跡りり

LoSLabs @lostrevos_ch

「お前、また朝食抜いただろ」「うっ…どうしてそれを…」「お前がソレを持ってる時は大抵そうだからな」跡部くんはそう言って私のカバンの中のカロリーメイトを指差した。さすが、鋭い。「寝起きは気持ち悪くて食べれないんだもん…」「お前は早寝早起きから始めろバカ」「ごめんなさい」 #跡りり

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ウチの書庫と同じくらいはあるかもしれない大学図書館に吸い込まれていく後ろ姿を見つけた。そっと付いていくと、鞄を学習室の机に置いたままふらふらと書架の方に消えていき、相変わらず危なっかしいなと思いながらその前の席に座って鞄の番をしながら帰りを待つ。 → #跡りり×図書館

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さすが図書館司書の資格を持っているだけはあり、目当ての本を見付けるのは早く、あっという間に戻ってきて貸出の手続きを受けてようやくもどってきた。俺の姿を見つけて「あ…」という顔をする。 鞄を指差して「危ねぇだろバカ」と小声で言うと、呑気に「エヘヘ」と笑った。 #跡りり×図書館

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「跡部くんがいるの、知ってたから」そう言って彼女はいたずらっ子の笑みを見せる。「お前…俺が見張ってやるの分かってたから放置してたのか」「ふふ、ごめんね」 この俺様を遣うなんてコイツにしか出来やしないだろう。少しは振り回されるのも悪くないと思うのは、惚れた弱味。 #跡りり×図書館

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俺の帰りが遅くなると、彼女は決まって俺が昔着ていたユニフォームを引っ張り出してぎゅっと抱きしめるようにして寝ていて、「ごめんな」と呟きながら今度はそっと抱きしめてやる。俺も君の香りに包まれて眠りたい。 #跡りり

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跡部くんの身体は引き締まって、無駄な肉なんて一切付いてなくて、白くて、艶やかで、思わずちゅっと唇を寄せた。吃驚したような彼の声をBGMに触れたそれは、噎せ返るほど甘くて愛しい、贅沢すぎるデザート。「いただきます」と言うと、呆れたような微笑みが優しく降ってきた。 #跡りり

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「横浜リリーっていう歌があるの」「アーン？」「リリーの恋人がね、彼女残していってしまうの」いってしまう、というのはきっと死んでしまったということだろう。「跡部くんは、りりぃを置いていってしまったりしないよね…？」 →　#跡りり

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そう呟いた彼女の瞳に不安の色を見つけた。この憂色を取り除けるのは俺しかいないと思う。それは、自惚れじゃない。 「バーカ、当たり前だろ」「うん、そうだよね」…きっと跡部くんは殺しても死なないもの。なんて、そんなこと言えるのはコイツくらいなもんだ。 #跡りり

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『跡部くーん…』「お前、またか」『駅まで来たのにお財布忘れたーっ』「バカ」『酷い…。Suicaあったからバスで戻ろうと思ってね、バス待ってる間に喉乾いたなーって思ったのにお金がないの！！』「当たり前だバカ」『悲しくなったから電話しました…』 #アホりり #跡りり

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「と…とりあえず終わった…！」「フン、頑張ったじゃねーの」「ありがとう跡部くん、こんな時間まで付き合ってくれて」「いや、俺も読みたい本があったからな。好きで起きてただけだ」「ふふっ、優しいね」「アーン？」 優しいあなたはいつでも私と時間を共有してくれる。 #跡りり

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「…Lily」「ん？」「お前、まんまだよな」「何が？」「いや、なんでもない」Lily…ユリの花言葉は「威厳・純潔・無垢」 そう、君は俺のマリア。 #跡りり

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「ねぇ跡部くん」「アーン？」「ジャケット、暑くないの？」「………」外はこんなに暑いのに、と思いながら建物の中に入る。「ひぁっ…さっむい…」暑い外に反比例するかのように室内はクーラーが効いていて、その人工的な冷たさが私はとても苦手だった。 → #跡りり

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と、その瞬間溜め息とともにふわりと黒いジャケットが降ってきて、 ｢お前が絶対寒がるから…｣と、そっぽを向いたまま跡部くんが呟いた。あなたの上着は温かくて、とても心地よい香りがした。 #跡りり

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「お前、揚げ物苦手だよな」「うん。見ただけでお腹いっぱいになって吐きそう」「なら、どうしてソレ(チキンカツ弁当)を買った」「玉子かかってるしチキンだからイケるかなーって思って…ﾃﾍﾍﾟﾛｯ☆」「…薬は？」「あ、忘れてきちゃ(ゴッ …痛いよ跡部くん；；」 #跡りり

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彼の存在も、香りも、キスも、まるで媚薬。一度知ってしまったら忘れられない、どうしようもなく焦げついて離れなくなってしまう、麻薬。 「お前は余計なことを考えそうだからな。そんなもの、考えられないようにしてやるよ」 そう言って笑う王様は、ずるい人。　#跡りり

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恨めしそうな瞳で君は俺を見つめる。「…ずるいよ跡部くん」そう言って、この生意気な雌猫は俺の唇に噛み付いてくるのだ。「バカ…」 それはまるで媚薬。凍りつかせた俺の理性を、いとも簡単に溶かしていく。君の唇はあまりにも熱すぎて…。 そして猫のように、君は啼く。 #跡りり

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君が日常になる。特別だった君が日常になり、日常が特別になる。それを繰り返す毎日。「跡部くん、今更ですが、幸せとは何ですか」「アーン？そんなの、俺から言わせれば現在進行形だ」「ふふ、私と同じだね」 #跡りり　【「今更ですが、幸せとは何ですか」】

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『俺がお前の分まで傷付いてやるから、笑ってろよ』そんなことを言っておきながら、俺は君を傷付ける。「あと、べ…くん…」 このまま、俺がいなければ呼吸もできなくなるくらいに溺れてろ。君の分まで、俺が罪を背負うから、どうか安心して、笑っていて。 #跡りり　【偽善者は愛した】

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英国で実は同じスクールに通っていて、幼いころに出会っていて…なんて、そんな運命の巡り合わせは要らない。「お前は、とんでもねぇ革命家だ」彼の王国で革命を起こす。それが、あなたとの始まり。「この俺様を惚れさせるなんて、やるじゃねーの」 #跡りり 【運命なんて信じない】

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「お前、痩せたか？」「んー？どうだろ」「縮んだ気がする」「え？」「夢と希望」「んなっ…！縮んでないもん！！ほらぁっ！」ぽふっっと頭をぎゅうっと押し付けられるが、お世辞にも柔らかいとは言えない。「ククッ、お前はこれで立派だ」君の小さな夢と希望は、俺の大きな安らぎだから #跡りり

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心も身体も貴方に包まれて、満たされる。頭の中のモヤモヤもドロドロも、貴方で埋め尽くされていく。「…ちゃんと言えるじゃねーの」なんて…。それは、名前を呼ぶよりもっとハズカシイことを貴方がするからよ、景吾くん…　#跡りり

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「跡部くん」「あん？」「気持ち悪い」「………」「…ぐすっ」「胃な」「うん」「薬は？」「…忘れた」「はぁ…飯は？」「食べれない…」「頼むから食え」 「…ちゅっ」「……」「ふふ、おなかいっぱい」そう言って笑う君が酷く儚くて、俺が吐きそうになる。　#跡りり

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「１３日の金曜日」「あぁ、観たことはねぇが、お前の苦手そうなタイプの映画だな」「今日」「何だ、怖いのか？」「こ、子供じゃないんだから怖くないもん！」「ククッじゃあせっかくだから観るか？」「絶対やだっ！！！！」「子どもじゃねーの」 #跡りり

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「オイ」「ふぁうぃ(何)？」「やめろ」「んー？？」「お前、下手なんだからやめろって…」「ﾁｭﾊﾟｯ）だって…」「好きなのはいいが、お前それ食うの下手すぎなんだよ。いっつも練乳垂らすだろーが。手ベトベトじゃねーのバカ」「食べる前に溶けちゃうんだもん…」 #跡りり

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「あっ…あとっ、べ…ん」「いい顔するじゃねーの…そのまま、ずっと俺だけを見とけよ」「…っ、ん…」その白くて細い首に俺の指と爪が食い込むのが、心地よくて、君の生死を支配していることで独占欲が満たされる。　#跡りり ちょっとヤンデレる