大河ドラマ「平清盛」考察

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(´・ω・`) @kzyyano

大河ドラマ「平清盛」でしつこいほど強調されてるのは「おもしろし」という概念だ。清盛の行動基準は、おもしろいかどうかであり、論理や理屈を排除しているように見える。社会の不安定化によって、善悪の基準が曖昧になった世界で重要なのは、おもしろきかどうか、つまり自らの欲望に忠実かどうかだ。

2012-06-08 03:01:53
(´・ω・`) @kzyyano

主題歌で使用される今様「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ」は、”あそび”や”たわむれ”によって動かされるひとの情動を詠う。おとなとしてではなくこどもとしての、イノベーターとしての清盛を描くことが本作の目的と言える。

2012-06-08 03:07:15
(´・ω・`) @kzyyano

「今様」は今でこそ立派なハイカルチャーであるが、当時はサブカル中のサブカル。低い身分の者達が行うあそび、今で言う「歌ってみた」の様なものだ。しかし後白河帝が今様に心底心酔し、「歌ってみた」のまとめサイトにあたる「梁塵秘抄」を編んだものだから、一気にハイカルチャーにまで昇華した。

2012-06-08 03:15:08
(´・ω・`) @kzyyano

平氏は京都の貴族と関わりを持ち、西国のエリートによる政権運営を目指す。政策も当時中国を中心に急速にグローバル化が進行する中、対外貿易を核とし、開国政策に出る。一方で源氏は、東国の田舎侍たちをまとめ、やくざ集団として軍事組織を構築。農村中心の政権運営を掲げ、結局平氏に勝利する。

2012-06-08 03:25:04
(´・ω・`) @kzyyano

日本史において繰り返されるのは、農村中心政権と開国路線政権の戦いにおいて、必ず農村中心政権が勝利することだ。開国を標榜する後鳥羽上皇を足利氏が倒して室町政権が発足し、対外戦略を重視する秀吉を倒して徳川政権が立つ。西郷を中心とした征韓論者は農民軍に敗れ、戦後議会も地主中心である。

2012-06-08 03:32:22
(´・ω・`) @kzyyano

自民党の支持基盤も農村で、厚い共同体意識による投票行動を利用した政権維持に成功してきたが、それも崩壊に近い。農村の崩壊と、貨幣とインターネットに裏打ちされたグローバリゼーションがもはや前提の現代に求められるのは、源氏ではなく平氏の様な開国主義的でイノベーティヴな政権かもしれない。

2012-06-08 03:42:07
(´・ω・`) @kzyyano

まぁしかし中世の武士とかは「なぜ家族を斬らねばならんのじゃあああああ」とか悩んだりしないんだけどね。まぁ臆面無くバッサバッサいくよね、悩みとかないから。人間としてのアイデンティティの目覚めは西洋思想入ってからだな。

2012-06-08 03:59:10