- iolite_night
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まず、前置き。
随分擬人化妄想がたぎっておりました。
眠い……あ、エイを擬人化するなら絶対しっぽ毛はいるの。みつあみでもいいし、幸村みたいなのでもいい。マンタさんにしがみついてた小さめ(に見える)魚が可愛らしかった。
2012-05-04 20:26:55「(あー、水槽の中泳ぐのもそろそろ狭いかな……)……あの」「何でしょうかー?」「背中で何してるんですか」「お借りしてます」「楽しいですか?」「はい。僕、小さいでしょう?高い所からからゆったり見るの楽しくて」「そうですか」「僕、マンタさんの景色好きですよ」「……そうですか」
2012-05-04 20:33:38ジンベエさんはおおらかでひとあたりもいいから、取り巻き沢山いるんだけどね。マンタさんはぼーっとして何考えてるか分からないから、あんまり人気ないんだよ。そ、そう見えたんだよ!海遊館!!
2012-05-04 21:18:38本格的に考えちゃった。マンタ×コバンザメの擬人化小話。
皆ひとつのアパートでわちゃわちゃ暮らしてる設定。
僕等のアパートは、わりと広い。個室があるのに、皆が集まるラウンジがある。仁平さんは今日も人気者だ。気は優しくて聞き上手。長身だから目立つし、此処の中心点と言っても過言じゃない。僕はそれを音楽にして、隅で本を開く。僕もどちらかと言えば背は高い方だ。だけど人に囲まれるのは苦手。
2012-05-12 13:00:27皆が騒いでいるのを見ているのが楽しい性分だと思っている。そんな僕に最近、接してくる人がいる。「南陽さん、何読んでいるんですか?」「流行りもの」「そんなのも読むんですね」はっきり言って、僕はそんなに喋らない。思うことは沢山あるけれど、口にしてしまうと結局削ぎ落とされて短くなる。
2012-05-12 13:12:53無口だとか、無愛想だとか思われてるのは知っている。表情もあまり変わらないしね。でも、この相手だけは違う。僕の話を聞いて、楽しげに笑っている。明るくて人懐っこい、人に好かれる笑顔だ。「鈴木さん」「何ですか?」「……もしかして、暇人?」そう問われて、鈴木さんはきょとんと目を丸くした。
2012-05-12 13:24:47ちょっと細めの瞳が大きくなって、なんだか可愛らしい。「何故?」「いや、僕と一緒にいても……楽しくないでしょう」「楽しいですよ」何言ってるんですか。怒っているように口を尖らせても、言葉は穏やかだ。「南陽さんの傍は、安心しますし」「そうですか」ぱらり、とページを一枚めくった。
2012-05-12 13:32:43「南陽さん」「なんでしょう」「もしかして、照れてます?」図星だった。絶対分からないと思ったのに。指先が少し震えたのがばれたのか。なら、この相手は随分僕を見てくれていると言うことで……僕はますますいたたまれない気持ちになる。「……鈴木さん」「はい」「僕も、君がいると安心しますよ」
2012-05-12 13:37:02今度は、相手が照れる番だった。ほんのり染まった頬に思わず笑みがこぼれる。「あ、笑った……」「僕も笑いますよ」「そうですね」人と接するのは嫌いじゃないんだ。だから、出来れば君とはずっとこうしていたいという思いを込めて、僕はまた言葉を紡ぐ。「君とはずっと笑っていたい」
2012-05-12 13:42:39自分ながら告白にも取れる言いように、ニヤニヤと僕等を見ていた皆がからかってきたのはその直後のこと。鈴木さんは皆の誤解を解こうとしていたけれど、僕には「私も同じです」と囁いてくれたのは内緒の話。
2012-05-12 13:45:42