スレイヤーズ☆企画お題作品集 実家+屋根裏部屋+魔道書=?

雑談から同じお題でスレイヤーズの作品を競作してみようという企画が持ち上がりました。 詳しい経緯はこちらをご覧下さい。 「屋根裏から愛をこめて~リナの実家と魔道書考察  http://togetter.com/li/30203 続きを読む
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@73GB

(1)埃をかぶった本の山。転がるマジックアイテムとぬいぐるみと。大好きだった、あたしの隠れ家。分厚い本の中でも一際薄い本を手に取り、窓辺で軽く埃を払うと本を広げて寝そべった。 [スレイ用に引っ越しました]

2010-06-29 00:28:59
@73GB

(2)優しいタッチで描かれたイラストと豪快に書き殴られたラクガキ、そしてちょっとだけメモ。幼児向けにイラストを多用して精霊魔法を解いた絵本。 [スレイ用に引っ越しました]

2010-06-29 00:29:05
@73GB

(3)誰か素敵なオチをください。 [スレイ用に引っ越しました]

2010-06-29 00:29:27
れい @rei_ituki

@73GB (4)そうそう、次々と出てくるあたらしい魔法にどきどきしながらページをめくってたわよね。幼い頃の自分が懐かしくて、くす、と笑ってしまった。ゆったりと流れる時間には、紙が柔らかく折れる音、ちりちりと可愛い秋の虫の声。それと・・・穏やかな寝息。

2010-06-29 13:01:46
れい @rei_ituki

@73GB (5)ふと隣を見ると、高い背をもてあまして転がっていたガウリイがすっかり眠り込んでいた。屋根裏は狭いわよと忠告したのに、なんだかんだ言いながら隣にひっついていたのだ。どーりで静かだと思ったわ。くすくす笑って、あたしはくらげさんのぬいるぐみを抱きしめた。

2010-06-29 13:03:31
れい @rei_ituki

@73GB (6)ふわぁ、と、あくび。帰郷の旅の疲れが出たか、はたまたガウリイにつられてしまったか。色あざやかな魔道書はまだ途中だけど、まあ、いっか。今日はこのまま寝てしまおう。窓からの柔らかな月灯りに包まれて、あたしはガウリイの隣にころんと寝転んだ。・・・おやすみなさい。(完)

2010-06-29 13:08:28
@73GB

[1] 8 years ago... 「リーナっ!また、ルナに負けたのか?」「父ち・・・ゃん・・・?」屋根裏に続くハシゴから父ちゃんが突然ひょこりと顔を出し、あたしは慌てて涙を拭った。 [スレイ用に引っ越しました]

2010-06-29 14:40:33
@73GB

[2] 「お前が泣いてる時は屋根裏の窓が閉まってる、だろ?」「っ・・・なん・・・で知ってんの・・・さ・・・」「ルナが心配してる。落ち着いたら降りて来いよー。」言い終わらないうちに父ちゃんは戻って行った。 [スレイ用に引っ越しました]

2010-06-29 14:40:38
@73GB

[3] 少し間をあけて姉ちゃんの声。(こっそり!それとなくって言ったじゃない!私の名前、堂々と出してどーすんのっ!)さっきまで悔しくて泣いてたはずなのに、自然と笑いがこぼれる。-カタンッ 窓を開け放ち、あたしは階下へ飛び降りた! [スレイ用に引っ越しました]

2010-06-29 14:40:43
れい @rei_ituki

(7:おまけ)「もぉなんで拗ねんのよ。ぬいぐるみ抱っこするのなんてフツーでしょ!」「オレのことだってくらげって呼ぶくせに・・・」「あっちは小っさい頃からの付き合いなの!それに、あ、あんたとひっついたら暑苦しいじゃない!」「明け方、寒がってくっついてきたんだぞ、お前さん」「え!?」

2010-06-29 15:08:57
れい @rei_ituki

(8:おまけ)「背中だけど」「ま、紛らわしいっ!窮屈なんだから背中くらいくっつくわー!」「じゃ窮屈だからくっついて寝直そうぜ。まだ早いし。ほら」「何がほらよっ!?はーなーせー!」「うん、あったかいなー。オヤスミ」「ちょおっとぉぉー!?」 インバース家、末娘帰宅の翌朝の出来事。

2010-06-29 15:10:25
相模水門@丙提督 @sagamina

今配達なう。移動中に浮かんだ。ダッシュ上げのため、かなり本能のまま。もしネタかぶりなどありましたら、本当に申し訳ありません。

2010-07-09 17:25:44
相模水門@丙提督 @sagamina

1.小さく、本当に小さく、自分の名を呼ばれた気がした。月明かりが冴え冴えと寝室を照らす。いつもなら眠っている時間に目覚められた嬉しさも重なって、すっかり目が冴えた少年は、音をたてぬように起き上がり、声の主を探した。

2010-07-09 17:26:04
相模水門@丙提督 @sagamina

2.「おい、ガウリイ。こっちこっち…」天井から聞こえた小さな声に仰ぎ見れば、隣に寝ていたはずの兄がそこにいた。目を丸くして自分を見つめ続ける弟に、兄は自ら立て掛けた梯子を指さした後、親指をくいと上に動かし促した。兄の意を理解した弟は、音をたてぬよう慎重に梯子を登った。

2010-07-09 17:26:19
相模水門@丙提督 @sagamina

3.静かに…と兄が身振りで示したあと、ちょいちょい、と手を動かした。どうやらこちらにこい、ということらしい。弟は足音を忍ばせてゆっくり移動した。ようやく兄の隣に立ち、小声で話しかける。「兄さん…じゃなかった兄上…ッテ」どうやら慣れない呼び名で舌を噛んだらしい。

2010-07-09 17:26:40
相模水門@丙提督 @sagamina

4.兄は笑いを噛み殺しながら弟の頭をわしわしと撫でた。見事な金髪が、月の光を反射して柔らかく輝く。「みんないないから、いつも通りでいいぞ」そう言うと、弟はそれはもう満面の笑みでこちらを見上げる。兄は顎を上に上げ「月が、さ」とだけ言った。

2010-07-09 17:27:07
相模水門@丙提督 @sagamina

5.視線の先には小さな明かりとりの窓。そこいっぱいに銀色の月があった。…兄弟揃って見上げ続ける。時間を忘れて。「なんでかわかんないけど、お前と見たいなって思ったんだよな。なんでだろな」しばらくして兄がようやくそれだけを言った。弟は意味などわからぬまま、ただ嬉しくて頷いた。

2010-07-09 17:27:25
相模水門@丙提督 @sagamina

6.「…リイ、…ウリイ」兄と一緒に見上げる月がぼやけ、天から聞き慣れた声がする、ような気がする。気付けば隣にいた兄はおらず、一緒にいたはずの祖母の家の屋根裏も、輪郭がぼやけ、(ああ、夢か…)と静かに自覚した。……そして頭に衝撃が来た。 すぱこ~~~んっ!!

2010-07-09 17:27:43
相模水門@丙提督 @sagamina

7.「ガウリイっ! いつまで寝てんのよっ!」声の主は言わずもがな、旅兼人生の相棒だった。…人生の、のくだりは彼自身、これからの要努力項目であるのだが。いつもの怒涛のようなツッコミとスリッパの一撃が来るだろうと身構えていたのだが、彼女はなかなか攻撃を再開しなかった。

2010-07-09 17:28:08
相模水門@丙提督 @sagamina

8.彼女は暫し黙って彼を見つめ、やがてゆっくり手を伸ばし、彼の頭をわしわしと撫でた。普段彼が彼女にするように。瞬間、思い出した。これは、かつて、兄が自分にしてくれたことだったんだと。そして気付いた。自らの頬に残る涙の跡に。

2010-07-09 17:28:24
相模水門@丙提督 @sagamina

9.リナの実家の屋根裏、そこは彼の心の拠り所だった祖母の家の屋根裏と同じ、暖かな空気に満ちていた。今、分かった。あの時自分を見た兄の穏やかな光。あれは最期に自分を見ていた兄の瞳にもあった光ではなかったか。……そして彼は決意した。……エルメキアに。リナと一緒に。

2010-07-09 17:28:51
相模水門@丙提督 @sagamina

@whitepawns ガウリイ兄弟話で暴走しました。原案ありがとうございます!! QT @whitepawns: @tachik_k @sagamina 親の目盗んでこっそり兄弟で屋根裏部屋で遊んだり。ガウリイにとっては屋根裏部屋も切ない思い出のような気が。エドとアルのような

2010-07-09 17:29:22