夢のありか

モクゲ官房長官 @M_mokuge

@miya_ichika 目を覚ましたはいいが、ここが現実なのかまだ夢の中なのかハッキリしない…そのまま暫く天井を見つめていたが、じわじわと肌にまとわりつく暑さが現実なのだということをみやに教えた。「また、夢の中のあの場所へ行ってしまった…」これが今朝の話である。 #夢のありか

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@miya_ichika お気に入りのバンドのライブ帰り、人がまばらになった駅のホームでふと今朝の事を思い出した…いつもなら、ライブの高揚感から夢見心地で帰宅するのだが、今日はなぜか一日中あの夢の事が気になって頭から離れない。いつ頃から見るようになったんだろうか… #夢のありか

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@miya_ichika 「それにあの場所…どっかで…物凄く知ってる場所のような…」　“まもなく～3番線に高尾行き列車が～”　あと少しで思い出せそうなところだったが構内アナウンスに邪魔をされ、なんとも言えないモヤモヤしたものだけが残ってしまった。 #夢のありか

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@miya_ichika いつの間にかライブの高揚感は消え、その場所の事ばかりを考えるようになっていた。“～ご注意下さい” いつもは到着してからベンチを立つのだが、この時はモヤモヤを払拭する為に早めにホーム端に立つ。　ﾄﾞﾝｯ　突然背中を押された様な気がした。 #夢のありか

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@miya_ichika ﾄﾞﾝｯ 何か??いや誰かに押された。みやの体は自分でも笑ってしまうくらい簡単にホームの上から落ちていく。右からの警告音が大きくなり、線路に足が着く瞬間…強烈な光に包まれ、体がふわっと浮いたような感覚になった。「これが走馬灯か…」 #夢のありか

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@miya_ichika 「死ぬ時ってこんなもんなの??…ベタなんだねｗ」漫画や物語のように、思い出がみやの頭の中で高速再生される。「もっとファンの子達と飲みに行きたかったなぁ…読みたい漫画もたくさんあったなぁ…」最後の時の流れは意外にも遅いものだった。 #夢のありか

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@miya_ichika 強烈な光で眩しかった世界が一瞬で暗くなり、最後の時を迎えた。“～さｎ”……“～くさん”…“お客さんッ!!”　「はっ!?」誰かに起こされ目が覚める…「今、私…」 目の前に見えるのは、薄暗い狭い部屋、TV・PC・漫画本。「ここは…」 #夢のありか

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@miya_ichika “ナイトパック終了時間なんで一度お会計になります” 店員の声でここが満喫なんだという事を理解する。昨日、ライブ後の飲み会に参加し終電で帰る予定だったが、人身事故のお陰で電車が止まり満喫に来た事を思い出した。「まぁスラダン読めたしいっかｗ」 #夢のありか

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@miya_ichika 思わぬ足止めを食くらう事になったが、読みたかった漫画を読めたので意外に満足していた。早朝の駅前は同じようにどこかで夜を明かした人達が家に帰るべく改札の方へ向かっている。その中で一人だけ、流れとは逆にこちらに向かってくる長い髪の女性がいた。 #夢のありか

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@miya_ichika どこかおぼつかない足取りの女性は、誰かを探しているのか通り過ぎて行く人を見ながら歩いている。不思議に思うも、みやも女性の横を通り過ぎて改札へ向かおうとする。とその瞬間、女性と目が合い、その眼はビー玉のように真っ赤に充血していたのだった。 #夢のありか

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@miya_ichika 一瞬戸惑い立ち止まってしまった。それと同時に女性のカバンの中から何か光るものが取り出される。その形が何であるかは知っているはずなのだが、あまりにも唐突に、そして不釣合いな場所のお陰で包丁を取り出したと理解するのに少し時間が掛かった。 #夢のありか

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@miya_ichika その場をすぐ離れようとするも、うまく足が動かない…そして女性はみやに向かって包丁を振り回し始めた。「切られるっ！」そう思ったからなのか、ようやく足が動くも少し遅かった。振り下ろされた包丁は、咄嗟に出したみやの右腕に浅く食い込んだ。 #夢のありか

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@miya_ichika それ以上包丁が食い込む事はなかったが、女性は包丁を振り回し続け、みやの腕には何か所も切り傷ができ始めていた。不思議と痛みは強くなかったが、腕からの出血は酷く、地面に赤いシミが至る所にできていた。「逃げなきゃ…このままじゃ…」 #夢のありか

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@miya_ichika 逃げようと思うも、意識がだんだん遠のいていき、遂にその場に倒れてしまう。そこからの記憶は途切れ途切れで、サイレンの音や、自分を呼ぶヘルメットをしてマスクをした男性、救急車の天井、みやには何が起こっているのかよく理解できなかった。 #夢のありか

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@miya_ichika 次に目を覚ました時、みやは病院のベッドにいた。ちょうど看護師が点滴を取り替えに来た時だった。「あの、私…」“気がつかれましたか??今先生呼んできますね”そう言うと看護師は病室から出て行った。「あ、私切られたんだった…」 #夢のありか

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@miya_ichika やってきた初老の先生は、どこか見覚えのある顔だったが説明された病院の場所を聞く限り一度も来た覚えがない。先生から傷の具合の説明と今日はこのまま泊まっていくように案内されたが、まだ実感が沸いてこなかった。 #夢のありか

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@miya_ichika 通り魔にあったという事や、怪我をしたという事ではなく、“この場所にいる”という事に言いようのない違和感があった。しかし、まだ体は回復しておらず、すぐに眠気に襲われる。「明日起きてから考えよう…」そう思いながら深い眠りについた… #夢のありか

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@miya_ichika 次に目を覚ました時には見慣れた天井が広がっていた。「あれ？さっきまで私、病院にいたんじゃ…」　腕をさすってみるが、傷らしきものはなかった…目を覚ましたはいいが、ここが現実なのかまだ夢の中なのかハッキリしない… #夢のありか

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@miya_ichika そのまま暫く天井を見つめていたが、じわじわと肌にまとわりつく暑さが現実なのだということをみやに教えた。「また、夢の中のあの場所へ行ってしまった…」はっきりと記憶にあるわけではないが、あの病院と初老の先生…思い出そうとしても思い出せない… #夢のありか

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@miya_ichika このままあの場所の事について考えてもいいが、今日はそんな時間は無い。待ちに待ったライブなのだ。このライブの為に嫌な事も我慢してきたのだ。このために生きてきたといっても過言ではない。そのくらいみやにとって今日のライブは楽しみなものだった。 #夢のありか

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@miya_ichika その日のライブはいつも以上に最高だった。ライブが終わっても興奮は収まらない。“これから飲みに行くけどみやさんどうする?” ファンの子から誘われた。参加するとおそらく終電になり、手前の駅が終点の為一駅歩かないと帰宅できなかった。 #夢のありか

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@miya_ichika 今帰れば高尾行きの電車一本で帰る事ができるが…この興奮冷めやらぬ状態で帰るのももったいないなと思い。飲み会に参加することにした。　同じものを好きだというのはホントにいい。同じ話題で終始盛り上がり、飲み会も最高だった。 #夢のありか

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@miya_ichika 居酒屋で皆と別れ、急いで駅に向かう。駅に着いてみると、改札前に人だかりができていた。改札横の窓口には人が殺到し駅員に何かを聞いている。電光掲示板には運行見合わせの表示が。“人身事故らしいよ”隣にいたカップルが話しているのが聞こえた。 #夢のありか

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@miya_ichika 最終の何本か前で人身事故が起こったようだ…運行再開の目処は立っていないらしい。その路線でしか帰れない為、暫く足止めを食らいそうだが、時間も時間である。「満喫コースかなぁ…」ライブで疲れベッドで寝たいところだったが、こうなっては仕方がない。 #夢のありか

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@miya_ichika 「スラダン読みたかったし…まぁ、いいかｗ」ライブと飲み会のお陰なのか、気持ちの切り替えは早く、駅近くの満喫に向かって歩き出した。その時、女性とぶつかってしまった。「すいません」慌てて謝るも、その女性はこちらを見ずに歩いていってしまった。 #夢のありか