停まっても案外なんとかやっていけるじゃないかという驚きと安堵感の方が大きかったと思う。この認識の変化をいかに社会全体に浸透させ得るかだろう。

2012-03-29 15:53:35
直立演人 @royterek

自分が死んだ後も原発が動き続けると思ったら、なかなか死ねない。世界から悪や哀しみの種をなくすことはできないが、やろうと思えば必ずやなくせるはずのものが未来永劫なくならないかもしれないという思いと折り合いをつけることはとても難しい。かといって、他の不幸のことを忘れるわけではないが。

2012-03-29 21:48:13
直立演人 @royterek

「政府や東電は三十~四十年後に廃炉を実現する計画」とのことだが、その時には現在の政策決定者や責任者のほとんどはもうこの世にいない。自分もそれまで生きているかわからない。ということは、仮に全原発の廃炉が決定されても、今すでに成人している人のほとんどはそれを見届けられないことになる。

2012-03-31 02:12:48