「ア・ララバイ・キャン・ビー・ヒアード・イン・ボディサットヴァ・アームズ」 #2

うさぎ小天狗(実写版) @USAGI_koTENGU

「サヨナラ！」ツブテの断末魔！同時に、暗黒のコメダ・ストリートに白い光が爆発する！スラストレインのフラッシュバン。オプティカルバットは『撤退指示。指示監視続行な』のIRCメッセージを送り、ダークパープルのマント装束を展開。ビルの屋上を蹴って滑空、敵との距離を測る。　23

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「オニ……！」ヤモト・コキは、テレビ画面に映し出されるアマクダリニンジャと"オニ"のイクサに息を飲んだ。「アンビリーバボー……」隣ではザクロが嘆息する。「三日前だ」ディクテイターがリモコン操作、画面はグレー地に『第四帝国』の黄金ミンチョ体を配したアイキャッチ映像に変わる。　25

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「翌日、現場に向かった回収班からの報告では、敵はブロードアクス=サン、ツブテ=サンの爆発四散した遺体の一部を持ち去っていた。現場には捕食された痕跡もあった」「エネルギー補給……」ザクロが呟く。彼自身も、カラテによる防御ジツ、ムテキ・アティチュードを使う。　26

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ムテキ・アティチュードはカラテを消費する。自身のカラテで補う場合がほとんどだが、ザクロの場合、敵から受けた攻撃のカラテを蓄積、エネルギースリケンとして放つ効果も併せ持つ。ザクロのニンジャ分析力が、映像で見せられた"オニ"のジツに、自分のものと近い要素を感じ取った。　27

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「そうだ、貴様のジツと同じよ、ネザークィーン=サン」ディクテイターが告げる。「敵は捕食によってカラテを蓄える。我らが分析班はそう判断した。故に次のような作戦を考案したのだ」画面が切り替わる。映しだされたのはグリッドで仕切られたネオサイタマの地図。　28

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「敵は今、ムコウミズ・ストリートに潜伏している。先ほどの映像を記録した、オプティカルバット=サンが監視中だ」地図の一部、『センベイ駅』と書かれた建物の側に、『E』と『O』のネットハック式アイコンが点滅する。「明日の夜、我らの精鋭がここに展開、敵をあぶりだす」　29

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「どうやって？」ヤモトが訊ねるが、ディクテイターは応えず、リモコンを操作。地図が拡大され、ムコウミズ・ストリートからニチョームまでの間に、赤い矢印が引かれる。「作戦開始は午後十時。敵を疲弊させ、オヤフーコ・ストリートを経由してニチョームへ誘い込む」　30

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「そのことなンだけど」ザクロが口を開いた。「なンでニチョームなのよ」「ニチョームは今や我らの傘下。どのように使おうとも、それは貴様らの意見するところではない」ディクテイターは冷酷に言い放つ。「ネオカブキチョは我らにとって重要な経済基盤の一つだが、ここはさほどでもない」　31

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ヤモトは平坦な胸に名状しがたい怒りの波が盛り上がるのを感じる。圧倒的な力でニチョームに不平等条約を押し付け、傘下として扱うアマクダリの不条理への怒り、コマとして扱われることへの怒りである。「ドグサレッガ……！」隣では、ザクロが強い怒りを孕むスラングを呟く。　32

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しかし……その怒りに同調しかけたヤモトのニューロンに、ここへ来る直前、ザクロと交わした会話が甦る。午後十時過ぎ、にぎわう「絵馴染」から強制的に呼び出され、ここ、「ゼン・トランス」第八フロアの接待ルームへ向かう途中のザクロの言葉……。　33

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『いきなり呼び出しなんてド頭に来るわ。どうせロクデモナイ要件に決まってるのに』『うん……』『しかも、アータまで呼びつけるなんて』『大丈夫。アタイもニンジャだから』『だからよ』ザクロはため息をつき、『アタシだけで済むことなら、その間、ここのこと、アータに任せられるじゃない？』　34

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まさかニチョームが作戦の場になるとは考えもしない頃のセリフ。しかし、それがヤモトの心を暖かくした。((アタイは信頼されている……ザクロ=サンの相棒として、ニチョームの守りとして！))自尊心が波紋を起こし、怒りを相殺した。「教えて」「なんだ？」「どうやってオニを追い込むの？」　35

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「ヤモト……！」「従う気になったか？」「勘違いしないで。決めるのはアタイだけじゃない。ザクロ=サンと自治会のみんなもだ。でも……」「でも、なんだ？」ヤモトは相手の目を見つめ、言葉を選んで語りかける。「詳細を知らなきゃ、協力したくてもできるわけがない」「協力！……いいだろう」　36

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同時刻、ムコウミズ・ストリート。センベイ駅から吐き出された群衆が、それぞれの目的を求めて、レミングめいた人波に散らばり紛れていく。バイオスズメよろしく群れ集うパンクスがライブハウスに吸い込まれ、暗い目のサラリマンたちがそれぞれの歩みでゲイシャ・ディストリクトへ向かう。　38

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「ワカシュ」のミンチョ体が一文字ずつ色を変えるサイバーネオンの下では、シースルーキモノを着たチョンマゲたちがダイミョ夫人に対するごとく客を迎え、ゲームセンターの入り口では数人のヤンクが黒縁サイバーグラスのギークを囲み、側の薄暗い路地へと誘うカツアゲ・インシデントが進行中だ。　39

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そして……それらの光景をセンベイ駅の鉄塔から見下ろすものあり。闇に紛れるダークパープルニンジャ装束が、小ゆるぎもせぬクリフハンガー姿勢を保つ。アマクダリ・セクトの偵察ニンジャ、オプティカルバットである。　40

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今……オプティカルバットの右耳と両目は、ゲームセンター横の路地、トラッシュボックスにゴミ袋めいてもたれかかる黒い塊にむけられている。三日前から彼が追跡しているターゲット、敵、だ。……と、その時！視界に飛び込んできた対象にフォーカスがオート移行！　41

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「アッ、デモ、これから予備校……」薄暗い路地に連れ込まれたギークが、弱々しく抵抗の声を上げる。「イイッテイイッテ」ギークの肩を抱く逆モヒカンヤンクが嘲るように言う。「オサボリも勉強のうちデスッテ！」別のヤンクがギークのカバンを速やかに奪い取り、仲間に渡す。　42

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「アッ、ヤメテ」カバンを奪い返そうとするギーク。機先を制した両側のヤンクが、左右の脇に差し込んだ腕でフートン・モノホシめいてその体を持ち上げる。「トレジャーボックス、インスペクト！」イエローサイバーベストのヤンクがカバンに手を突っ込む。「ノートラップアバーバババ！」絶叫！　43

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「ドシター？」手ぶらのヤンクがうずくまった仲間に声をかける。「トラップ！」ヤンクがかざした手はゴア血に濡れ、禍々しい小型サイバーベアトラップががっちりと肉に食い込んでいる！「ザ、ザマミロ！それは僕のリストバンド信号がなければ実際危険なんだぞ！」ギークの引きつった笑い！　44

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「ザッケンナコラー！」小型サイバーベアトラップを手に食い込ませたヤンクがシャウト！「アイエッ!?」ギークが慄き失禁！「ナンテメッコラー！」「スッゾラー！」ギークを釣り上げる二人のヤンクもシャウト！「アイエエッ!?」サイバースラックスを湿らすギークの失禁が倍点！　45

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「ヤンノラー！」負傷ヤンクはギークの腹めがけ不恰好なヤクザキック！「アバーッ！」ギークは身を捩り脱出を図る！しかし！「ンダッテメコラー！」「ニガサカシャラー！」ギークを釣り上げる二人のヤンクがシャウト！揺さぶられるボディが豊満だ！ポケットからこぼれるトークン！滴る失禁！　46

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負傷ヤンクがギークの腹めがけ再度のヤクザキック！「アバーッ！」豊満ギークの悲鳴！「ダッテメッコラー！」ヤクザキック！「アバーッ！」豊満の悲鳴！「スンゾラー！」キック！「アババーッ！」悲鳴！「キャオラー！」「アバババーッ！」「アバッ！」……悲鳴？　47