丸山天寿先生の「私が観たオリンピックに関する映画」

丸山天寿 @tenjumaruyama

さて日曜日のお遊び。もうすぐ四年に一度のオリンピックが始まる。日本人選手の活躍を期待しているのだが、何だかもう一つ盛り上がりに欠けている気がする。大いに関心を持って日本人選手を応援しよう。そこで本日のお題は「私が観たオリンピックに関する映画」。全ての異論と追加を認めます。→

丸山天寿 @tenjumaruyama

「炎のランナー」－１９８１年作。１９２４年に開催されたパリ大会における英仏のスポーツ界の対決やイングランド・スコットランドの対抗意識、西洋の宗教観等が二人の英国短距離走選手を通じて描かれる。アマチョアリズムを重視した真面目な映画。同大会の実際の開会式の様子も挿入されている。→

丸山天寿 @tenjumaruyama

「マイライバル」－１９８２年作。１９８０年モスクワ大会前の時代設定。スポーツとジェンダー、スポーツ選手間の同性愛を扱った珍しい映画。自己成長やコーチからの自立、同性愛から真の友情への変化、など若者の成長を細かに描く。ラストに流れる「モスクワ大会ボイコット」のナレーションが切ない→

丸山天寿 @tenjumaruyama

「ロンリー・ウェイ」－１９８３年作。１９６４年東京大会の男子一万米優勝のビリー・ミルズが主人公。彼はネイティブアメリカンで部族の名誉のために走るが様々な差別に遭う。人種差別問題、民族アイディンティの問題が織りこまれる。不屈の闘志でもぎ取る「奇跡の大逆転」のシーンは感動物。→

丸山天寿 @tenjumaruyama

「フィニッシュ・ライン」－１９８９年作。１９８４年ロサンゼルス大会に向けた全米オリンピック予選の様子。ドーピング問題、走る目的、メディアの影響、勝利至上主義、スポーツ科学とと人間の可能性が描かれる。薬物乱用の社会状況も細かに挿入され、インタビューに答える勝利者のセリフが印象的→

丸山天寿 @tenjumaruyama

「冬の恋人達」－１９９２年。１９８８年と１９９２年の冬季オリンピックが舞台。少女スケーターとアイスホッケーで失敗しフィギアに転向した少年の努力と愛の物語。その心情と努力を前面に押し出した青春映画で前の四作のように暗さはない。吹き替えで行われたシーンは本物のスケーターが演じている→

丸山天寿 @tenjumaruyama

「クールランニング」－１９９３年作。１９８８年冬季オリンピックに参加したジャマイカチームをモデルにしたコメディ映画。雪のない南国チームが冬季に。決してあきらめない不屈の精神や参加する事の意義を描く。笑いが満載の映画だが、人種問題など考えさせられる。今回私の一番のオススメ映画。→

丸山天寿 @tenjumaruyama

「ミラクル」－２００４年作。１９８０年冬季大会で、宿敵の強豪ソ連のアイスホッケーチームを破った大学生中心の米国チームの実話。ディズニー制作のせいかストーリー運びが秀逸。「最大の盛り上がりは大試合の最後の大逆転」が凄い。米国主義のシーンで埋め尽くされているのが少し気になるが。→

丸山天寿 @tenjumaruyama

「民族の祭典＋美の祭典」－１９３６年のベルリン大会を描いた記録映画。ヒトラー氏がカラーフィルムをふんだんに使用して制作させた物と言われる。偏見を抜きにして、記録映画としては美しく秀逸。彼は聖火リレーを考案したとも言われるが、オリンピックを宣伝に使った最初の人ではないだろうか。→

丸山天寿 @tenjumaruyama

「東京オリンピック」－市川監督による公式記録映画。予備知識なしで観ても感動出来る。若い人には是非観て貰いたい。オリンピックは国や個人で様々な考え方がある。近年、商業主義が強くなり根本精神は忘れられている気もするが、「より速く、より高く、より強く」がオリンピックの精神である。　了