- goripon748r
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ちょうど4年くらい前からだろうか、自分が癌になり、少しずつ手足の力が入らなくなっていって、呼吸をするのも苦しくなり視界がぼやけてくるという夢を時々見るようになった。その夢の中で僕は決まって、自分の手足が細くなってくのを見ながら、あっという間だなあと呟く。
2012-06-03 08:54:42僕は父親が癌で死んでいるのもあるだろうけど、アスリートという職業は自分の体の変化を敏感に感じ取っていて、自分の体がどうなっているかをいつも観察している。思えばその時から少しずつ自分の体に衰えを感じていたからそれに対しての恐れがそういう夢を見させたのかもしれない。
2012-06-03 08:57:49自分の体が老いつつあるというのを感じてから、ものすごくデイケアだったり、アメリカでの高齢者へのサービスに興味を持つようになった。人は皆老いる。その老いと皆それぞれの向き合い方をしていて、そこにすごく興味を持つようになった。
2012-06-03 09:04:01僕もアスリートだったから右肩上がりでない目標設定というのを考えられなかった。でも、自分の体が老いるという事は、そういうものが成り立たなくなるという事で、じゃあ一体自分は何を目指せばいいんだという事になる。その悩みの中で自分の競技観が大きく変わった。
2012-06-03 09:09:27サンディエゴに90歳のハイジャンパーがいるのだけれど、彼は65歳から競技を始めたそうで、毎日マットによたよた走り込んではパタンと倒れ込み、背面跳びとも倒れ込みとも言えないジャンプを繰り返す。それをぼんやり眺めながらすごいものを見ているんじゃないかという気分になった事があった
2012-06-03 09:11:50毎日を一生懸命に生きる事しかないとふとそう感じて、この1年五輪を目指してというよりも今日できる精一杯をというつもりでやってきた。日本選手権に向けて戦略的に向かってきたというよりは、毎日の一生懸命を積み重ねてここにようやく辿り着いたという方が近いと思う。
2012-06-03 09:14:05【終わり】人間1年間日々を一生懸命に生きていると、終わりに近づけば妙な清々しさが出てきて、今は日本選手権で力を出し切りたいなという思いだけでいる。その年にはその年なりの世界観があって、そういうものを学べた点でも、25年間競技をやってきてよかったなと思っている。
2012-06-03 09:24:53