2012-05 Twitter 140字で作文(BL仕様)
駅にいる猫に会うのが僕の楽しみだ。にゃー。鳴き声のする方へ行くと男性の膝の上にいた猫が顔をあげた。「毎朝あなたに会いにきていたのですね」「君の猫?」「ええ、通りで懐くはずだ」「え?」「家にきませんか?」喉をくすぐられ気持ちよさそうな猫が羨ましい。「はい」僕は彼の誘いに快く頷いた。
2012-05-01 07:08:21「胸が痛い」「お前な…」まさか大人しい彼が病院へ俺の診察を受けにくるとは思わなかった。「誕生日でしょ、急患が入ったら会えないと思って顔見に来たんだ」愛されるのは嬉しいがこれは困った。「治療より調教が必要だな。俺の家に入院するか?」いいながら鍵を渡すと彼は嬉しいと俺に抱きついた。
2012-05-02 05:31:10「長袖にしろ。部屋から出さないぞ」「暑いから嫌」折角従兄がくるのに服装の事で僕達は喧嘩していた。「肌の露出は許さん。あいつは危険だ」「どう危険なの?」「逆をいえばこういう事だ」いうなり彼がシャツのボタンを多めに開けた。色っぽい彼に僕が頬を染めた瞬間、玄関のインターフォンが鳴った。
2012-05-07 03:22:29僕達は海辺で海亀の産卵を見ていた。「卵、無事に孵るかな」「また見に来るか?但し辛い場面もあるぞ」「大丈夫」僕が手を握ると彼が微笑んだ。「強いんだな」「そんなことないよ。君と一緒だから平気なだけ」「なら、ずっと一緒にいるか?」「うん、約束する」小さく頷いた僕の顎を彼が摘みあげた。
2012-05-08 04:09:23駅でゆで卵を食べる彼を見かけ、変わった人だと観察を続けているうちに僕は恋に落ちた。「好きです」勢い余って告白した僕に、彼は卵をくれた。所在無く卵を食べ始めると小動物みたいで可愛いと女子高生に写真を撮られた。「でしょ?餌に食いつくの待ってたんだ」と僕を抱き寄せ、彼が笑った。
2012-05-09 03:23:22プラネタリウム上映中に彼が僕の手に触れた。「上映終了後でも輝いている星を見つけてごらん」耳元で彼が囁いた。「それは君だとか恥ずかしいこと言うんだろ」上映が終了し室内が明るくなる。僕は自分の手を見て固まった。「これ…」「そういうこと」微笑んだ彼が僕の指にはめた指輪にキスをした。
2012-05-10 03:26:49高架下で僕は泣きながら彼と指輪を探した。彼に申し訳なくて僕は涙が止まらなかった。「わざとじゃないんだから落ち込むなよ」なぐさめられる度に僕は意地になった。「そういう問題じゃない」「ムキになられるとがっちり捕まえたみたいで嬉しいな」抱き込まれ下を向いた僕は彼の足元に指輪を見つけた。
2012-05-11 04:42:22悪戯好きな彼に手紙で地元の遊園地を指定された。大人しく門の前にいる人じゃないし彼は携帯電話を持っていない。園内に迷子のお知らせが流れると彼が走ってきた。「恥ずかしい!探せよ」童心に返って遊びたかったとむくれた彼を引き寄せる。「大人の時間が減るでしょ」僕が囁くと彼が真っ赤になった。
2012-05-14 04:16:42僕は遊歩道を歩きながら出張中の彼に電話をした。「何の星が見える?」『お前がいる所と大して変わらないだろ?』「それでも計算してそっち向いて、一緒に見たい」『相変わらずロマンチストだな。俺はお前に触れたいんだがな』「え?」吐息を感じ振り返った僕は、ただいまと、彼に抱きしめられた。
2012-05-15 04:15:28「君」映画館で男に呼び止められた僕は顎を摘まれ、彼と見つめあった。そっと男の顔が近づく。やっぱりといわれ、僕の喉がごくりと鳴った。映画みたいな事ってあるんだと目をぎゅっとつぶると頬を指で撫でられた。「マヨネーズついてる。可愛いな」ふっと笑った彼が拭った指先をぺろりと舐めた。
2012-05-16 03:31:40「本物が見たかったな」吐息と共に僕はいった。「プラネタリウムにくる時間を作るだけでも大変だったんだぞ」「んー」彼の肩にもたれ横顔を見つめた。彼のいう通り、こうしてゆっくり会うのも久しぶりだ。「何もさ、毎回最高じゃなくてもいいよね」僕は、何いっているんだと振り返った彼の唇を奪った。
2012-05-17 04:14:38マンションの住民は屋上菜園が使える。僕が小さな蜜柑の木に初めて成った実を見ていると彼がきた。「刺があるだろ?気をつけろよ」「これは刺なしなんだ」「甘い実はお前が守るのか」「ネット張ったりして工夫するよ」意気込んだ僕の髪を撫でた彼が「守るって案外大変だぞ」と静かに呟いた。
2012-05-18 03:25:34