ハックル先生の競泳語り またの名を「競マ史」

岩崎夏海氏の熱い熱い競泳についての語り 今後も続けてくれるとうれしいな。 というかカテゴリーに競泳が無いってどういうことだ
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岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その20」今後は、この路線を突き詰めつつ、スターをどう育成するかということが競泳チームの課題となるだろう。ただ、競泳チームの今回の活躍は素晴らしい。それが、失敗や挫折、下積みを経てのものだと分かると、さらに趣深いものがある。(おわり)

2012-08-03 15:32:50
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その19」ただ、矛盾するようだが金メダルを取るスターの存在が重要ということも重々承知している。鈴木大地、岩崎恭子、北島康介と連なる金メダルを取れるスターはほしい。これをチームスポーツということと両立させるのが鍵だ。だから、北島康介選手というのは本当に偉大な存在だった。

2012-08-03 15:30:43
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その18」そうして日本競泳チームは、選手のマネジメントのいい落としどころを見つけたのだ。それからは、シドニー4、アテネ8、北京5と、安定してメダルを取れるようになった。今回はすでに9である。金メダルこそ取れていないものの、大きな飛躍だ。

2012-08-03 15:27:42
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その17」それで悟った。「日本のために」では重すぎるが「チームのために」あるいは「身近な人のために」だったらあまり重くない。「自分のために」の時のようにすぐに諦めたりもしない。そうだ。これでいこう。幸い、「競泳はチームスポーツ」という考え方も採択している。これを強化しよう

2012-08-03 15:22:51
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その16」人間は、自分のためにはがんばれないけど、誰かのためにはがんばることができる。それを学んだのは、リレーチームにおいてだった。個人であれほど失速した選手たちは、リレーになるとこれまでにない底力を発揮した。メダルにこそ届かなかったものの大健闘した。

2012-08-03 15:21:16
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その15」例えばレースの山場で体力的にきつい時、「自分のため」と考えると、負けても自分が我慢すればいいだけなので、だったらいいかとなるのである。この考え方は、鈴木選手のようなよっぽど精神力の強い人でなければ通用しないやり方だったのだ。

2012-08-03 15:19:01
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その14」「国のためにがんばる」とプレッシャーに押し潰されるので、競泳チームは「自分のためにがんばる」というスローガンを打ち出した。ところがこれが大失敗だった。なぜか? 人間は、自分のためだと思うと簡単に諦めてしまえるからである。

2012-08-03 15:17:17
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その13」ところが、そこで思わぬ失敗を招く。優秀な選手たちがどんどん失速していく。結果、まさかのメダルゼロ。どん底を体験する。さらに、日本選手のその後のインタビューが波紋を呼ぶ「自分のために戦ったんで、悔いはないです」。そこで、はたと気づかされる。それが敗因だったと。

2012-08-03 15:16:05
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その12」そこで取ったのが「自分のために戦う」という戦略。国のために戦うとプレッシャーに負ける。マスコミの重圧を和らげる狙いもあった。とにかくリラックスしてほしい。岩崎恭子選手もダークホースでプレッシャーがないのが良かった。だから、プレッシャーを軽くすることに腐心した。

2012-08-03 15:12:42
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その11」そうして96年のアトランタを迎える。この大会は、84年から12年かけて取り組んできた競泳チームの戦略が花開くはずだった。ソウルもバルセロナも金こそ取ったもののメダルはこれ一つ。だから、もっと多くの種目でメダルを取れるよう底上げを目指した。

2012-08-03 15:11:02
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その10」ところがそこで想定外のことが起こった。中3トリオの一人が金メダルを取ったのだ。ご存じ岩崎恭子選手。これで一気にフィーバーが来た。プールに競泳希望の子供たちが押し寄せた。競泳チームはこの上げ潮に乗ろうとした。

2012-08-03 15:08:35
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その9」そうして臨んだ92年のバルセロナ。この大会はこれまでにない若い布陣で臨んだ。あえて意図したわけではないが結果的にそうなった。象徴的なのが「中3トリオ」と呼ばれた3人の女子。彼らにはメダルを期待しなかったが、経験を積ませ鈴木選手のように次の五輪で花開かせようとした。

2012-08-03 15:06:21
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その8」3つめは、チームで戦うということ。競泳は基本は個人種目だからどうしてもバラバラになりがち。でも、オリンピックとなるとみんなが思いを共有する。鈴木大地選手の金メダルを、他の選手も我がことのように喜んだ。この共有する感覚をだいじに、競泳をチームスポーツととらえた

2012-08-03 15:03:17
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その7」2つめは、重圧を軽減させるということ。「国のために頑張れ」と言ってしまうとプレッシャーに負ける。だから、「自分のために頑張れ」と言うようにしようと。そうすれば、余計な重圧はかからないはず。鈴木選手も自分のために頑張った。それでいいのだと。

2012-08-03 15:00:53
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その6」学んだことは大きく3つ。一つは、経験はやはりだいじ。鈴木選手はロス五輪の経験者だった。それが良かった。だから競泳チームは、若手重視志向にその後なる。長期計画で、若手選手に経験を積ませようと。それで、8年先、12年先を見据えようと。

2012-08-03 14:59:26
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その5」生まれ変わろうと思ったその時、神風が吹いた。鈴木大地選手が金メダルを獲得したのだ。これで一気に競技人口を盛り返すことができた。再び上昇のチャンスをつかんだ。そこで競泳チームは、鈴木大地選手の金メダルに学ぼうと考えた。

2012-08-03 14:56:17
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その4」鈴木大地選手だけが、低迷する日本競泳チームの中で例外的に勝てるチャンスがあった。しかも大地選手のコーチは、競泳経験のない人だった。そこでブレイクスルーがいろいろ起こった。自分たちが悪しき経験則に捕らわれていたことを学んだ。反省した。生まれ変わろうと思った。

2012-08-03 14:55:00
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その3」88年のソウル五輪。日本は低迷期の中にいた。理由はロス五輪で失敗したこと。五輪の失敗は選手層の縮小を招いた。スイミングクラブに人が集まらず、商売はあがったり。実力の底上げができず、なかなか勝てなかった。そんな中、唯一の希望は鈴木大地選手だった。

2012-08-03 14:53:24
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その2」学んだのは、プレッシャーに打ち勝つのがいかにだいじかということ。そしてそのためには経験が必要だということ。とにかく大舞台をたくさん踏ませて、経験をたくさん積ませ、プレッシャーに強くする必要性を痛感する。その考えは、4年後のソウル五輪で強化される。

2012-08-03 14:50:37
岩崎夏海 @huckleberry2008

「競マ史その1」日本競泳のマネジメントは失敗から始まった。1984年ロサンゼルス五輪。長崎宏子選手はバリバリの金メダル候補として参加したにもかかわらず、結果は4位。しかもそれで、精神的に弱いだのなんだのさんざん叩かれた。マスコミの手のひら返しにあった。それで学んだ。

2012-08-03 14:49:20
岩崎夏海 @huckleberry2008

今回のオリンピックは競泳チームがメダルの半分を獲得しているそうですね。これは快挙だと思います。そこでぼくが30年にわたってウオッチしてきた日本競泳チームの歴史について茂木さんみたいにシリーズで書きます。名付けて「日本競泳マネジメント史」略して「競マ史」。

2012-08-03 14:47:09
岩崎夏海 @huckleberry2008

こういう重層性をもったすごみのあるあるアスリートは、近年の日本に量産されている。北島康介選手もそうだし錦織圭選手もそうだろう。日本のスポーツシーンは全く変わった。

2012-08-02 18:03:03
岩崎夏海 @huckleberry2008

当時の水泳のメダルはこれ一個。日本チーム全体でも金メダルは確か2個か3個くらいだったので、大地の金メダルがいかに貴重だったか。その日本競泳が、今では3レース連続でメダルを獲得するなんて、だから隔世の感がある。いまの競泳はほんとすごいよ。

2012-07-31 18:12:32
岩崎夏海 @huckleberry2008

島村「勝った! 55秒05。鈴木大地、金メダル」東島「行きました行きました」 と、そんな感じで金メダルを獲得した。とにかくこれにめちゃくちゃ興奮した。

2012-07-31 18:11:24
岩崎夏海 @huckleberry2008

それでもバーコフは最後の力を振り絞ってバサロをした。彼は以前は大地より5メートルくらい長く潜っていたけれど、この時はその差が縮まってほとんど一緒に浮かびあがった。浮かびあがった時はしかしさすがにバーコフでバーコフがリードした。ショーン・マーフィーは遅れました!

2012-07-31 18:08:40