編集可能

殺っちゃん

個人的に後で読んでニヤニヤする用まとめ (ご自由に追加してください)
8

今日も哀しいさっちゃん劇場の幕が上がる

~ 第一部 ~

ハットさん @hatt_san

さっちゃんはね、さちこって言うんだ本当はね。だけどちょっとしたお世辞を真に受けて地下アイドルなんかになっちゃって、気付いたらもう28歳とかリアルにいい年ぶっこきながら、夜中に薄暗い6畳間のアパートで、曲がり角を過ぎた肌に必死に化粧水を塗りこんでるんだ。おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 12:46:05
ハットさん @hatt_san

さっちゃんはね、さちこって言うんだ本当はね。だけど32歳を過ぎた今、地下アイドルでの収入ではもう暮らしていくのも限界で、週に4回人妻系デリヘルで、脂ぎった知らない男のチンコを擦ったり咥えたりしているよ。おかしいね、貴美子(29)。

2012-06-08 12:52:10
ハットさん @hatt_san

さっちゃんはね、さちこっていうんだ本当はね。だけど、さちこと呼んでくれる人はもうどこにもいない。貴美子として、時には美枝として、知らない男に抱かれて生きる毎日。私はもうこんな生き方しか出来ない。それでも熟女系として、何とかやれてる私は幸せなのかもね…。おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 12:57:18
ハットさん @hatt_san

さっちゃんはね、さちこって言うんだ本当はね。その名前を知っている人は、もういない。彼女は、6畳間のボロアパートでひとり、永い永い眠りについた。彼女がひっそりと旅立ったことに、一体誰が気付いてくれるのか。それすらも、それすらも、わからないのだ。おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 13:00:21
サイ / 三原卓也 @rhinoeye

さっちゃんはね。半ば白骨化した状態で見つかったんだ。その手には、彼女が愛したあのボーカリストのイニシャルがはいった、使い込まれたピックが握られていた。さっちゃんは死んでからも、彼の名を叫びつづけていたんだね。私が愛したのはあのひと。私を殺したのはあのひと。哀しいね、さっちゃん。

2012-06-08 13:30:58

~ 第二部 ~

ハットさん @hatt_san

さっちゃんはね、さちこっていうんだ本当はね。だけどちっちゃい頃から硝煙と腐臭にまみれたこのクソッタレな街で、生きるために盗みを覚え、生きるために銃を手に取り、生きるために何百もの人を殺し、付いた呼び名は『殺人姫』だ。そんなお前の名前が『幸子』?はは、おかしいね、さっちゃん?

2012-06-08 15:58:32
ハットさん @hatt_san

さっちゃんはね、さちこっていうんだ本当はね。だけどこんなクソッタレな世界で、例えシリアルキラーと怖れられても、たった一人の弟と生きていくために、せめて人間らしくあろうと思っていたんだ。なのに、なぜ、私の帰りを、弟が待っている、私たちの家が、燃えているんだ。おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 16:08:16
ハットさん @hatt_san

さっちゃんはね、さちこっていうんだ本当はね。だけどさっちゃんの家を燃やし、さっちゃんの弟を殺したチンピラ組織のアジトで、銃声と、銃弾と、血と、怒号に包まれて舞っていた姿は、どこか美しい程に『殺人姫』の名に相応しいそれだったよ。さあ、踊ろう。おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 16:16:10
ハットさん @hatt_san

さっちゃんがね、とおくへいっちゃうってホントかな。だけどこの血と死体だらけのアジトで、動くものはもうおらず、さっちゃんもとうに踊り疲れてしまったんだ。ほら、迎えに来た弟が待ってる。そろそろ、いかなくちゃ。だけど、なんだか、さびしいな、さっちゃん。

2012-06-08 16:23:20

と、思いきや。

サイ / 三原卓也 @rhinoeye

さっちゃんはね。封印が解かれたその瞬間、すべてを思い出したんだ。目の前で最愛の弟が斬り刻まれ、自分がすべてを斬り刻んだことを。その瞬間に、自分を抑えることが出来なくなって、次に気がついたときには、育ててくれた白衣のおじいさんが、真っ赤に染まっていたんだ。おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 16:46:00
サイ / 三原卓也 @rhinoeye

さっちゃんはね。あの日、血塗れで意識を失ったまま運ばれた病院で、白衣のおじいさんに封印されて、二度とこの世には現れないはずだった。そしてすべての記憶をなくしても、それでもしあわせて暮らしてきたはずだったんだ。だけど、もう忘れたはずのあのメロディが聴こえる。おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 16:44:57
サイ / 三原卓也 @rhinoeye

さっちゃんはね。鮮血に染まったまま、再び記憶を失ったんだ。最愛の弟のこと、犯した罪のこと、育て直してくれた白衣のおじいさんのこと。すべて忘れてしまったんだ。誰に封印されたわけでもなく、もうすべてを捨てたんだ。すべてを失って、今はしあわそうに笑っている。おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 16:48:19

~ 第三部 ~

ハットさん @hatt_san

さっちゃんはね、さちこっていうんだ本当はね。だけど息子も旦那もいない我が家の真夏の昼下がり、息も荒く私を後ろから貫いているこのひとは、私のことを、さっちゃんでも、さちこでもなく、『奥さん』と私のことを呼ぶんだよ。こんなはずじゃなかったのに、おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 23:58:12
ハットさん @hatt_san

さっちゃんはね、さちこっていうんだ本当はね。だけどあなたが私を最後にそう呼んでくれたのは、いつだったかしら。『母さん、帰ったぞ』『母さん、風呂沸いてないじゃないか』…私は!私は!あなたのお母さんじゃない!いつだってあなたはそう!私だって…一人の女なのに!…おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 23:58:53
ハットさん @hatt_san

さっちゃんはね、さちこっていうんだ本当はね。だけど寂しいから、自分のことさっちゃんって呼んでくれる人を。おばさんになってしまったこんな私を、『母さん』なんかじゃなく、『さっちゃん』って優しく呼んで、抱いてくれる、人を探して、今日も、脚を、開いて… …おかしいね、さっちゃん。

2012-06-08 23:59:13

nitt-san @nitt_san

※さっちゃんは架空のさっちゃんです。実在するさっちゃん、さちこさんとは関係ありません。

2012-06-08 22:52:13