山本七平botまとめ/「日本”一般人”国」と「日本”軍人”国」の二国併存状態であった戦前の日本/~政府と軍隊を切り離した「統帥権」の暴走が招いた悲劇~

山本七平著『一下級将校の見た帝国陸軍』/統帥権・戦費・実力者/307頁以降より抜粋引用。
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山本七平bot @yamamoto7hei

⑦そしてその不安は、戦後、収容所で、米軍に収容されるとき不安を感じたか感じなかったか、という話になったとき、ある人が、 「不安を感じたなあ、だけど入営の前夜ほどではなかったな」 と言ったとき、思わず皆がうなずくほどであった。

2014-12-07 01:08:52
山本七平bot @yamamoto7hei

⑧軍の方も軍隊以外を「地方」(陸軍)又は「娑婆」(海軍)と呼び、それは軍の為に活用すべき従属者以外の何物でもなかった。 従って帝国陸軍の作戦には国民軍として住民保護が至上の義務という見地は皆無、また戦闘員・非戦闘員の区別と非戦闘員の権利を自国民に対してさえ実質的には認めなかった。

2014-12-07 01:38:57
山本七平bot @yamamoto7hei

⑨沖縄の人々の消しがたい不信の背後には 「軍が住民を使い棄てにした」 と受けとられるような、以上の考え方に基づく諸事実がある。 だが、本土決戦が行われれば事情は全く同じであったろう。 この実情は前述の参謀の言葉につくされている。

2014-12-07 02:08:50
山本七平bot @yamamoto7hei

⑩昭和22年に内地へ帰って、人々から米軍の印象を聞かされたときの感じをそのままのべれば 「旧占領軍の天皇の軍隊が去って、新占領軍のマッカーサーの軍隊が来たが、この方が天皇の軍隊より話がわかる」 といった感じであった。

2014-12-07 02:38:57
山本七平bot @yamamoto7hei

⑪”史上まれにみる占領政策の成功”といわれるものの背後には、天皇の軍隊による長い長い”被占領期間”があり、国民が、被占領状態になれていたという事実があったであろう。~後略

2014-12-07 03:08:49