【第二十回お題配信】@blacxweet_140さんより、「文中に『背筋』を入れて【焦がれる】をイメージした土銀140文字SSを書いて下さい。」http://t.co/WVrXrGsA ※提出期限は5/25(金)22:00までです。
2012-05-23 00:15:15クーラー無し、扇風機修理中、団扇タンスのどこへやら。せめてと戸や窓を開け放ち、暑さに独り、ソファで瀕死。パフェ食いたい。氷食いたい。最期にあいつに会いたかった。そんな夢想の最中、おい、と不法侵入者の声がしたので背筋使って飛び起きた。いやいや、待ちに待ったは財布だけじゃねーですよ?
2012-05-23 07:49:54暗く厚い雲に覆われた空の中、ターミナルの灯りだけが下界の喧騒も知らず、静かに息づくように瞬いていた。光の鼓動に誘われて夏の日の虫のごとき男たちが寄り集まる。待ち受けるのは闇の色を纏った焼きつくす炎。見慣れた姿を小さな箱の中に見た。背筋を丸めてグラスを手に取り、苦い酒に唇を寄せる。
2012-05-23 12:59:30銀時が自分で帯を解き服を脱ぐ露わになった白磁の背中。ピンと伸びた背筋に残る真新しい傷跡、それに触れる「どうした?」そう聞かれる「別に」返答すると「変な奴」そう笑う。傷が増えてるのを見るたび空白の時間が嫌になる。でもそれと同時にお前の魂を思い出しまた焦がれる。そうお前の魂は俺の理想
2012-05-24 20:49:53冷え固まった握り飯に唾が湧く。暫く忘れていた感情だ。生きたい。生きるために、欲しい。誰かの屍を漁ってでも。「万事屋?」呼ばれて、ぞくりと背筋が寒くなる。「顔色悪ぃぞ、飯も食えないほど貧乏なのか?」頬に触れる指を、覗き込む目を。「三食卵掛けご飯で満腹だよ」充分足りてる、はずなのに。
2012-05-25 02:17:27何処にいても視界に入る真っ黒な髪とピンと伸びた背筋、手本のようにカッチリ着込まれた隊服。その上着の釦を後ろから外すと、スカーフを緩めてベストとシャツを開けさせ、現れた肩口に舌を這わす。均整の取れた無駄の無い綺麗な背中に爪を立て、うっすら血の滲んだその跡に確認の証。まだ足りない…。
2012-05-25 03:09:43前しか見ていない土方はきっと気づかない。仕事となると俺のことなんかそっちのけで前のめりに走っていく。そんな男だからこそ、いざという時はけして裏切らないのだろう。真選組も、そう信じている俺も。真っ直ぐに在る、向日葵のような背筋。小さくなるまで見送る俺を、お前は知らないままでいい。
2012-05-25 09:15:37目に入るのはいつも後ろ姿。普段はだらりとしていても、闘いの時の力強さにはっとする。その背に負うは仲間か、友か、家族か――それとも。伸びた背筋に鮮烈な過去と破天荒な現在が見えて。預け合う未来を望みながら今日も刀を抜く。いつまでも追ってやる。だからてめぇは、走り続けろ。
2012-05-25 13:21:41街にふわふわと浮かんでは消える銀髪。猫背のくせに、曲がらぬ芯の通った背筋。気付けば、万事屋の姿を目で追っていた。何か明確な始まりがあったわけじゃねえ。だが、自覚した途端、心が急速に惹かれていく。真っ逆さまに墜ちるようで、歯止めが効かない。焦がれちまって、もうどうしようもねえんだ…
2012-05-25 14:15:30高い空にピーッと笛の音が響く。よーいドンと走り出す、隣で華麗にスタートを切るのはいつもお前の方だった。真っ直ぐに伸びるトラックを、ピンと伸ばした背筋で思い切り駆け抜ける。きっと俺なんか目に入っちゃいまい。お前が振り向く日が楽しみだ。だから追い掛けよう。今は只管に走れ、走れ、走れ!
2012-05-25 15:37:56「背筋曲がってんぞー」ぱしんと叩かれた。「なーにビビってんだよ」空気を読まずへらへら笑う銀八を睨む。怖くないわけではないが、どちらかと言えばこれは武者震いに近い。竹刀を握る手に力が入る。「絶対、勝ちます」「おう、頑張れ」あと一勝で、俺はあの頃のアンタと同じ場所に立てるのだから。
2012-05-25 16:54:01確か今日のはず。文が苦手なあいつの寄越した文はやはり下手くそで。滲みや掠れが酷かった。筆を止めては考え、あーだこうだ悩み、頭を掻きむしり、気分を変えるために煙草を吸う姿が浮かぶ文。体を手摺に掛けて町を見下ろしていると黒い物体発見。背筋をしゃきっと伸ばして。「おせーよ」「わりい」
2012-05-25 17:35:32腐るほど見てる顔なのに、思い出そうとして出てくるのは決まってそのすん、と伸びた背筋だ。どうして、と思うが、道理だとも思う。そのまっすぐさを、愛おしいと思えるようになったのはいつからだろう。「土方」呼ぶけれど、振り返るな、と懸命に祈る。
2012-05-25 22:00:06