【9/4】テーマ:踊る【#同題ssTB】
- yoruhatemisumi
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楽しげに軽やかにストレートチップが鳴る。見たこともない恍惚の表情でミラーボールの光を受けるあの人は、ほんとうにいつも僕の隣にいる人なのか。そのとき、視線が絡んだ。目尻が淫靡に皺を刻む。一瞬で喉が干上がった。<踊る> #同題ssTB
2012-09-04 08:49:45「どうせなら派手な方がいいでしょう?その方が彼女好みの絵になる」そう言って計画をぶちまけた相棒の目を見て、あ、ヤバい、と思った。完全に、キレてらっしゃる。「せいぜい派手に踊ってやりますよ。」ねえ、付き合ってくれるんでしょう相棒?笑顔が怖い。俺は頷くしかなく【踊る】#同題ssTB
2012-09-04 08:56:04オーナーがBBJ 廃で有名な企業主催の宴。まぁ何かあるとは思ったけどな。「ワイルドタイガー、当然踊れますよね」言われて俺はセンターに追い出された。はっ。俺は喉で笑って怒りの余り蒼く光って見える相棒へ手を伸べる。「王子様、お相手願えませんか?」「Sure!」<踊る> #同題ssTB
2012-09-04 08:56:05スポンサーの奥方にお辞儀をして戻ってきた虎徹さん。「ダンス全般がダメなのかと思ってました」「プロムで友恵と踊ったからさ」人目があるこんな場所じゃ、僕とは踊れないダンス。「いっそあの奥様になってあなたと踊りたいな」「…それじゃ不倫になっちまうからダメ」<踊る> #同題ssTB
2012-09-04 08:58:37ずっと、他人の手のひらの上で踊らされ続けてきた。そんなつもりはなかったのに、周りから見ればサーカスのピエロのように踊っていただろう。あなたが来て、僕の世界を壊して去っていった。踊り続けろ、と誰かが言った。矢先に復活したワイルドタイガー。僕は彼と踊りたいんだ。/踊る #同題ssTB
2012-09-04 09:03:05「ちょっと、まだご挨拶が」ざわめく広間からバニーの手を引き抜け出して、バルコニーに出る。あんな羨ましそうにワルツの輪を見られたら、叶えてやりたいじゃん?「御手をどうぞ、王子様?」洩れる音楽と明かり…ここなら二人きり、月夜のダンス。<踊る> #同題ssTB
2012-09-04 09:05:14「ダーメ!! ダメです! あいつと行くのは許しません」「勝手に決めないで!」楓ちゃんがプロムで踊る相手が気に入らないと、昨日から喧嘩続きだ。「それなら僕はどう?」戯れで口にしたら「えっ、いいの!?」「ダメー! バニーもダメ!」誰が相手でも虎徹さんは怒る。 <踊る> #同題ssTB
2012-09-04 09:09:09「はっはー!ふわっふわ!」連続出動のご褒美と思う存分杯を重ねた虎徹さんは夜風を浴び、石畳を爪先で弾き、くるくると回る。「バニー俺超気持ちいい」「見れば判ります」酔っ払いの癖に、色っぽ過ぎてみてられない。これが僕への求愛のダンスなら良かったのに、なんて。/踊る #同題ssTB
2012-09-04 09:09:19突然の、人目もはばからぬ口づけを咎めると、流石に照れた顔で、「俺、ホントにバニーちゃんのこと、好きだわ」そう言って悪戯っぽく笑う。そんな時のあなたの瞳は、踊るように輝いて…ああ、怒れない。/踊る #同題ssTB
2012-09-04 09:10:12コンバーチブルを走らせてビーチへ行こう。ウーハー、少しぬるくなったビールとウォータメロン、コパトーンの匂いがする砂だらけの楓とお前。びしょ濡れのまま踊って、パラソルの陰でならこっそりキスしたっていい。夏が終わる前に、はやく。/踊る #同題ssTB
2012-09-04 09:11:14能力にリミットがあって良かった。永遠に、あの跳ね上げ橋で、踊らされるところだった。アルゼンチンタンゴのように、絡み合って激しく。黒いドレスを着たお前と、どちらかが壊れるまで。/踊る #同題ssTB
2012-09-04 09:14:28人気のなくなったフロアの一つ、耳につくのははぁはぁという荒い息と時折こぼれる僅かな声。「…っ、もー無理!!」鏡に背を預けて叫ぶあなたは汗だくで、隣の僕も汗をぬぐう。冷たい鏡に額を押し付けて、はぁっ、と息をついた。しばしの無言、そして一言。「何かエロくね?」<踊る> #同題ssTB
2012-09-04 09:16:10「これ、本当に美味しいんですか?」バニーちゃん、顔、かお!食べ物をそんな目で見てはいけません「だって…ぐちゃぐちゃだ。美味しそうな要素がどこにも見当たりません」なんて言ってたくせに。ソースとマヨをたっぷり「早く食べましょう虎徹さん!」兎は踊る鰹節に釘付け<踊る> #同題ssTB
2012-09-04 09:20:53バタバタと洗面所でバニーがせわしない。もうコーヒーも飲み終わったぞバニーちゃん。時計の針が追いかけてくる「ほら、もう行くぞバニー」「ちょっと待ってください。まだ、髪が」ぴょんと踊る毛先。美容室よりこっちを優先させてる証に、ちょっと幸せな気分になったりして<踊る> #同題ssTB
2012-09-04 09:21:28楽しげに風が踊る。何かいい事でもあったのかい?「わぁっ!」ふいに上がった声に目を向けると、風に煽られたのか白いジャージ姿の少年が尻餅をついていた。こちらが手を貸す間もなく、すぐに立ち上がって走り去る。跳ねた毛先が踊ってるみたいで可愛いね。<踊る> #同題ssTB
2012-09-04 09:22:07「くうぜーんぜつっごっのー…くうぜ…くうぜん…」「虎徹さん…いつまでそこやってるんですか」 /踊る #同題ssTB
2012-09-04 09:24:18●いつまでも自分の好きなように踊らせられるなんて思うなよ。ずっと踊り続けてたバニーの赤い靴はこの間俺が脱がせたんだ。 #同題ssTB 踊る
2012-09-04 09:25:571人だった時には味わえなかった、心躍る瞬間。アイコンタクトだけで連携が決まった時のこの計り知れない充実感に高揚する。あぁ、俺達は最高のバディだ! <踊る> #同題ssTB
2012-09-04 09:26:22「なんだろう。これ幸せな気分になりますよね」ふわふわ踊る鰹節を見てバニーがふふ、と笑う。焼き上がりを待つ間に中ジョッキが空になった。それのせいじゃね?「違う」と否定し、スマートに二杯目をオーダー。このときばかりはたっぷりのマヨネーズにも顔をしかめたりしない。/踊る #同題ssTB
2012-09-04 09:27:21長い脚を辿り、からだの奥をさぐり、唇を確かめる。何をされても、バニーは息を荒くする。もう限界だろうか。綺麗なグリーンが潤むのは、こういう涙がいい。「……バニー、睫毛なげぇな、」<踊る> #同題ssTB
2012-09-04 09:30:28「貴方が無様だと僕まで恥をかくので」だからってなんでダンスの練習なんか。「次のパーティーはご婦人が多いんですよ。足踏んでます」「あ、悪い」「ステップ逆」「明日が憂鬱だぜ……俺このままバニーちゃんと踊ってたいわ」殺し文句は一人前って、お前それどういう意味だよ。/踊る #同題ssTB
2012-09-04 09:33:53●あなたはいつもステップを踏んでいる、初めて出会ったときも氷上を滑ってターン、周りを見渡すにもくるりと回って。手を差し出しても拒んで踊り続ける、お相手はどなた?亡くなった奥様、それともこの街。 #同題ssTB 踊る
2012-09-04 09:40:51虎徹を抱え大通りまでの短い路地を行く。肩に回させた腕が何度もずり下がるが酔っ払いに協力を求める訳にも行かず、諦めて腰に腕を回した。こうして触れる度に熱が燻るが、長い時間の中で抑える術を覚えてしまった。だがそれでいい。ここがパートナー不在の舞台だとしても。 <踊る> #同題ssTB
2012-09-04 09:44:40舞台裏のモニタで踊る彼らを見る。僕の部下と彼の部下。これも話題作りだ。「どんな調子?」と彼が声をかけてくる。「まぁまぁだね。これなら明日からも心配ないよ。…君は見ないの?」「ああいうダンスはよく分からないからね」「ふぅん、じゃあどういうダンスなら?」 <踊る> #同題ssTB
2012-09-04 09:45:40モニタを見ながら、彼がステップを踏み出す。彼女の振り付けと完全に一致する。「何、君も覚えたの」「彼女がこんなの恥ずかしい、ロバートさんは踊らなくてもいいんだから良いですよね!って言ったから踊ってみせたの」「…君も良くやるね…」「まぁ、半分は意地かな?」 <踊る> #同題ssTB
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