memo: 笹川平和財団“福島原発事故と危機管理 日米協力の視点から” 2012/07/30

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長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

笹川平和財団が30日「福島原発事故と危機管理:日米協力の視点から」と題したプロジェクトの成果発表会を開いた。ジェーン・ナカノCSISエネルギー・国家安全保障プログラムフェローや米国防総省で3.11対応をしたリチャード・ラブ米国防大学教授の話が米側の対応の内幕を語って興味深かった。

2012-07-31 11:31:33
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

ナカノ氏は「一部の米側支援申し出が断られたのは残念。米原子力業界が日本に行ってビジネスをしようとしているという誤解が広まったが、そんなことはなかった」と。菅直人官邸がルース駐日米大使を窓口に「手助けする」と申し出たのを門前払いした結果、放射能被害が広がったことを暗に批判していた。

2012-07-31 11:38:02
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

ラブ教授は「日米同盟は有事想定の訓練を繰り返したが非伝統的安全保障である自然災害では2国間情報共有メカニズムがなかった。米国は福島原発事故について日本政府が3月12日『自分たちで対応可能』と言ったので短期収拾が可能と見て事故評価チームを日本に送らなかった。これで対応が遅れた」と。

2012-07-31 11:45:38
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

(ラブ教授続き)「米政府の脅威認識が180度転換したのは水素爆発が起きてから。それまでの『最悪もありうる』から『ワーストケースを想定した技術、オペレーション、外交、軍事支援を日本に支援』に変わった。ただ初期はWSの政策決定を待たず、現場でルース大使らが緊急対応せざるをえなかった」

2012-07-31 11:51:54
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

(ラブ教授続き②)「福島の放射能被害がどれだけ広がっているかを調べるための空中モニタリングシステムには日本当局の飛行許可が出ず派遣できなかったため、連日アラスカから飛行機を飛ばしたが燃料費もかさみ、飛行機の除染も大変だった。派遣した空母などの艦船も除染が必要で、費用もかさんだ」

2012-07-31 11:59:22
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

(ラブ教授続き③)「国務省、国防総省、在東京大使館、太平洋軍、国際開発庁など様々な機関が関与した。例えば医学データに基づきヨウ素剤を誰に配布するか、日本の国民にも配布するか、米国人の避難範囲をどうするか、日本政府方針とどう整合させるか、予算はどれだけ使うか、なども検討した」

2012-07-31 12:09:27
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

(ラブ教授④了)「最初の数日は情報が何もなく、日本の情報が入るルートもバラバラで混乱した。3月22日に細野プロセスができてようやく福島で何が起きているかが分かった。連日何ミリシーベルトという発表があったが意味がない。昨日より悪化しているのかどうかが知りたい。説明能力が必要だ」。

2012-07-31 12:15:53
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

日本では原子力ムラ批判、官邸包囲デモが熱気を帯びるが、世界は原発を増やしている。中国は沿岸部に多数の原発を新設する。事故で多量の放射能が偏西風に乗って日本に来る。中国の危うい技術で作るより、日本の安全な原発を買わせた方が日本の安全に寄与すると思うが、冷静な議論ができない状態だ。

2012-07-31 12:25:34
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

シンポで山本武彦・早大教授が東アジアの原発事故対応共同体で質問した。この問題は昨年アジア調査会が主催したシンポジウムでロバート・ドュジャリック米テンプル大学アジア研究所長が「原発は安全保障と紙一重の技術の集積なので同盟国対応と他の国との対応は違う」と言っていたのを思い出した。

2012-07-31 13:06:09
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

北朝鮮で原発事故が起きたとして日米中の技術者が事態収拾に協力することはできるが、韓国原発事故で中国や北朝鮮の技術者を入れることは安全保障の観点から非常に難しいということだ。ラブ教授も「大切な同盟国日本だからあれだけの協力ができた。韓国だったら対応が違っていた」と明確に語っていた。

2012-07-31 13:09:14
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

米国が韓国を信じないのは防衛機密が中国に漏れることがあるかららしい。韓国民の半分は保守=日米派だが、半分は中国派と言っていいだろう。韓国政府が進めようとした日本との軍事秘密協定を世論の力で阻止し、中国との軍事秘密協定調印に突き進もうとしている国だ。日本人も韓国認識を改めるべきだ。

2012-07-31 13:12:44
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

東アジアの地政学的な情勢を見れば、米日同盟+台湾は中国の東シナ海、南シナ海進出で非常に危険な状態に陥っている。米国は豪、NZ、フィリピンと、あわよくばベトナムを同盟国に引き入れて対応しようとしているが、脆弱性は否めない。ロシアをどうかませられるか、が本当は重要な要素だと思う。

2012-07-31 13:16:19
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

米国の防衛予算は確実に減り続ける。オバマ大統領はアジア・太平洋の防衛費は減らさないと言ったが、このレトリックは同盟としての総防衛費と読むべきだろう。つまり日本の地域防衛力強化が迫られる。片務協定である日米安保条約をできれば双務協定に近いものにする努力をせよ、と。米国は本気だ。

2012-07-31 13:19:50
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

今年は日中国交正常化40周年の年。友好は非常に大切だが、中国が一党支配で共産党が折に触れて反日を世論のガス抜きに使うような状態では真の友好はありえないし、妥協を繰り返して「これが友好」と言っていれば尖閣諸島の実効支配は消えてなくなる。尖閣で止まらず必ず次は沖縄を標的にしてくる。

2012-07-31 13:22:24

cf.

長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

『日米開戦の人種的側面 アメリカの反省1944』(カレイ・マックウイリアムス著、渡辺惣樹訳、草思社7月31日刊、2730円)を読書中。カリフォルニアにおける凄まじい日本人排斥の歴史と、それが国家観の戦いに拡大するプロセスを詳細に分析し1944年に出版して米国人に自省を促した本だ。

2012-07-31 14:08:32
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

カレイ・マックウイリアムスは1905年生まれの法律家。38年にオルソン・カリフォルニア知事に請われ移民・住宅局長に。移民待遇改善策に大規模農園経営者団体が猛反発し、42年に知事になったウォーレンによって解任された。ウォーレン知事こそが日本人強制収容政策を推し進めた人物だ。

2012-07-31 14:13:49
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

渡辺氏は訳者前書きで日本とカリフォルニア”戦争”の火付け役はアイルランド移民だったと。英国の過酷な統治に耐えかねて新大陸に渡ったが東部で差別され最下層の生活を強いられサンフランシスコに来たアイルランド人が多かった。単純労働者から中産階級、政治家、役人までアイルランド系が占めた。

2012-07-31 14:17:46
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

満州事変と東南アジアへの軍展開が批判されているが、なぜ軍人たちが危機感を抱いたかについて渡辺氏は「当時の日本は原油の90%をアメリカからの輸入に頼り、そのほとんどがカリフォルニア原油だったため、同州の反日の動きの凄まじさを見た軍幹部たちが原油対日輸出禁止措置発動を恐れた」と書く。

2012-07-31 14:25:08
長田達治(おさだ・たつじ) @osada_tatsuji

エネルギー問題は古来、戦争の大きな原因となってきた。原発問題を理想論だけで割り切り「ダメなものはダメ」の土井たか子氏のような論理で決着させれば、資源のない国日本は立ち直れないほどのダメージを受けるだろう。苦しくとも、原発と共存する道を探るべきだ。自然エネルギーは代替にならない。

2012-07-31 14:27:47
朝日新聞西部報道センター @asahi_seibu

【28日参加OK・無料】長崎ブリックホールである国際平和シンポのパネリストです。ブルース・ブレア・米の世界安全保障研究所所長▽沈丁立・上海の復旦大教授▽秋山信将・一橋大准教授▽中村桂子・長崎大准教授のみなさんです #nagasaki #nuke

2012-07-27 12:36:17
朝日新聞霞クラブ(外務省・防衛省担当) @asahi_gaikou

はやし)今年の防衛白書の懸念材料も、やはり中国でした。 「『中国軍の太平洋進出が常態化』 防衛白書で強い警戒感」 http://t.co/N9CGV24p

2012-07-31 14:03:29