【第三二回お題配信】@coralblueyumiさんより、土銀140字お題は『縁側』『ほおずき』『子供』を使って書いてくださいです。http://t.co/s7e32tmu ※提出期限は7/19(木)22:00までです。みなさまのご参加お待ちしております。
2012-07-15 20:16:51縁側で寛ぐのは自由だが、この姿を見られちゃお前また総一郎くんに馬鹿にされんじゃねえの?他の男の名前を出すとアァ?と下からガンを飛ばしてきやがる。子供か。膝枕されてる状態でそんなんされてもなぁ。網目の皮から透けて赤い実を見せる鬼灯のように土方という男が緩やかに見えてくる。暑いなぁ。
2012-07-16 17:27:41太陽を避けて松の陰の縁側で冷茶を煽る。粗忽者の集まりだと云う割に此処には風流な物が並ぶ。煙草の代わりにそいつをもぎ取り手慰み。「なんか、いやらしい」と呟く残念な頭に手刀をひとつ。「ほおずき風船、子供ん時やったろ?」「ま、今でも十分ガキですけど」見合わせて吹き出す。あぁ、悪かねぇ…
2012-07-18 18:38:58上がり込んだドラ猫は、我が物顔で縁側に寝そべって、じい、と庭の一点を見ている。俺には色づき始めたほおずきの赤黄まだらしか見えないが、猫はこの世ならざるものを視ると言うし。「旦那、貰い物ですが水羊羹食べます?」呑気な声に猫は顔を上げる。去り際に此方を向いて、子供のように舌を出した。
2012-07-19 19:13:06土方は子供の頃、ほおずきが怖かったという。真っ白に透けてしまうのが悲しいと。綺麗だと思うけどなあ、と言うと今はな、と返された。些細なものを怖がるお前を、知りたかったと思う。縁側から降り、庭の鬼灯を摘み上げた。死者じゃないけれど、戻れない場所へ、俺のことも導いてくれないだろうか。
2012-07-19 21:15:29買ってきたばかりのほおづきの鉢植えが、縁側から見える。まだ青い膨らみの中には、まだ実はできていない。「だったら、何が入ってると思う?」土方は冗談半分で銀時に聞く。「…俺とかお前の、子供のころの事とか」入ってそうじゃない?と言いながら遠くを見る銀時の記憶に、思いを馳せている。
2012-07-19 21:50:40