上ホロカメットク山で遭遇した不思議な話

眠れない夜につぶやいた小話。 (最後のツイートで山の名前を間違えたのですが、そのまま掲載します。)
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可児 (Kanimaster) @kanimaster

@uryaki お話してあげるから、もう寝なさい。

2012-05-01 03:09:38
可児 (Kanimaster) @kanimaster

@uryaki 昔、僕が大雪山系の山に登ったときの話。

2012-05-01 03:13:21
可児 (Kanimaster) @kanimaster

7月の上旬、富良野の街には春の花が咲いていた。でも、山の上のほうにはまだ雪が残っている。そんな時期のお話。

2012-05-01 03:15:43
可児 (Kanimaster) @kanimaster

天候に恵まれず、ガスで視界は悪かった。でも、登山口から山頂へ登ってぐるっと回って降りて来るコースだから、道に迷う心配はない。僕は決行することに決めた。

2012-05-01 03:19:50
可児 (Kanimaster) @kanimaster

途中までは学生のパーティと一緒だった。その後、彼らと別れ、僕は一人山頂を目指した。やっとたどり着いた山頂で、一人の女の人と出会った。

2012-05-01 03:22:36
可児 (Kanimaster) @kanimaster

僕は山頂でコーヒーを沸かし、彼女と一緒に飲んだ。山では誰でも多少人懐こくなるのである。しばらく山の話などして、最後に名刺を交換した。

2012-05-01 03:25:48
可児 (Kanimaster) @kanimaster

おにぎりも一つ彼女にあげたのを覚えている。富良野ユースのペアレントが作ってくれたものだ。

2012-05-01 03:27:50
可児 (Kanimaster) @kanimaster

逆方向から登ってきた彼女と別れ、僕は下山した。ところが、登山口の小屋で、女性に山頂で会った話をすると、小屋番の男は、そんな女は今日入山していないと言う。

2012-05-01 03:31:15
可児 (Kanimaster) @kanimaster

小屋番の男は言った。 「それ、狐ですよ」

2012-05-01 03:32:43
可児 (Kanimaster) @kanimaster

女は逆方向から登ってきた、と述べた。つまり、この登山口から登ってきたのは間違いない。なのに、小屋番がそれを知らないというのは考えられない。彼女は一体どこから来たのか。

2012-05-01 03:35:36
可児 (Kanimaster) @kanimaster

よくわからないまま、僕は下山した。ユースに戻る頃にはそんな小さな事件のことも忘れてしまった。思い出したのは、東京に帰ってからのことだった。

2012-05-01 03:38:16
可児 (Kanimaster) @kanimaster

山頂の女性と名刺を交換したではないか。しかし、名刺入れの中から出てきたのは一枚の葉っぱだった。

2012-05-01 03:40:28
可児 (Kanimaster) @kanimaster

これは十勝岳連峰、上ホロカメトック山に登ったときのお話です。おしまい

2012-05-01 03:42:06