ついのべ集 - ボーカロイドがらみ

ついったで気まぐれに書いてるSS、ボカロがらみ。 性的嗜好シリーズ http://togetter.com/li/33207 ボカロがらみ番外編 眠れないボカロとKAITOお兄さんシリーズ http://togetter.com/li/32181 ボカロがらみ番外編その2 いろいろな設定の鏡音で140文字 http://togetter.com/li/40959 続きを読む
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こと @ichigenkin

彼はどうしたらいいのか分からなかった。2mくらいあるし、カラスは拒否するし、犬は逃げるし、うまくないし、ぬめりけがひどいし、警察は信じてくれないし、近所のおばちゃんは通報するし。どうしたらいいんだ。何で家の裏でマンボウが死んでるんだ。 #twnovel

2009-11-08 02:03:29
こと @ichigenkin

少女は愛らしかった。その靴に口接けることすら躊躇わない男は、少女の手の指と足の指を合わせて百倍しても、とても足りなかった。それでも一度も満たされなかった少女が、ある日初めて恋をした。その次の日に少女は彼を手に入れた。両の腕と目を失った彼を。 #twnovel

2009-11-09 02:08:58
こと @ichigenkin

磨きあげるは銀の鎖。鎖を構成する輪も一つ一つ丁寧に調べ、欠けがないかを確かめる。その先には皮の首輪。両側を思い切り引き、千切れないかを確かめる。準備は完璧。立ち上がった少女は純白のウエディングドレスを纏い、鎖を握り、その反対の手にはダイヤの指輪が握られていた。 #twnovel

2009-11-09 02:25:01
こと @ichigenkin

王女は冷酷だった。彼が王女がために失った片腕でその手を取り、跪きその甲に口接けて尚、無様だと切り捨てるだけだった。王女の心を、死を、誰が理解しようとしただろうか。無様だと切り捨てた騎士と同じ腕を自ら傷つけ、騎士を失った悲しみに、自らの胸に刃を突き立てたなどと。 #twnovel

2009-11-10 02:12:07
こと @ichigenkin

彼女は眠り続ける彼のために、美しく枯れない花を用意した。彼がいつか目を覚ました時に、その花が少しでも、彼の慰めになるようにと。彼女は彼を毎日抱きしめた。彼がいつか目を覚ました時に、彼女の存在が慰めになるようにと。彼女と愛し合ったがばかりに凍り果てた彼のために。 #twnovel

2009-11-16 15:01:32
こと @ichigenkin

それのために、千の兵士が動いた。五分と持たなかった。万の戦車が、戦闘機が、戦艦が動いた。すべて一時間と持たなかった。たった一人の少女の手による絶望を、誰も見守ることしかできなかった。少女とその父とのささやかな幸せさえ壊さなければ、全ては起こり得なかったのに。 #twnovel

2009-11-16 15:32:56
こと @ichigenkin

今しがた刺したあなたをかき抱く。あなたの血があなたの服に、私の手に滲んでいく。呻くあなたにごめんなさい、と呟いた。私を毒すように、あるいは癒すように落ちる雨に侵される前に。……、あなたに次が、ありませんように、私の腕の中で、最期の息を吐いてくれますように。 #twnovel

2010-03-30 23:12:40
こと @ichigenkin

少女は絶望した。涙と黒を纏って旅立った少女は、やがて世界を絶望に陥れた。少女の命で滅んでゆく世界は、そのまま少女の心。けれど少女は、それを隠すように着飾った。この世界でたった一つだけ、手に入らなかったもののため。心にまで纏った黒を、隠すことなどできないのに。 #twnovel

2010-07-02 19:58:25
こと @ichigenkin

少年は絶望した。世界を負って旅立った少年は、やがて魔王の元に辿り着いた。魔王の身に纏う黒は、そのまま少年の心。けれど少年は、それを隠すように少女に刃を向けた。この世界でたった一つだけ、愛したもののため。己がために魔王と化した少女の黒を、消し去るために。 #twnovel

2010-07-02 19:59:30
こと @ichigenkin

穴を掘って埋めるような千歳に何の意味があるというのだろう。塵は塵に灰は灰に、それを待ち詫びていたはずの私が握りしめるのは、かつて銀の十字を握っていた手。囁かれた愛の言葉を返す代わり、無骨な首筋に牙を沈めた。石を積んで崩すような千歳に意味があったなら、今、このときのため。

2010-08-30 21:33:24
こと @ichigenkin

それはありきたりな伝説。国を隔てる朽ちかけた森はかつて極めて高度な文明が栄え、オーパーツが眠るという。幾多の屈強が挑んだが帰った者はひとりもいないと囁かれたその奥の奥、青年は森のように朽ち果てながら少女に口接けた。目の前のオーパーツより何よりも、永久の狭間に眠る少女が愛おしくて。

2010-11-29 23:06:08
こと @ichigenkin

ある日突然ユキちゃんが「キヨテルせんせいがうわきしてるの!」って言いだした。浮いた噂を何も聞かない先生を、虫めがね構えて探偵ルックのユキちゃんは地の果てまで追い掛けるつもりでいる。……ユキちゃん、その探偵ルックは私のお下がり……、何て言えるはずもなかった。

2010-06-02 19:34:47
こと @ichigenkin

あとボカロカプRTったーも 今日は名探偵なKAIKOさんとユキ嬢……書けるかな

2010-06-02 19:15:43
こと @ichigenkin

「ミク姉さま……何故おればかりがこんな目に遭うのですか」「それがさだめ。避けられないことなのよ……」「厭です」「リンはあんなに喜んでいるじゃない。双子なら喜びを分かちあわなければ」「リンは女です」「いいじゃない似合うんだから……」「嬉しくねええ!十二単とか死んでも着ないからな!」

2010-06-25 09:21:56
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