早起きは三文の得と言った奴は誰だ、叩き斬ってやろう。木刀ではなく真剣の刃を背後から向けた銀髪へ問い掛ける。「何の真似だ、テメェ」「……嗅ぎ慣れた血の匂いがしたから。つい、な」路地に僅かながら差し込む朝日で、銀と緋色がキラキラと煌めく。立派な鼻をだなと笑いつつ、黒に滲む赤を隠した。
2012-05-07 21:46:26珍しく早起きをしたのは、単純に眠れなかったから。その理由も単純で、昨夜土方に言われた言葉が刃になって突き刺さったままだからだ。痛いくせに、それはキラキラ光っているようにも思う。「好きなんて言われたの何年ぶり…」一人の台所に、その言葉は落ちて転がって朝日にまぶしく光っているようだ。
2012-05-07 21:44:09早起きして朝飯を作っていると思い出す。出刃の角でじゃがいもの芽を除ける時とかは特に。いい匂いに目を覚ますと、もう出来ますから顔を洗って、と先生は楽しそうだった。「だからこういう時は気ぃ効かせて寝坊しとけよ」まっすぐな前髪に水滴がキラキラ。ちゃんと拭いとけ、と手を伸ばして届く幸せ。
2012-05-07 21:22:17キラキラ光る風景。自分を呼ぶ声。懐かしい顔。手を伸ばした瞬間、光は白刃の閃きに、辺りは戦場へ変わった。衝撃が走る。「…大丈夫か」ベッドの上から土方が覗き込んでいた。ぺたりと頬に触れる。本物。怪訝な顔に曖昧に笑った。「…たまには早起きをね」形は変われど今も俺は。守り、守られている。
2012-05-07 21:18:35珍しく早起きをしたから、と散歩がてら真選組屯所まで足を運ぶ。そっと中を覗くと、庭先で土方が真剣を振っていた。「やっぱり、竹刀じゃねェんだな」研ぎ澄まされた刃は太陽に反射してキラキラと光っている。「俺ァ、お前には変わらないでいてほしいよ」あまりにも真っ直ぐに輝くそれは、眩しすぎた。
2012-05-07 16:51:15朝早く目が覚めた、周りを見渡し屯所に来た事を思い出す。何気に見た襖からチカリと漏れる光、襖を開けると刀を抜きその刃を持ち眼を瞑っている土方。眼が開き動き出す、素振りかと思った、が、いたずら心で木刀を持ち前に立つとキラキラと眼を輝かせる。その顔を見てホント喧嘩が好きだなぁと笑った
2012-05-07 01:44:54眼が覚めたついでに散歩がてら河原へ足を向ける。朝の光を受けキラキラ波打つ水面を眺めていると、刃の様に研ぎ澄まされた視線が刺さる。「お前、朝帰りか?」「違ぇよ!早起きしたんだっつの」「へぇ、珍しいな」「うっせ」眼を丸くして驚くそんな顔が見れるなら、早起きしてみるのも悪くねぇかもな。
2012-05-06 22:18:17明けゆく宵闇。キラキラと光を湛える明星に、抜き身の白刃を翳す。帯刀を許された自分と、得物を変えてでも侍で在り続ける万事屋。俺は、政情が正しいとは思わない。だが、この世界の中でお前が生きているのなら。早起きな鳥の囀りに乗せ、空へ想いを捧げよう。「……よし」今日も一日、江戸へ平和を。
2012-05-06 02:50:55「げ」早起きの眠さのせいか。包丁の刃が滑り、芋と一緒に指が剥けた。滲む血に溜息吐きつつ、料理を中断して絆創膏を探す。出かけようと言ったのは土方。弁当作りは俺が勝手にやってるだけ。似合わない事を、と思う。けど。「はは」不格好な応急処置に自分で笑う。多分こんな事も、いつかキラキラと。
2012-05-05 21:36:55【第十三回お題配信】@totuki777さんより『早起き』『刃』『キラキラ』を使って、似てる土銀140文字作文を書いてください。http://t.co/s7e7A3no ※作品提出締め切りは5/7(月)22:00までです。みなさまの参加お待ちしております
2012-05-05 20:54:01