毎年7月7日は『ツイノベ祭』 2012/07/07お題「七夕」

天気はあいにく曇りがちで、雨の所もあったようで。
0
ハラヨシ @harayosy

#twnovel 年待った。待ち続けた。牛乳臭いこの川の傍で我慢できたのは、ひとえに彼女に会いたかったからだ。織姫。俺のマイスイートハニー。溢れるこの想いの前には、大雨で氾濫した牛乳川なんぞ関係ない。泳ぎきってでも渡ってみせるぜ!「ミルク臭い。帰って」…涙はミルクの味がした。

2012-07-07 00:36:21
ちゃーち @churchdevil

動の再会をするために感動の別れをしなければならないならカタルシスなんていりません。とつぜん脚本家がそんなことを言い始めたから、劇はずっと一つのベンチで男女が微笑ましく手をつなぐだけになった。生ぬるい麦茶みたいに不味い、されど平和でありふれた、小さな幸せのお話。 #twnovel

2012-07-07 01:40:10
ampeloss @ampeloss

は、毎年この時期に出張に行く。子供の頃はお土産をねだったりしていたけど、今はもう、父がどこに何をしに行くのかよくわかっている。ねえ、父さん?お母さんは、私のこと、知ってる? ああ。母さんはあの川の向こうでちゃんとお前を見てる。父はそれだけ言うと、家を後にした。 #twnovel

2012-07-07 04:38:00
七歩 @naholograph

「元気で」「貴方も」年に一度の逢瀬も今年で何度目か。あの人も私も今ではそれぞれ結婚し、家族と共に暮らしてる。もう会わないとは言い出せないまま気づけばこんなに年をとる。#twnovel 今年も7月7日。橋の向こうから来たのは少年。「父は死にました」私の長い恋は終わった。

2012-07-07 06:55:46
七歩 @naholograph

ら、川のあっちとこっちに離される。二人を認めるわけにはいかん?ふざけるな。そんなんで引き裂かれる俺らじゃねえ。急流天の川。鍛えあげた肉体で渡る。流されそうな俺、愛しいお前が手を伸ばす。「ふぁいとー」「いっぱーつ」絡みあう二つの瞳と力コブ。#twblnovel #twnovel

2012-07-07 07:06:53
y-fstw @y_fstw

#twnovel んということだ!子どもたちが祈りを込めて作った七夕の笹飾りが、ズタズタに引き裂かれている。クソッ、誰がこんなことを!そのとき、背後で何かが動いた。ハッと振り返ると、そこには得体の知れぬ怪物がこちらを睨んでいる。真っ白い巨大な体、黒く大きな眼…パ、パンダだぁー!

2012-07-07 07:07:27
工房径(koubou-kei) @pleaseinuplease

#twnovel 15年前の七夕祭り。初めてのデートだったのに、偶然出会った悪友達に冷やかされ、俺を置いて逃げ帰ってしまった浴衣の君。「よう、相変わらず仲いいじゃん」15年振りにまた奴らに絡まれ、君は俺の浴衣の袖をきゅっと引く。もう逃げたってだめだよ? 帰る家が一緒なんだからさ。

2012-07-07 08:16:53
佐木ささめ @sakiandu

「彦星様これは何?」「パソコンさ。近所の宇宙ステーションから拝借したんだ」「まぁいけない人」「でも便利だよ、ホラ」「あっ彦星様が映ってる!」「声も送れるんだ。これで明日からも君と会う事ができる」「なんて素敵!凄いわ彦星様!」2012年の空ではIT化が進んでいる。 #twnovel

2012-07-07 08:48:21
篤。 @ishia2011

京に行ったねえちゃんが帰って来ない。毎年八月の七夕には帰郷するのに。「男とどこかへ…」そんな噂が耳に届く。変だな俺、昨日の夜ねえちゃんを見た。庭先に立って、じっとこっちを見ていたのに。数日後、変わり果てた姿で見つかった。「男と心中」嘘だ。俺はそんなの信じない。 #twnovel

2012-07-07 09:05:19
崎本ミサト @misato_sakmoto

えた空気に吐く息は白い。小さな星屑が光を反射しあう大河のほとりに私は立つ。あなたの温もりが私を包むことを夢見て、紗の着物を纏い、紅をさし、髪を結い上げ、希う。あなたの瞳に映る私は一年で一番美しくありますようにと。でも、今はただ、あなたに会いたい。#twnovel

2012-07-07 09:32:11
tokoya @tokoya

#twnovel 年の七夕も曇り空で、星なんか見えない。梅雨の真っ最中だから、雨じゃないだけマシ。それでもみんな思い思いに外に出て、夜空を見上げる。そして静かに、滑るように飛行船が現れる。吊された巨大なQRコードに、一斉にスマホが向けられる。天の川を翔る、銀河ショーの始まりだ。

2012-07-07 09:50:25
ひょうたん鯰 @hyou_namazu

夜来の豪雨が天の川を増水させている。ダム放流サイレンがかまびすしい。地球を見下ろして、きょうの七夕を杞憂している神さまのTweet。俺たちにまかせなよ!と川越し人足たちのReply。めでたく織姫と彦星の年イチの再会が叶うという物語を夢想していると、もう昼。 #twnovel

2012-07-07 10:38:58
銭喰 @zeniqui

#twnovel ルキーウェイには天の川太郎という名の河童が住んでいる。彼は彦星の尻子玉を虎視眈々と狙っていて、彦星もそれに気づき牛を使うなど抵抗しているが、最後はいつも白濁した川水に濡れ、くんずほぐれつの格闘になる。それを対岸から眺める織姫の短冊が川を伝い貴女の元に届きます。

2012-07-07 11:14:58
紺屋 @ysga1002

「天の川見えないね」縁側に腰掛けたわたしの膝の上で、幼い娘は口を尖らせた。見上げた空は雫こそ落ちてこないものの、暗雲立ち込め星の光ひとつ見えない。「一年に一度出会うんだもの、恥ずかしいのよきっと」庭に飾った笹の葉は、娘の願い事を一身に背負ってゆらゆら揺れている。 #twnovel

2012-07-07 13:36:11
K @kei1008

姫は美しい女性だった。彦星は働き者の男性だった。七夕の日に雨が降るのは会えない二人が泣いているからじゃない。その二人が結婚してしまい、恋破れた者達が流している涙。いつまでもいつまでも…。毎年様子を見に来るカササギは溜息。「早く新しい恋を見つければいいのに」#twnovel

2012-07-07 14:25:09
@thunder_ppp

んよりと曇った空をみあげ、ため息をつく。大体、この時期は梅雨なので晴れているほうが稀だ。隣で夜空を見上げている彼もそう。どんよりと曇り、今にも雨が降り出しそうだ。「曇りのときは会えないのかな」「宇宙は曇らないでしょ」「あ、そっか」彼の顔がぱあと晴れた #twnovel

2012-07-07 14:33:22
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

宅したら自宅が笹林だったので、シイナさんは呆然とした。「笹の葉にゃあ!さらさらにゃあ!」笹林の奥からコネコの声が聞こえてくる。「お願いを書くにゃあ。食べちゃだめにゃー!」誰か、いるのだろうか。大きな生き物の気配もする。笹は軒端に揺れるから風情があるのだ。 #twnovel

2012-07-07 14:37:26
@mimimdr

しの悪い鮭は、どうも自分は川を遡らねばならないらしいと思ったが、既に仲間とはぐれ、どの川をどう上れば良いのか判らず、とりあえず大きく眩しい川を泳いだ。上空を幸せそうなカップルを乗せた鳥が飛んでいる。通行人に声をかけられた。「随分遠くまで来たね。ここは天の川だよ」#twnovel

2012-07-07 14:43:12
紅月朔夜@あかさく @39_tsuki

「彦星と織姫ってさ…1年ぶりに会うんだったら戸惑ったりしないのかな」「は」「1年ぶりに会ったら何話せばいいのか解らなくて会話止まりそう」「いや、1年分の伝えたいことが溢れて言葉に詰まるんじゃない?」「乙女か」「七夕くらい夢見させろよ」 #twnovel タグ付けるのおこがましい

2012-07-07 14:57:31
紺屋 @ysga1002

「ねえ夏彦さま」星合いの日、織姫は彦星の袖を引く。「下界では私たちが一年に一度しか逢えないと、悲しい恋物語になっているようですよ」彦星は快活に笑う。「そうか、下界ではそんな話になっているのか」「数千年に渡るこの逢瀬、一年前など昨日のことのように思い出せますのに」 #twnovel

2012-07-07 15:13:45
ておまさお @teomasao

......別れましょう」突然の別れ話に男は狼狽えた。けれどもこのまま離れて暮らしていくことに限界を感じていたのも事実だ。「みんなが哀しむのは知っているわ。でも逢えるのは年に一回、しかも天候に左右されるなんて耐えられないの。わかるでしょう、彦星!」。 #twnovel

2012-07-07 15:29:19
工房径(koubou-kei) @pleaseinuplease

#twnovel 「こんな天気じゃ織り姫と彦星も会えないね」デートの帰り道、君はワイパー越しの空を見上げて。おいおい、人のことを気にしてる場合じゃないぜ。今夜は俺にとっても千載一遇のチャンス。部屋はとっくに予約済み。「え? ええっ?」ウインカーを出してから慌てても、もう遅いよ。

2012-07-07 16:38:33
N.T.Works/凪司工房@介護生活中 @nagi_tter

#twnovel 日子さんは短冊を書く。「何を書いたの?」「内緒」「どうせ飾る時に見えるでしょ」「じゃあ」渋々見せてくれたのは「す」だけ書かれた短冊。「何これ?」「一年に一文字ずつ書いてそれが完成すると叶うの」僕は去年の短冊を思い出す。去年も確か「す」だったような。

2012-07-07 16:54:10
いでゆのまち @ideimachi

#twnovel 合せを間違えた。横断歩道の反対で手を振る彼女。大通りを流れる車は、僕らを隔てる川みたいだ。長い何十秒かが過ぎ、信号が変わった。走って道の中央、笑顔を合わせる。一分でも待てないのに、彼女が抱きついた。「一年なんて私には無理」夜空を仰ぐ。今ごろ、天の信号も青だね。

2012-07-07 17:43:24
蟲子 @645_etc

「はぁ」少年は空を見上げてため息をついた。窓辺のてるてる坊主が、所在なげに揺れている。「今年も星が降っているわね」隣の母は嬉しそうだ。「ただの雨じゃん」「"愛してる証拠に天の川を地上に振り撒く"って、パパとの最後の約束」 全く迷惑な約束だと、少年は呆れて笑った。 #twnovel

2012-07-07 17:57:26